「社内評価」と「市場価値」の両立

こんにちは、ゆーたろーです。私ごとですが、最近転職することに決めました。

そこで、修士卒研究職のキャリアを考える参考になればと思い、これまでに note を2つ書きました。まだお読みで無ければそちらからどうぞ。まず1つ目 note「研究職やめます」は、一言にまとめると「このまま研究職を続けるよりも、キャリアチェンジをした方が市場価値を高められる可能性がある。だから研究職やめます」というものです(本当はもっと考えての決断ですが)。

2つ目のnote「市場価値が全てなのか?」では「社内評価」と「市場価値」の違いについて言及しました。

その際に、説明を簡単にするべく「市場価値」と「社内評価」を二項対立で記述しておりました(誤解を与えた方すみません)。これら2つを両立させる方法は無いのか?というご指摘を受けました。

言うまでもなく両立させる方法はあります!基本的に「社内評価」の高い優秀な方は「市場価値」も高いものです。ただし「社内評価」は必ずしも「市場価値」につながるとは限りません(例えば下記の4点目が出来ていない人など)。

ここでは、「せっかく一生懸命仕事を頑張っているのに、それが市場価値に繋がらない…。」とならないように、今の職場(会社)で仕事をしながら市場価値を高める方法について私の考えを4つ纏めます。特に4点目は多くの人に関連すると思いますのでご参考になれば。

1. 市場価値の高い研究・業務を行う

1つ目のnoteに記載した通り「市場価値 = ①専門領域 x ②肩書き x ③実績」なので、「①専門領域」で市場価値を高めます。研究であれば、最先端の研究技術の習得やこれからもトレンドとなり続ける疾患領域(ガンや中枢系など)で研究を行うことで、社内で必要とされる技術を磨きながら市場価値も高めることが出来ます。研究以外への部署異動も視野に入れれば、例えばCMC薬事などは未経験の参入障壁が高く転職市場でも市場価値が高いと言えます。

2. 社会人博士を取る

上記の「②肩書き」の部分です。私が社会人博士をすぐにでも取りに行くべき、と主張し続けている理由はこれです(取りに行かなかった自分が主張する資格はない事は百も承知ですが…過去の自分に向けてのメッセージです)。

3. 社内の研究成果を外部発表する

上記の「③実績」の部分です。今の研究内容を外部発表できるよう上司に掛け合う、それが難しい場合は発表しやすい研究(共同研究など)にアサインしてもらう、などでしょうか(現職ではこの可能性が無かったので分かりません)。外部発表するかは各社方針が異なりますので、就活生にとってはこの辺りの情報収集も大事になると思います。

4.「ソラ(事実)・アメ(解釈)・カサ(判断)」+結果

突然ですが「ソラアメカサ」という言葉を聞いたことはありますか?天気予報の話ではなく、コンサルティング会社のマッキンゼーが採用した思考のフレームワークです。具体的にはこのような思考の流れとなります。

・ソラ(事実) 例:空は曇っている
・アメ(解釈) 例:雨が降りそうだ
・カサ(判断) 例:傘を持っていこう

おそらくこれは全ての社会人にとって重要なスキルであり、例にもれず研究者にとっても必要不可欠といって過言ではないはずです。

実験結果の場合であれば、

・ソラ(事実) 例:実験データがでた
・アメ(解釈) 例:このデータから○○だと言える
・カサ(判断) 例:では次のアプローチは△△だ

競合他社のプレスリリースであれば

・ソラ(事実) 例:プレスリリースにて最新の研究成果が発表された
・アメ(解釈) 例:自社は競合他社に対して○○が一歩劣っている
・カサ(判断) 例:△△の技術が自社には必要なのでは?

この思考のフレームワークにより社内評価も市場価値も高められると思います。若手であれば「あいつはよく考えている」と評価されるでしょうし、中堅以上であれば呼吸するレベルで当然やっているはず。

ただし、この思考のフレームワークを市場価値向上に繋げるには2点注意すべき事項があります。1つ目は「ソラアメカサを『結果』まで繋げる」、2つ目は「きちんと言語化する」です。

まず1つ目の「ソラアメカサを『結果』まで繋げる」について、よくあるダメな例を挙げます。

・ソラ(事実) 例:競合他社が新しい技術に着手した
・アメ(解釈) 例:自社はいつも一歩出遅れている
・カサ(判断) 例:○○って技術に着手すればよいのに…

カサまでは考えるのに行動しない。これは『結果』に繋がらないので「ただ批判している」だけです。○○に着手すべきと思うのであれば、その技術をもっと調べる、上司に掛け合う、そこでダメならさらに上司まで巻き込む。そして実際に○○に着手したことで「競合他社に対して△△になりました」という結果を示す。ここまで出来て初めて「市場価値」に繋がります。実際に私の転職活動時の質問でも8割近くがこのような内容でした。

2つ目の注意点である「きちんと言語化する」は盲点ですが意外と難しいです。面接時に「上手く伝わらなかった」とならないように、ほどよく抽象化して言語化する練習をしておきましょう。ツイッターは良い練習の場になります。

以上、「社内評価」と「市場価値」を両立する方法について私の考えを纏めてみました。いかがでしょうか?ご意見・ご感想・質問ありましたらいつでもお待ちしております。

引き続き転職やキャリア関連の発信が多くなろうかと思います(おそらくしばらくは退職交渉について)。興味をお持ち頂いた方はツイッターアカウントをフォローして頂けると幸いです。

ゆーたろー



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