2018年夏、エストニアの森の中で遊んでいた話。その2
どうも、うすしおです。
大学1年生の夏、私がエストニアの森の中で経験したことを全3回の記事で紹介しています!
その1は↓から。
今回はその2ということで、森の中で10日間何していたのか?というお話を詳しく書いていきます。
ワークキャンプの要、「ワーク」の部分ですね!
仕事内容は冬支度のお手伝い、というイメージです。
ざっくりいうとこんな感じ。
・薪割り
・薪積み
・丸太運び
・丸太の皮剥ぎ
・林檎拾い(近隣のお宅に派遣された日も。笑)
・プルーン(?)摘み
・ラズベリー摘み
・芝生集め
・ペンキ塗り
・植樹(私はやっていないです。)
などなど。
まずは多様な農場のメンバーを紹介!!(?)
野性味強く脱走癖持ちのお馬さん!
3枚目は初対面で打ち解けた・・・気がした私とお馬さんです。
お次はわんちゃん!!
大きいですね、甘えん坊です。
やっぱり徘徊しがち。笑
そして猫ちゃん!!
「おい、お前らちゃんと働いてるか?」
監視されている気がしますな。
住居内出禁なのにすぐリビングに入ってきてみんなと混ざって遊ぶ。笑
そしてウサギちゃん!
もはや野生じゃない?と思っているのですが、どうなんでしょうか。
「捕まえられたら食べていいよ!」と言われましたが、捕まえることはできませんでしたねえ。
人間をバカにしていて、近付いても逃げないのに捕まえようとするとぴょんぴょん逃げるわけで。
そして美味しい卵をありがとう、ニワトリさん!
毎朝卵を食べましたよ~~~。
牧場ではないものの、多くの動物と暮らしています。
関わっている人の出自も様々。
農場の主はエストニア人。手伝いに来るメンバーはドイツ出身、ラトビア出身など様々。みんなエストニア語で、私たちには英語で話す。
不思議な感覚。
さて、仕事の話を。
「サマーキッチンを作ろうと思う。」
農場主の一言でメインの仕事は決まった。
サマーキッチン、何のこと??
奥に見えている木組みの円錐、あれがサマーキッチンである!
中には火を焚く場所があって、火を囲んで料理をしてみんなで食べる場所。
エストニアの伝統スタイル・・・らしい。
山から木を切ってきて、木の皮を剥いで、組む。
わあ簡単!素晴らしい!
とはいかない・・・。
結構キツいのだ・・・。
まずは山の中から丸太を運び出す。
2人で1本持つのが限界な重さ。
山の斜面と歩きにくさも加わり、重労働。
農場主が丸太を持って行く。
「走ってついてきて~!!!」
・・・え???
自動車に、走ってついていくの???
めっっっちゃ走りました。
人間てこんな走れるんか~~と、18歳にして限界突破した気分。
皮剥ぐ作業はこんな感じ。
ずっと中腰でひたすら皮を剥ぐ。
だんだん手が痛くなってくるし腰と太ももにもかなりくる。笑
おまけに(?)生えているとげとげの草で足首切ってチクチクした痛みがおさまらないハプニングも。
未知の場所での怪我って、めっちゃ怖くないですか。笑
完成した後はこんな感じで、みんなで火を囲んでご飯食べて、マシュマロやソーセージ焼いて。
マシュマロ食べ過ぎてちょっと気持ち悪くなった記憶がありますねぇ。
それにしても、火を囲んでご飯食べるのってものすんごく楽しいしほっと落ち着くの、なんでだろう??
サマーキッチン作り以外にも仕事はありまして。
例えば薪を割る。
そして割った薪をトラックの荷台に積む。
そして薪の貯蔵庫に綺麗に積んでいく。
綺麗に積むのはけっこう技術が必要。
積み方が甘いとナナメになって、崩れてしまう。
3人か4人の流れ作業で薪をパスしていき、最後の人が綺麗に積み上げる。
慣れてきて連帯感が生まれるともはやスポーツのグループ競技。
白熱してゆきます。
サマーキッチンではなく、薪用の丸太を運ぶ仕事も。
大きさから想像つきますかね?
