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居心地の良さを手放したくない

最近会社の後輩くんと仲良くなった。

今までほとんど関わりはなかったが、同じプロジェクトメンバーになったことをきっかけに飲みに行くようになり、すっかり意気投合した。

音楽の好みや普段の生息地が一緒で、何より波長が合う。居心地がいい。
違和感がなく、自然でいられる。
会うと癒されて、疲れが取れる感覚まである。

これが世の中の恋愛をする2人であれば、
いよいよ「恋人になる」「付き合う」というフェーズが待っているのだと思う。
もしくは、もう既に「付き合っている」のかもしれない。

現に、同僚から「2人、付き合ってんの?」と聞かれたばかりで、何やらわたしたちが距離を縮めているらしいことは容易に感じ取れるようだ。

男女が2人でいると決まって関係性に名前を求められるの、ほんとうんざりするなあ。

恋愛感情によって結ばれた男女二人組を最小単位としてこの世界が構築されていることへの巨大な不安が、そっと足のつま先に触れるのだ

朝井リョウ『正欲』


さて、少し脱線したので話を戻す。
後輩くんと話すようになってからはたった数ヶ月だが、わたしにとってかなり大事な存在であることは間違いない。

今、ちょっとだけ怖いなと思うのは
向こうのわたしに対する気持ちの中身が分からないこと。

同じように居心地の良さや癒しを感じてくれていることは伝わる。
でも、この先に「恋愛」を期待しているのかどうかが、わたしにはさっぱり分からない。

正直、会うたびにビクビクしてしまう。
次会ったときに好意を告げられるんじゃないか、過去の恋愛について色々と聞かれるのではないか、と。

会う前は毎回脳内ポイズンベリーばりのシミュレーションをしてあらゆる想定問答集を用意しておくのだが、幸い当日はたわいもない会話ばかりで杞憂に終わる。

安堵しながら、大事な存在ゆえに手放したくないんだ、と強く実感する。

わたしだってずっとひとりでいたいわけじゃない。

恋愛や結婚は難しくても、空気みたいに一緒にいられる人のそばにいたいと、やっぱり思ってしまうのだ。

もしこの先心を許す人に好意を告げられることがあったら、
その時は自分のことを話してみたいと思っている。
うまく伝えられないかもしれないけど、自分の言葉で。
相手の気持ちもちゃんと考えられるかな?

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