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「完璧主義」の生きづらさについて


こんばんは。


今回も次の本でテーマにしようとおもっている内容を書いていくよ。
僕らを生きづらくする思考のトラップ「見えない敵」シリーズについて。
今日紹介するのは、「二分法的認知」というやつです。

どうぞ〜。

元ネタのツイートはこちら



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◼️「完璧主義は生きづらい」/二分法的認知について

二分法的認知とはものごとを「白と黒」「善と悪」のように明確に分けた二者択一的に捉えようとし、曖昧な状況は認められない考え方です。「白黒思考」とか、「全か無か思考」などとも呼ばれます。
「完璧主義」を自認している人に多く、自分にも他人にも厳しいハードルを設定してしまうことがあります。
この「二分法的認知」は生きづらさに強く関係しています。


「100点以外は全部0点」という考え方は、親や若い頃に出会った怖い上司によってインストールされることが多いでしょう。これによって高いパフォーマンスを出せてこれたというプラスの側面があるために、手放すことが難しい非常に考え方でもあります。


二分法的認知がある人は、自分の正しさを過大評価しやすく、攻撃性が高くなる傾向があると言われています。
世の中の問題の大半は善悪や白黒をはっきりつけられるものではありません。とくに人間関係がからむ内容であれば、明確に白黒つけられる問題の方が少ないくらいでしょう。
しかし、二分法的認知をもっていると、そうしたあいまいさがストレスになります。自分が「正しい」と信じる正義を押しつけてしまい、相手にもそれなりの事情があることを想像することが難しくなります。


仮に「95点」だったとしても、それはあくまで「不完全」なものであるため、全く満足できず落ち込んだり、自分を責めてしまいます。こうした考え方のもとで自分を肯定するのは非常に難しいでしょう。精一杯の努力をしているのに、いつまでも苦しい状況が続いてしまうのです。


また同様に、他人に関しても欠点が目についてしまい、相手の能力なりの相応の努力を認めることが難しくなります。信頼を寄せた人であっても、少しでもイヤな部分が見えてしまったら、全てが「ナシ」になってしまい、手のひらを返してしまうなど、他人との関係も不安定なものになりやすくなります。


この「二分法的認知」が生きづらさに与える影響は非常に大きいもので、実際に幸福度を大きく下げることが知られています。
現実には「グレー」の方が多い世界で、強引に白か黒かを決めながら生きているのですから、不具合や納得いかないことで苦しめられることは多いでしょう。手放せるのであれば手放した方が圧倒的に楽になります。

実は、当院のスタッフのMさんも、前職時代にインストールされた「二分法的認知」に悩んでいました。まさに「100点以外は0点だ」と最初の上司に教えられ、そのことで結果を出し切れない自分を責め続け、体調を崩してしまいました。僕がMさんと出会ったのはそんな時でした。

僕がふと「完成度90%の仕事は0点じゃなくて、90点じゃないですかね?」というと、Mさんは「あれ?そうなんですかね?あれ?そうかも!」と驚き半分の表情で聴いてくれました(素直か)


そこから1年くらい経ちましたが、当初は小動物のように強い警戒心がみえたMさんは、人柄としてもなんだかすごくやわらかい印象に変わり、表情は朗らかになりました。崩しがちだった体調も維持しやすくなったため、結果的に生産性もすごく上がったと言ってくれています。


二分法的認知を攻略するポイントは、自分がまず「それを手放した方がいい」と心から認めること。
多くの人はこの「完璧主義」があるからこそ、いままで頑張れてこれたし、高い評価を得られるクオリティで仕事を出来てきたという成功体験があるため、手放すのに心理的抵抗がある人は多いのです。それが、一番の難所でもあります。「それ以外のやり方をやったことがない」という不安も大きいでしょう。

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Dr.ゆうすけとサクちゃんが「自己肯定感とはなんだろうね?」と語ります。(2018年3月分〜)

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