見出し画像

転んだとき

初めて転んだのはいつだったろう。

仰向けになっていた赤ん坊が寝返りを打ち、ずりずりと体を移動させるようになります。ハイハイを覚えて両親をいたく喜ばせ、驚かせ、恐怖の悲鳴を上げさせることもありました。

喜ばしい成長は時に痛みも伴います。

つかまり立ちをして、一人で立って歩いた時の誇らしさ。覚えてはいませんが、嬉しかったでしょうね。その後ころんと転んで泣いたのか、驚いて何も言えなかったのかは分かりません。

一人で立てるようになってもまだまだ未発達。たくさん練習してご飯を食べて、よく眠って、身体を強く大きくしなければなりません。いつの間にか靴をはき、一人で外に出歩くようになると、自分が歩けなかった時のことなんて忘れてしまいます。

人生で初めてつまづいたのはいつだったろう。

これもきっと覚えていないでしょう。幼い頃の失敗は、それほど大きく取り上げられません。すべてが初めてなので、つまずくのは珍しいことではないのですから。

人生でつまずいたと深刻に捉えるようになるのは、もう少し成長してから。

つまずいてもすぐに起き上がれるのなら大丈夫。ちょっと怪我して泣いても誰かが優しく抱きしめてくれて、慰めてくれて、もしくは自分でしっかり立ち上がることもありますね。ぎゅっと口を固く結んで、涙目になりながら歩いて行くこともあるでしょう。

つまずいたのが自分の不注意だったのか、誰かに足を引っかけられたせいなのか。つまずいた時の状況も色々あるかもしれません。

転んだ時にとっさに手をついて、頭や顔、大切な部分を怪我しないよう、転んでも被害を最小限にする方法があります。

私は小さい頃、外で遊ぶのが好きだったので、よく転んで怪我をしました。転んだせいひどい怪我をしたことはありません。不注意で左腕を骨折したことはありましたが、骨がきれいにくっついたらしく治療後に困ることはありませんでした。

転んでもそれほど怪我をしませんでしたが、人生の起き上がり方というのに難儀することがあります。どうしたら、上手に起き上がれるのでしょう。なぜあの人は起き上がれるんだろう。

そう思いながらももしかしたら、上手な転び方をいつの間にか覚えているのかもしれません。知らない間に手をついて、起き上がっていることもあるでしょう。

転んでもとっさに手をつけば、すぐに立ち上がれます。もし不格好に倒れてしまっても、きっとまた立ち上がることができます。自分一人で立ち上がれない時は、誰かに手を貸してもらうかもしれません。

転ぶのを恐れなかった子供の頃のように、挑戦し続ける人でいられますように。


こちらの企画に参加しました。何かの企画を通して書いてみると、普段は考えないことに想いを巡らせます。普段はこぼれてこない文字がとびだしてくることもあります。テーマに向き合い形にする。とても良い機会をいただきありがとうございます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?