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音楽を描く’(utena drawing)理論と方法3

今回は「リズムが取れない!」「リズム音痴」「人と演奏が一緒にできない」という人や、そういう場合の指導になやんでいる音楽教室の先生にもよんでいただきたい記事です。音楽と人の体験の間を取り持つのがutena drawing というワーク。今回の大きなテーマは拍・拍子のとり方について。

情報/音楽と感覚の同質

音楽は全て体験だった

どんな音楽にも、人の体験が関わっています。
当然のことながら、

世にうまれでた音楽のすべての源泉は人の中にあって、
人の中から湧きでてくるものと音楽は深く結ばれている

のですよね。
かつて誰かの体験だったものの累積が、音楽の構造を成り立たせている、とも言えるかもしれません。
そういうふうに捉えてみると、無味乾燥なものにみえる楽譜(つまり西洋音楽の歴史の積み重ね)にも、誰かの感覚や感情や直感がくすぐられて生まれた原体験が眠っていて、それが蘇生するのを感じることができるとおもいます。
楽譜をそうした生きた”体験”として紐解いていくことが、音楽への旅を豊かなものにしてくれるだけでなく、見通しよく、より親しいものにもしてくれます。

このことをutena music field では、「音楽プロセス体験」と呼んでいて、これは人の体験や感覚のほうへさかのぼってみようとしてみる試みです。

音楽をすでに出来上がったもの・完成された作品と捉える前に、人の体験としてどうなのか、というところを掘り下げてきて、utena music field が出会ったのが 「音楽を描く」utena drawing という方法でした。音楽の中に含まれている誰かの体験を、再現できるのもまた、誰かの体験によって、です。
だから、utena drawing を活用するときに、まず大事なのはあなた自身の感覚や実感なのです。

さて、3回目になる今回は、拍・拍子という音楽の時間軸の骨格の捉え方についてです。
その前に、「音楽プロス体験」で独特な使い方をしている言葉、今回は「情報」ということと「音楽の要素と感覚体験の同質性」についてお話しておきたいのと、それから、ウォーミングアップのワークは点を打つ、というワークを、本題の前にちょっと試しておきましょう。

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愛媛の片田舎でがんばってます。いつかまた、東京やどこかの街でワークショップできる日のために、とっておきます。その日が楽しみです!