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【Twitter連携企画】クイズ★進振りケース(CASE02)

 オンライン授業が始まって早1ヶ月。新しい生活様式での「大学生活」に慣れてきた人も多いのではないだろうか。しかし一方で、定期試験や成績評価、そして特に、進学選択、いわゆる「進振り」には不安を抱えているだろう。コロナ禍の影響を完全に取り除くことはできないが、我々にできるのは進学条件を今一度確認し、問題なく志望学部・学科に進む準備をすることだ。
 UT-BASE公式Twitter( https://twitter.com/UtBase )で行われている、進振りのあれこれを具体的な例を用いて理解する「クイズ 進振りケース」。第2回は進振りにエントリーするための条件についての問題だ。解説もあるので、ぜひ参考にしてみてほしい。なお、断りの無い限り、既習外国語(英語)と初修外国語を選択した非TLP生を想定しているので、これに該当しない人は適宜、『履修の手引き』を見て確認してほしい。

CASE02 【進学選択参加要件の充足】

【問題】
 文科一類の米主(べいす)君の1年次Aセメスター終了時の成績表は画像の通りだったが、彼は何かがマズいことに気が付いた。米主君が進学選択(進振り)に参加するには、何が何単位不足しているか。(他科類の人も挑戦してみてね!)

スライド9

【選択肢】
① 「法Ⅱ」の2単位
② 人文科学の2単位
③ 主題科目の2単位
④ 総合科目D~F系列の2単位

(Twitterでの出題はコチラ!)

知識の確認

問題を解くにあたり、まずは、「進学選択が可能となる条件」と「前期課程修了要件」の違いがはっきり分かるようにしよう。この違いが分からないと、後々取り返しのつかないことになりかねないので要注意だ。

■進振り要件
 「進学選択が可能となる条件」(『履修の手引き』8ページ)、いわゆる進振り要件は、2年次の夏に行われる進学選択(進振り)に参加することができるようになるための条件。これは、2年次の夏、すなわち、2S2ターム・2Sセメスター終了時までに、最低限満たしていないといけないものである。

2年次に実施される進学選択が可能となるためには、1S1タームから2S2タームまで在学したうえで、2S2ターム・2Sセメスター終了時までに、下記の表1「進学選択が可能となる条件」に示す条件を満たさなければならない。ただし、集中講義等で、2S2ターム・2Sセメスター成績発表時に反映されていない科目の単位については算入されない。(『履修の手引き』p.8冒頭)

■前期課程修了要件
 一方、「前期課程修了要件」(『履修の手引き』9ページ)は、前期課程を修了して後期課程に進級するための条件であり、これは2A2ターム・2Aセメスター終了時までに最低限満たしていないといけないものである。仮に進学選択に参加出来て、進学先が内定した場合であっても、これを満たさない限り後期課程に進めず、「駒場残留」になるので注意しよう。

前期課程を修了し、後期課程に進学するためには、進学選択において、進学先が内定したうえで、2年間以上在学し、下記の表2「前期課程で各科類の学生が取得すべき必要最低単位数」に示す、各科類に要求される単位を取得しなければならない。(『履修の手引き』p.9冒頭)

■前期課程の流れ
 したがって、皆さんには前期課程には2つの関門があることを意識してもらいたい。
2Sセメスター終了時の進振り要件
2Aセメスター終了時の前期課程修了要件
の二つだ。ここに、東京大学ディズニーサークル( https://twitter.com/todai_disney )さんからお借りした、前期課程2年間の流れを整理した図を掲載する。なお、降年・留年については後日説明を加える。(図:前期課程の流れ)

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 ところで、進振り要件については注意が必要である。これは最低限の条件なので、この条件ギリギリで進振りに突入すると、進振り点計算の仕組み上、進振り点(「基本平均点」や「指定平均点」)が著しく低い状態で進振りを戦わなければならなくなる。いわゆる「進不利」の状況だ。したがって、「進不利」にならないためには、進振り要件よりも多くの単位を獲得する必要がある。具体的には、2Sセメスターの時点で『履修の手引き』55ページの表に記載された単位数を取得していることが必要である。その理由は後日、CASE05の解説記事で説明する。

問題の解説

さて、いわゆる進振り要件と「前期課程修了要件」の違い、注意点がわかったところで、問題の解説に移ろう。
【問題】

スライド9

【選択肢】
① 「法Ⅱ」の2単位
② 人文科学の2単位
③ 主題科目の2単位
④ 総合科目D~F系列の2単位

【解答】

【解説】
 本問は「進振り要件」を聞いているので、本問では「前期課程修了要件」は関係ない。関係するのはいわゆる「進振り要件」なので『履修の手引き』の8ページを確認しよう。米主君は文科一類であるから、表の「文科一類生および文科二類生」の欄を確認する。以下、各科目区分について、進振りに参加するための条件が満たされているか、8ページの表と問題の画像を照らし合わせながら確認しよう。