めっちゃくちゃ重い。
大抵2人で1つ抱えて運ぶ。
しかしなぜだろうか、私はこの丸太運びで体力限界突破をまたも経験する。
持てるはずのない重さなのに、持てる。
腰の入れ方を掴んで、荷台に投げ入れられる。
・・・どんな能力開花させてんの、我ながら。
いらないでしょ!!笑
あの日から私は、少し重いものを持つことが得意になった・・・ような気がする。(???)
あとは果物を拾う仕事!
これ、イメージ的には楽そうで楽しそうでしょう?
何が辛いって、何回もかがむことと、ダニ。
あ~~~、視力落ちていて良かった~~。
視力2.0とかあったら見えすぎて発狂していたであろう。
(※写真にはたぶん写っていないので安心して見て下さい。)
取れ高よしっ!!
プラムって言ってた、違うでしょ。
確かにプラムというか、プルーンっぽい雰囲気はあった。
甘酸っぱくて、つまみ食いがはかどる。
近くの別の方の農場でラズベリー摘みも!
それにしても、広い。
切れているけれど、画面左側にずーっっと畑は続いている。
かわいいわんちゃんのお出迎え。
番犬かな、吠えられるかな?と思っていたら、尻尾振って寄ってきてなでなで要求。
まだ触った感触を思い出せる。笑
優しく指で引っかけて引っ張ると、芯だけ残って赤い実がすぽんと抜ける。
ラズベリーは甘酸っぱくて、種が気になる果物ってイメージを持っていたのだけど、食べたら種気にならないしひたすら甘い!!
農場に戻って、ジャムにする。
※この時点では全く知らずにジャム作りのお手伝いとかしていたのだけれど、農場を出る前夜、1瓶ずつ「君たちが摘んだラズベリーのジャムだよ。」とお土産にくれた。泣きそうだった。
農園内のりんご拾い。
拾う条件は?と聞いたところ・・・
「自分が食べることを許せる範囲」
とのことで。笑
このままりんごジュースやシードルになる。
りんごジュースを放っておいたらシードルになっているだけじゃないかとも思う。
出張もする。
車に乗ってと言われて連れて行かれた先、一軒目は高齢のおばあちゃんのおうち。
椅子に座って私たちのりんご拾いを眺めるおばあちゃん。
りんごの木は斜面にかかっていて、斜面の下は巨大な池。
眺めは最高だけど、足腰にくるねーーー!!
ただ拾えば拾うほど落ちているりんごは減っていくわけで、1つ1つ成果が目に見えて現れるので楽しい。(切実)
2軒目。木登りたのちい。
青リンゴ時々食べながら集めていく。
家、広すぎない?
庭にトランポリンが置いてあって、途中でめちゃくちゃ遊んだ。
家主のおばちゃんに見つかって、怒られるかと思ったら
「これ食べなさい、なんなら持ち帰ってもいいわよ。」
手のひらサイズのかわいらしい洋梨いただいた。
これがただ庭に生えているだけなのにめちゃくちゃ美味しい。
果物だけ食べて生きている人みたいに食べてしまった。
左上の空いているスペースでりんご拾いに勤しんだわけですが、池に映る空とおうちと木、綺麗すぎません・・・?
惚れた。
集めたりんごはどうするか・・・?
こうするっ!!
その場でりんごジュースになる。
みんなの食卓を彩るりんごジュース、稼がせていただきました。
ちなみに農場ご飯。
朝は写真1,2枚目の感じ。
昼はスープにクルトン。
夜は鶏の丸焼きとか、ザ・ディナーでいつもわくわく!
そして家政婦さんのつくる美味しいデザートまで。
3枚目はりんごのケーキ。
外の空気吸って太陽の光を浴びて疲れ切った後に食べるご飯、なんでこんな美味しいんでしょう?!
生活が「お百姓さん」です。
夜はみんなでリビングに集まり、誰かがギターを弾いてみんなで歌って。
猫が乱入して・・・スズメバチの急襲に遭う・・・。
何日目からか忘れたけれど、部屋にスズメバチが現れるようになって、気付けばリビングにも。
毎日寝てる間にスズメバチに殺される恐怖と戦いながら生活しておりました。笑
1回殺虫剤使ったらエストニア人に「それは危ないからダメだよ!!」って言われたんですけど、あの殺虫剤はもしかして人も・・・???
