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投資家うっし外伝ー若くして膀胱内に腫瘍が見つかった話ー発覚編ー

 2022年1月4日。正月三が日があけてそうそう僕は人間ドックに行っていた。正直なところまだ様々な病気ベースでみるとかなり若い僕はそれは儀式のようなもので毎年何十万もかけて健康診断をする意義なんてのはお守り程度の意味しかないと思っていた。というか正直毎年毎年だるかった。・もうやらなくていいんじゃない?そんな風に思っていた。その時までは・・・。

担当医「えー、膀胱に腫瘍がありますね。」

僕「え?なんて言いました?もう一度お願いします。」

担当医「腫瘍です。膀胱内に小さな腫瘍が見つかりました。」

僕「腫瘍・・・?え?え?」

担当医「精密検査をし直して、なるべく早く取ったほうがいいですね。膀胱腫瘍は癌の可能性が高いので・・・・。」

僕「・・・・。癌・・・まじか・・・まじか・・・。」

 あまりに信じられないことを言われると脳が情報を遮断してしまい、聞こえてるはずなのに思わず3回くらい聴きなおしてしまうことになった。この僕が受けた衝撃はエルピーダメモリが倒産し、当時資産比で大量保有していたエルピーダメモリの株が唐突に紙切れになった時をはるかに上回った。正直眩暈がした・・・。癌になったという事実もそうだが手術をするというのがとてつもなく恐ろしい・・・。お腹とかぱっくりきりさかれて手術台に貼りつけにされる自分を想像し、ちびりそうになった。いやちびらないけど、とくにかく滅茶苦茶な恐怖が襲ってきた。長期入院にくそ不味い病院食、全身に転移して死ぬ未来。そういったものが一気に去来した。と言うか酒もたばこもやらない、デブでもない、痩せてて細マッチョな俺が、本能の赴くまま不摂生の限りを尽くす酒たばこデブどもを差し置いて癌になるとはあまりにも理不尽ではないか・・・。ファッキンワールド。世の中はクソクソのクソだ。僕は認めたくなかった。そこで僕は尋ねた。

 僕「腫瘍は小さいんですよね?なんか薬とかでいい感じになりませんか?保険適用外みたいなのでもいいんで!なんとかなりませんか!」

 できれば金の力で何とかなってほしい。1000万でお腹を掻っ捌かないでいいのなら喜んで払いたい。もう払わせてくださいお願いします!そういう気持ちで僕は魂の叫びを発した。

担当医「無理です。物理的に切除するしかないです。一刻も早くした方がそれだけいい結果になると思います。」

現実は非情である。クソクソのクソなのは自分の身体で一刻も早く切り刻む必要があるらしい。マジで辛い。これが本当の辛いってやつだよ・・・。

 そういうわけで腹をくくった僕は附属病院に泌尿器科で再検査を受けることにした。なんこった・・・・。

 三日後都内某所の病院の泌尿器科にて

 僕「かくかくしかじかと言うわけで、よろしくお願いします。」

偉いっぽい担当医(以下偉担)「はいこんにちは。しかしお若いのにねぇ・・・。」

僕「ところで精密検査のし直しっていうのは具体的に何をやるんでしょうか?また膀胱を水分でぱんぱんにして画像取り直しですか?」

偉担「いえ。内視鏡で直接みます。尿道から小さいカメラを入れて。」

僕「尿道からカメラ・・・? なんか別の方法とかないですかね。もう少しソフトな奴とか。」

偉担「ないですね。そんな心配しなくてもすぐ終わりますから、これからすぐやりましょう。」

 尿道からカメラを入れるというフレーズに恐れ慄いている僕に向かって無情な言葉を突き付ける担当医。どういうプレイやねん・・・。
 その後すぐに検査室に移動させられると服を脱がされ手術着みたいなものに着替えさせられ、怪しい椅子にに座らされてしばらく放置させられた後看護婦がきて再度同じようなことを説明しだした。このおばさんがおれの〇んこにカメラを挿入するのか・・・。人権侵害的な行いではないか。まあしかし医療行為ということでそれは我慢するとしてこれは麻酔なしなのか?できれば気絶したい。意識のないうちに辱めを受けたいというか、これ絶対痛いよね?ということで担当医が来た時に静脈麻酔をお願いする僕。

偉担「うっしさんは大袈裟ですね。みなさんこんなの静脈麻酔なしでさっさとやりますから。それに厳密に言うとジェル状の麻酔成分をカメラに塗布してやりますから大丈夫ですよ!」

 ほんまかいなと疑いはするものの強めに言い切られてしまってそれ以上しつこくお願いすることができなくなってしまい、観念して検査を受けることにした。
 いよいよ検査するという段階で怪しい椅子は上に持ち上がっていき、僕の足は出産でもするかのようにぱっくりと開かされた。御開帳である。もはやこの時点でまな板の鯉のような心境になって心が死んで来ていたが、それが入ってくると、あまりの痛さで一気に覚醒した。おいおいおいおいおいおれ死ぬわ。

 出すところから何か入れるのはやはり間違っている。しかも金属の管を入れるのは断固間違っている。こんな体験わしはしとうはなかった・・・。とはいってもその痛みも一瞬のこと中に入り切ってしまうともう痛みはなかった。その後1分ほどで撮影は終了し、カメラは引き抜かれることとなったが、またそこがくそ痛かった。もう少しやさしくしてもらえます?ほんとに・・・。
 その後すぐに画像を交えて説明を受けたが、やはりというか腫瘍は存在し、入院して切除するということになった。幸いにして腫瘍は本当に小さく腹を掻っ捌く必要はなく、尿道から内視鏡を用いて切除するということだった。何の慰めにもならないが・・・。手術はおよそ一か月後。入院期間は一週間前後になるとのことだった。その後入院手続きをして(余談ではあるが上から2番目の特別室を予約した一泊44000円、高すぎるとは思ったけど、手術後に相部屋でストレスをためたくなかったので渋々選んだ)、その日は病院を去った。その日からおよそ一か月僕はまさに震えて過ごすことになったのだった・・・。
 というかマジでひどすぎやろ。わいまだ30代やで・・・。

〇次回
若くして膀胱内に腫瘍が見つかった話ー入院編ー

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