 まず、基礎科目の「外国語」であるが、これは画像の「基礎科目(外国語)」の科目に該当する。米主君は残念ながら「ALESA」で落単してしまっているが、既習外国語(英語)にかかる条件は「5単位の成績の平均が40点以上」であるから、必ずしも単位を取得している必要はない。実際、米主君は40点以上の成績を修めているから問題ない。初修外国語の中国語についても同様に、問題なく条件を満たせている。

 「初年次ゼミナール」は2単位取得しているのでクリア。「情報」と「スポ身」(身体運動・健康科学実習)は『履修の手引き』の表の中に存在しないため、いわゆる進振り要件には関係しない。

 基礎科目の社会科学は、画像によると「法Ⅰ」・「経済Ⅰ」・「数学Ⅰ」で6単位を取得しているので条件を満たしている。ここで、「前期課程修了要件」との混同に注意したい。文科一類の前期課程修了要件は「『法Ⅰ、法Ⅱ』4、または『政治Ⅰ、政治Ⅱ』4を含め8」(『履修の手引き』9ページ)であるが、進振り要件では、「法Ⅰ」または「政治Ⅰ」2単位を含め4単位あれば十分である。(『履修の手引き』8ページの注2)だからこの場合、「法Ⅰ」と「法Ⅱ」をセットで単位取得していなくても進振りには参加できる。

 一方で、米主君は人文科学の科目(授業)を一コマも履修していないことが分かる。進振り要件では、人文科学は2単位必要なので、これが不足してしまっている。

 総合科目は、8ページの(注3)があるほかは系列を考慮せずに考える。米主君は(注3)のL系列の条件(=中国語初級(演習)①」の2単位を含む)を満たし、総合科目全体で必要単位数以上の単位を取得しているので問題ない。

 最後に、総取得単位数の条件であるが、現在米主君の取得単位数は44単位であり、条件から2単位足りない。しかし、現在不足している人文科学の2単位を取得することによりこの条件は満たされるので問題ないだろう。しかし、「集中講義等で、2S2ターム・2Sセメスター成績発表時に反映されていない科目の単位については算入されない」(『履修の手引き』p.8)ことについては注意したい。(人文科学に関しては成績発表が間に合わないということはまずないので安心してほしい。)

 なお、3つ目の選択肢の「主題科目」の2単位は、いわゆる進振り要件には関係がなく、2年次Aセメスターまでに取得していればよい。(「前期課程修了要件」)
(終)

 以上のことは基本的にほぼ全て『履修の手引き』に掲載されている。万が一履修条件の抜け漏れがあった場合は、すぐに手引きを参照しよう。特殊な成績計算方法を採用している学部・学科もあるため、各位志望に合わせてチェックしてほしい。
 また、進振りに関する詳細な情報を掲載しているUTaisaku-Webや成績を入力すると自動で基本平均点を計算してくれるUTESなどのサイトを活用するのも有効だろう。
もちろん、UT-BASEでも進振りに関する耳より情報をご提供していく予定なので、参考にしていただければ幸いである。次回のクイズは「前期課程修了要件の充足」をテーマに出題する。お楽しみに!

補充問題

【CASE02 補充】
理科二類の「進学選択が可能となる要件」に関する記述として最も正しいものはどれか。
① 総合科目で「英語中級」の3単位を含め9単位を取得しているので、総合科目の要件は満たしている。
② 「情報」で単位を取得できなかったが、進振りで「情報」は一切かかわらないので全く問題ない。
③ 総取得単位数が足りなかったので、それを補うべく、2年次の9月に成績発表される主題科目の集中講義を履修した。これにより「進学選択が可能となる条件」は満たせる。
④ 基礎科目の数理科学は、「数理科学基礎演習」を含めて5単位を取得できているので、数理科学に係る「進学選択が可能となる条件」は満たされている。

【解答解説】
 問題の解説で説明した通り、情報の単位は「進学選択が可能となる条件」には含まれていない。しかしながら、進振りに用いる基本平均点の算出(『履修の手引き』55ページ)には「情報」の点数が用いられるので、②は誤りとなる。③もダメな例である。進振りは2年次の夏に行われるため、2S終了時までの成績が考慮される。成績発表がこれよりも遅い場合は算入されないので要注意だ。④は理科二・三類の人特有の注意点だが、「基礎実験」・「数理科学」ともに、任意選択の科目は条件にカウントされないことは知っておくべき。(『履修の手引き』8ページ表中)したがって、「数理科学基礎演習」を除くと単位数が足りなくなるので④も誤りである。よって答えは①となる。総合科目に係る「進学選択が可能となる条件」は「8単位の取得(L系列の2単位を含む)」であって、ここでは、総合科目L系列の2単位について科目の指定がないので、「英語中級」である必要はない。しかし、「前期課程修了要件」(『履修の手引き』9ページ)では「英語中級・上級」の3単位が必須となるので注意しよう。進振りに参加できたとしても「前期課程修了要件」を満たせないと留年になってしまう。これについては次回解説する。

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