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生活にメリハリがなくてしんどいときは「光の力」をつかおう、という話


在宅勤務になって、体力的には楽になり、自由度が上がってるはずなのに、いまひとつ調子が出ないという人が多い。僕もそう。

「時間割」のようなものがなくなってしまったときに、メリハリをつくることがすごく難しくなっている。

だらっとしてしまって、睡眠のリズムとかが崩れてくる。
身体を動かすことが減って、画面を見る時間が増えて、お酒の本数が増えたりする。
メリハリが効かないと何がいやかって、気力が奪われるのよね。


「丁寧に生活する」こと力が試されている感じだけど、この能力が、本当に欠けてるなあとおもう。
やることはそれなりにあるのに、いまいち気分が乗らない。


スプラトゥーンをやる時間は増えているのに、なんとなく気力がなくて、集中力も続かない。こういうときは、本当に勝てないのよね。
ウデマエランクはS+1で接着剤で張り付いたように動かない。


自分の意志の力だけで生活にメリハリをつけるというのはかなり難しいので、そういうときは「体内時計のしくみと、太陽の力をうまく使いましょう」というのがセオリーだそうな。

体内時計と抑うつや不眠、生活リズムの乱れた時というのはぜんぶ関連していて、どうも「太陽と一緒に生活する」っていうのがたいがいの人間にとっては「身体にいいこと」らしいんだよね。

みたいなことを、こないだ書いた本に書いたので、その内容を公開しまーす。

この本は4章立てなんだけど、しんどい自分をたてなおすために実際に使える必要な考え方とか知識とかを「キーアイテム」的なかんじで紹介しているのが第4章なのです。

自分の身体の仕組みのことを知るのも、心身を整える上でけっこう大切なことだと思うので、どうぞご覧あれ〜



キーアイテム③
体内時計 〜光の力を持って、時を支配せよ〜


人間のストレス反応には、自律神経とよばれるシステムが深く関わっています。

▼自律神経
……環境の変化に応じて、体温・脈拍・血圧・内臓のはたらきを無意識的(自律的に)にコントロールする役目

交感神経(バトルモード)……エネルギーを消費し、血圧や体温を上げ、身体を活動しやすいための緊張状態を保つ。主に昼間に働く

副交感神経(休息モード)……休息しやすいように、心身の緊張をリラックスさせ、エネルギーを貯める。主に夜間に働く

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自律神経には交感神経と副交感神経の二つのモードがあり、そのモードが周囲の環境の変化によって自動で切り替わります。「切り替え」がうまくいくと、心身の健康状態は良好に保たれます。
うまくいかせるコツは、「できるだけ同じリズムで寝て、起きて、活動する生活を続けること」 です。つまり「体内時計通り」に動くと、二つのモードは勝手に入れ替わります。


動物は、天敵に襲われるなどのストレス状態になると、交感神経(バトルモード)がオンになり、「戦う」「逃げる」といった行動がすぐにとれるようになります。「ここは危険だ!」というアラームが鳴り響いた状態です。

交感神経系が活性化すると、代謝が亢進し、エネルギー消費が増えます。猫が全身の毛を逆立てて「フーッ!」と思いっきり警戒しているイメージを想像するとわかりやすいのではないでしょうか。生きるか死ぬかの瀬戸際で、考えるよりも先に行動ができるように備わっている機能なのです。

一方で、現代においてのストレスは慢性化しています。
嫌な上司、満員電車、仕事のプレッシャー……。猛獣や津波といった「生きるか死ぬか」というレベル緊迫したストレスではないですが、持続時間の長いストレスが続きます。そうなると、交感神経が過剰状態(バーサーカー状態)になります。

「ここは危険だ!」というアラームが、鳴り止まなくなるのです。こうなると、バトルモードと休息モード、二つのモードの切り替えがうまくいかなくなります。常に気が休まらず、毛を逆立てて「フーッ!」と全力で警戒している状態が、延々と続くのです。

これでは、地雷がないのに、地雷原にいるかのような緊迫した状態が続くようなもの。エネルギー消費が高い状態が続くので、ものすごく疲弊します。夜になっても副交感神経(休息モード)が活性化しないので、なかなか眠れませんし、中途半端な時間に起きてしまい、結果として疲労感が蓄積してしまいます。

◎体内時計の使い手になろう

そうならないようにするためには、交感神経と副交感神経の切り替えを上手に行っていく必要があります。
そこで重要な役割を果たすのが「体内時計」です。
人間は朝が来ると自然に目が覚め、決まった頃にお腹が空き、夜になると眠くなる、24時間サイクルで動いています。


その理由は、体中のいたるところに「見えない時計」が内蔵されているからです。体内時計というのは感覚的な話ではなく、時を刻む時計が細胞の中に「物理的に」存在していて(体内時計細胞)、それらが脳や皮膚、血管や臓器など、ほぼ全身に分布しているのです。体内時計細胞では、時計遺伝子が時計蛋白を合成したり分解したりするはたらきが約24時間周期で繰り返されていて、それによって体内時計のリズムを伝える信号が生じています。