またまた仕事の話に戻りまして。
ひたすら正体不明の鉄製器具にペンキを塗る作業。
まず剥がれかけた塗装を剥がし切って、ペンキを塗っていく。
午前中ずっと。
2人でやっていたけど、集中してくると会話も途切れてひたすらもくもくと塗り進める作業。笑
刈った芝生を熊手で集めて、荷台に積む。
これは干し草ロールになって売られてゆきます。
曰く「今年は北欧で高く売れそうなんだ。」
これ、とにかく芝生の面積が広いのなんの。
歩き回るだけで足腰にくる。
その上熊手で集めるのも軽そうに見えてかなり重い。
なんか違和感感じて軍手を取ったら、指の皮がむけているトラブルもありまして・・・。笑
あと私が経験できなかった仕事として「植樹」があった。
ここまで見てきたら分かるとおり、サウナや暖炉に使うための薪、サマーキッチンのための丸太など木を山から切り出して使うことが多い。
「使うだけではいけない、使ったらその分植えて育てないと。」
農場まわりの森をしっかり管理し、必要な分だけ切り出して使う。
使ったら木を植えて育てる。
その木を使うのはきっと自分たちの代ではなく次の世代、その次の世代になっていくけれど。
素敵な暮らしだなーと、素直に感じた。
10日間通して本当に生活の一部、暮らしの中の仕事をたくさん経験した。
昼間頑張って集めたりんごが夜以降りんごジュースになって食卓に並ぶ。
なるほど道理で、拾う基準は「自分が食べるのを許せるもの」になるわけだ。
自分たちが食べるんだから。笑
普段全然しない力仕事をひたすらやって、正直毎日「帰りてぇ~~」「ベッドで寝てゲームしたい~~」と思わなくもなかったけれど・・・笑
結局労働の後のご飯がおいしすぎて、仕事の合間にふと感じる風や自然の音、移り変わる景色が楽しすぎて、いつのまにか森の中での生活、気に入っていた。
家の明かり以外光が一切無い庭で見る星空は、息をのむほど美しい。
エストニアにはサウナ文化が根付いているのだけど、私は日本でサウナに入らないのでとても新鮮。
めちゃくちゃあっつくて呼吸が苦しいので、一番熱くないところをずっと陣取っていた。笑
私は寒くてできなかったけれど、農場の人たちはサウナ入って目の前の池に飛び込む!そしてサウナに入る。時々ビールを飲む。笑
他にも、その農場では「当たり前の日常」は、私たちにとって多くが「非日常」だった。
「生きるのはとても簡単なことだよ。お腹がすいたらほら、庭に生えているりんごを食べればいい。」
勝手に大学卒業したら就職して、食べていける分・生きていける分稼がないと、意味のある生き方をしないとみたいに肩肘張って自分を縛って、ストレスを抱えていた私の心がふわっと軽くなった一言だった。
庭の中をお散歩しているときにふと言われた一言。
思わず「ふふっ」ってしてしまった。笑
ただ簡単ていうけど、その生活、私にはなかなか毎日続けらんないかもよ・・・?
なんて思いながらも、確かに肩の力が一気に抜けて、10日間ここで過ごせて本当に良かったなあと。
一般的な国際ボランティアとはちょっとイメージの違う今回の体験。
たった10日間だけれど、行って本当に良かった。
1年半以上たった今でもふと森の中での「仕事」が恋しくなる今日この頃。
エストニアワークキャンプ、「ワーク」のお話はこれでおしまい。
実は滞在中、仕事以外に隣国ラトビアの秋祭りだとか、近所のスーパー、ショッピングモール、遺跡、エストニア最高峰の山、牧場、タルトゥ、現地の学校など色んなところに連れていってもらいまして。
第3回では番外編的にそちらを楽しんでいただけたらなと思っています。
農園を出たこういう体験も、観光で行っただけではなかなかできないのですごく楽しかった。笑
連れて行ってもらったタルトゥの街。
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