パフェ

僕は甘党で、それはとても甘かった。
辛さの一切ない甘さ。

甘いだけの空間。
視界がぼやけてしまうほどの空間への着色。

ただ少しの違和感。少しだが大きい違和感。そこに確かに存在するが妥協を繰り返した違和感。
コーンフレークだ。
コーンフレークは甘いだけの空間の中の完全な異物だった。
いつの日かコーンフレークの量増しによって、それが容器から漏れ出してしまわないかと不安になっていた。

それは見た目もいい。
馬鹿げているが幸せな形をしている。
見れば見るほどに惹かれる。

無くなってしまうことを恐れて口に出来なかった。何も出来ず時間が経ち、温度を持ち始めて溶けた。
焦った僕は容器ごとをひっくり返してしまったのかもしれない。

しっかりと口にするべきだった。
違和感もちゃんと口にするべきだった。甘いものだらけで感覚が麻痺していた。違和感を口にして口直しをするべきだった。


最後は少し辛かったような。


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