体内時計は、正しい時間に正しいホルモンを出すことで、人間のエネルギー効率を最大化させています。


具体的には、成長ホルモン、メラトニン、コルチゾールなどのホルモンが体内時計に合わせてリズムを持って分泌されることで、体が機能しやすくなっているのです。朝目覚める前には、コルチゾールの働きで血糖値や血圧が上がります。コルチゾールの力なしで起きることはとても難しくなります。

日光を浴びることで眠気を促すメラトニンの分泌が止まり、スムーズに起きられるようになります。寝ている間は成長ホルモンが細胞を修復し、骨や筋肉を丈夫にし、免疫力を上げます。


人間は600万年前から、日光を頼りに狩猟や採集をしてきました。つまり、日があるうちに起きて活動し、日が沈んだら眠るというリズムに最適化されているのです。


しかし、約150年前にエジソンが電灯の事業化に成功し、人類は夜の暗闇を克服してしまいました。太陽の灯りのない夜でも生産活動ができるようになったため、体内時計が命じる「休め」という信号に逆らって活動をすることが当たり前になっていったのです。しかし、何万年単位で「太陽と共に生きること」に最適化するよう進化した人類の体は、たった100年程度で変わりません。慣れない生活は体に不具合を生みます。


実際、夜勤勤務者はうつや一部のがんにかかりやすくなると言われています。太陽とともに生活しないのは「身体に悪い」 のです。


このように、体内時計は自律神経の二つのモードをコントロールし、生存にとって最も効率的な活動適応時間と休息適応時間のリズムをつくり出しているのです。体内時計通りに生活することが、かつての人間にとって最も効率的に活動できるように何万年も前から設計されています。体内時計を意識して生活するというのは、心身の調子を整えるうえで非常に重要なポイントになります。


体内時計を制御するためのキーになるのは「光」です。
そのキーの影響を受けるのは、網膜に存在する「メラノプシン細胞」です。ここに高照度の光が入ると、そのシグナルは交感神経に作用し、体内時計・自律神経を調節するだけでなく、(気分調整に関係する脳幹部の縫線核などに届き)安心や多幸感をもたらすセロトニンの合成を活発にするなど、様々な効果を発揮します。

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(イラストはくぼっちぼっちさん)



実は、光とうつに関しては関連が深く、日照が少なくなる冬には、健康な人でも脳内のセロトニン生成量が少なくなり、うつになりやすくなることがわかっています(冬季うつ病)。


高照度の光器具を使い、朝に5000から1万ルクスの光を浴びる光療法という治療法があり、主に昼夜逆転や冬季うつ病の治療で用いられ、非季節性のうつ病に対する光療法の有効性も高いと言われています。実はamazonで買うこともできたりします。しかし、そうした器具を買わずとも、体内時計を整えるためにできることがあります。

それが、「朝の時間帯に太陽の光を15秒ほど直視する」という方法です。


この時のポイントは「きちんとまっすぐ見る」こと。網膜にある細胞の大部分は「見る」ための細胞であり、メラノプシン細胞は目の奥の方にごく一部しかないので、 斜めから光を入れても効率的に届かないのです。

まぶしいと感じるくらいきちんと太陽を見るのと、うつむいたまま地面や家の壁を見ながら太陽の光を間接的に取り入れるのとでは、格段に効果が違ってくると言います。

メラノプシン細胞が作用する光の照度は数千ルクス程度と言われています。
ここで、身の回りの光の照度がどのくらいなのかを示すと……。

▼太陽光……
「晴れた日の太陽光」は10万ルクス/「曇りの日の屋外」で数万ルクス

▼人工光……
一般のオフィスの照明で1000ルクス/一般の住宅で500ルクス/間接照明で100ルクス


ご覧の通り、太陽が人間に与えるパワーは圧倒的です。エジプトではラー、ギリシャではアポロン、日本では天照大神と、世界中で太陽神がこれだけ祀られるのには理由があったわけです。

太陽神・アポロン

太陽神アポロン氏(ハープは神龍に特効)



なるべく毎朝同じ時間に起きて、日光をガン見する。直接太陽が見えなくても、比較的明るい場所をじっと見ることで、体内時計の恩恵を受けやすくなります。

また、眠くなった時に目に入れると、カフェインよりも高い覚醒効果が得られます。日光はお手軽でコストもかからない。なんと素晴らしい「アイテム」でしょうか。


偉大なる太陽の力を、日々の生活にぜひ取り入れましょう。



とかいう内容が書かれてる本書はこちらです〜


あと、4/30にひらめきメモのF太さんと一緒にオンラインイベントをさせていただきます! たのしみだな〜


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もったいなきお言葉。
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メンタルヘルスがライフワークの内科医師です。 twitterでは心とか、ネガティブ感情とのつきあい方についてつぶやいてます。 noteでは主に「自己肯定感」とか、「安心」「コミュニティ」「居場所」についての考えを書きちらかしています。 人間って面白〜

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