育児書

臼井隆志のオススメ育児書3選

こんにちは。ワークショップデザイナーの臼井です。

今日は、数多ある育児書のなかでぼくが読んで参考になるな〜!と思っている本をご紹介します。

拙著『意外と知らない赤ちゃんのきもち』発売から3ヶ月経ちました。

知人友人でこれから子どもが生まれる人たちから

「うっすん(友達から呼ばれているあだ名)の本読んで予習するわ〜」

「とりあえずクマのぬいぐるみを乱暴に扱っていても叱らないようにするね」

など、嬉しいコメントをいただいております。

育児書の使い方

ぼくがこの本を書いたときはまだ育児をしておらず、本では育児の実務(授乳、離乳食、寝かしつけ)には触れず、赤ちゃんの「探索行動」(ものを触ったり舐めたり人の顔を見たりする行動)を中心に書いていました。

なので、この本を子育ての参考にすべく読まれた方は、基本的な考え方に賛同してもらったうえで育児に「応用」をしていただかなくてはなりません。ぼく自身も、自分がリサーチしてきたことと育児書を照らし合わせています。

1冊だけを頼りにするのも全然アリ!と思いますが、育児書は複数の考え方を編み合わせて自分たちなりの子育てスタイルをつくる参考書として使うのがよいと、ぼくは思っています。

オススメ育児書3選

育児書は複数の本を参照すべし、というのはぼくの持論です。ですが、本当に「育児書」って数が多くて、どれを買っていいのか迷いますよね。

・・・・ていうか!!!

正直言う!!!どの本の表紙にも赤ちゃんとお母さん(ときどきお父さん)が書かれていて、やわらかめのほんわかしたイラストで、平和な感じになっているから差分がわからん!!!!

まさにコモディティ化しています。

そんなわけでで、育児書の海のなかから良書をすくいあげご紹介するべく、ぼくが勉強のために何冊か読んだなかで「これは、助かる!役にたつ!」と思った本をご紹介します。

(といいつつ、偶然にも、3冊とも自分で選んだ本ではなく、知人友人あるいは妻から紹介してもらったものでした!)

かんたんねんねトレーニングBOOK
鍼灸師/こども専門鍼灸師 伊藤かよこ著

こちらは妻が友だちに勧められ、プレゼントしてもらった本。

赤ちゃんが「眠る」ということをどのように学習し、親がどのような関わりによって学習させているのかについて、超絶わかりやすく書かれた本です。そして「赤ちゃんが安心して眠りにつくことを学ぶ」そのために、心理学、東洋医学の考え方を織り交ぜた実践の知が詰め込まれています。

冒頭に短く書かれた実体験が切実で、ちょっとそこだけでグッときちゃう本です。夜寝つきが悪く、何度寝かしつけてもすぐ起きてしまう。1歳になったら落ち着くはずとすがる思いでいたはずが、眠れない日々は続く…。そこから、伊藤さんご本人がどうやって回復していったか、その実感がこもっているところがね、いいんです。

この本の内容は優しいですが、書かれていることは厳しいです。ぼくたちがいかに「寝かしつけ」について無自覚な「べき論」を持っていたか。それをひきはがすという大変な作業をこの本はやってくれます。

すぐれた脳に育てる 手と指の実践トレーニング33
久保田競 久保田カヨ子

こちらは妻が選んだ本。

子どもが手を使って物を操作する。そのことによって子ども脳の中で何が起きているかを解説しつつ、お家でできるあそびとともに紹介されている良書です。脳科学者とその妻による実践知が盛り込まれた本です。

正直この本は、読むのがそこまで楽じゃないですよ。ほんわかした想定とは裏腹の、ガチのニューロサイエンス本です。手の筋肉と骨の解剖図とか出てきて笑っちゃいました。

新生児期〜4ヶ月頃までの把握反射(手のひらに物が触れると握る反射)から、5本の指を分けて使うこと、にぎる、つまむ、はじくなどの動作の練習、物の操作、そして幼児期(2歳から7歳ごろ)の運筆(ペンを握ってなぐりがきや円や三角形などを書くこと)などまで、網羅的に理解できる素晴らしい本です。ぼくが進めるまでもなく、マスターピース化しているようです。

「赤ちゃんが手を使って何をしているか」って、見ていて本当に面白いんですよ。この本のおかげで、赤ちゃんが手を使う面白さを高解像度で見つめられるようになり、子育てが楽しくなっています

ママ、わたしこんなこと思ってるよ
小西行郎著/横峯沙弥香イラスト

こちらは、保育士をしているぼくの友だちが勧めてくれた本。

「赤ちゃんのしぐさと表情で気持ちがわかる本」というのがサブタイトル。赤ちゃんの一見謎に見える行動や、見たことはあったけど気にもとめてもいなかった行動が、実は「赤ちゃん学」という専門的な学問のなかで研究対象となっているんです。著者で小児科医の小西行郎先生は日本赤ちゃん学会の創設者。

この本は、instagramで人気の横峯さんのイラストのおもしろおかしい内容に「あ〜!!あるある!」と共感しつつ、小西先生の洗練されたワンポイント解説が面白い。

我が家では、この本の見方を参考にして、赤ちゃんの謎行動ひとつひとつについて「いま赤ちゃんのなかで何がおこっているんだろう?」と考え、仮説を立て、夫婦で見立てを共有する遊びをしています。

いい加減な見立てをすることもあれば「あ、それはそういうことなのかもしれない」と納得することもあります。そういう遊びの中から、夫婦で子育ての方針を編み上げているのかもしれないなと思います。

夫婦の遊びのために、読んでおいてよかったな〜という本です。

「こういう考え方もあるんだね〜」という参考書として

いかがでしたでしょうか。少しでも参考になれば嬉しいです。

育児書も、よく見るといろんな観点から編集されていて、面白いのです。「こうしなきゃ」ではなく「こういう考え方もあるんだね〜」と参照するように読むと、楽しめると思います。

育児書は教科書ではない。育児の教科書は自分たちで編集すべき!というのがぼくの考えです。

ぜひこれらの良書と合わせて、拙著『意外と知らない赤ちゃんのきもち』もご笑覧いただければ、幸いです。


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