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アフターコロナを考える「リモート・アジャイル」の現実とこれから

概要

日時:2020/05/25 20:00〜
場所:Zoom
ターゲット:リモートワークでのアジャイルに興味がある方

・株式会社永和システムマネジメント アジャイル事業部 事業部長 木下 史彦
・株式会社永和システムマネジメント Agile Studio Fukui ディレクター 岡島 幸男
・株式会社エナジャイル 代表 市谷 聡啓

内容

進め方
トークテーマや、当日の質問に対して、各自が話をするような対談形式で進行された。(文中敬称略)

リモートアジャイルどうやってる?
(木下)ノウハウ集を読むだけでは足りないと感じた

全員がリモートになったことで距離感がゼロになった。スピード感も上がったと感じる。全員がリモート、になったのでやりやすくなったと感じる。
(市谷)2014年からリモートアジャイルは日常になっている。そこで感じるのは、コミュニケーションの密度。リモートだと伝わる情報量が減るので、頻繁な同期(コミュニケーション)で補完が必要。オフラインとリモートの混在は条件が揃わないので同期コストが高くなってしまう。今回のコロナによるリモートは全員の条件が揃うため、同期コストは低くなっている。ただし、質は劣化しているかもしれない。

アフターコロナでどこが変わりそう?

(岡島)階層の解体を促すのでは。ハードな階層のつながりよりも、全体のソフトな繋がりが増える。さらに社外とのつながりを意識するようになるかも。
(木下)何も変わらない。リモートよりも会ったほうが良いはず。今回は強制的なリモート、なのでそれでは変わらない。
では何を変えたいのか?
着席=仕事、という価値観。指揮系統=マネジメント、という誤解。これらを今回の事象をきっかけに変えたい。
(市谷)変わった・変わらない、ではなく、「変える」。
なぜ変わらないのか、ではなく、なぜ変えていかないのか、を考えたい。

DXはコロナの影響を受けるか?

(岡島)受託から見れば、短期的にはネガティブだが、中期的にはポジティブな面もあるのでは。クライアントの本気度が上がる、リモートでもOKなど組み方が豊かになる、摩擦が減る傾向、など。
(木下)コロナとDXは似ている部分があるかも。
コロナの影響でリモートが推進された。DXの影響でアジャイルが推進された。
(市谷)DXを推し進める要因にはなったかもしれない。
大企業や地方の事業開発、国の活動もリモートになってきている。
「リモートでアジャイルをどうする?」ではなく、「リモートだからこそ、アジャイル」

対談

・成果をどうやって測ればよいのか?
リモートに限らず、ではある。そもそもアジャイルでの評価、はどうすればよいのか?個人単位で評価ができない。モブ作業などをしていると余計に個人の成果ではなくなる。
さらにリモートの場合、マネージャーの役割をどう評価するのか、がわからない。

・リモートによる働き方
時間管理をしている、という参加者のコメントも多かった。開始・終了はメールやslackで報告が必須、など。気持ちの切り替えが難しくなった、などで働きすぎてしまう問題も多そう。

・雑談について
リモートではほっておいても雑談は発生しない。場を設定する必要がある。なんとなく困ってそう、などは拾えない。

・チーム、打ち合わせについて
リアルで一度も会ったことがないメンバーとどう信頼を築くのか?が課題。
リモートになってから打ち合わせの参加人数が増えた。場所の制約がなくなり、ちょっと聞くだけ、などの人もいる。
相手の反応が薄いので、つい話が長くなりがち。
後でちょっとフォロー、がやりにくいので、丁寧に打ち合わせをするようになった。
オンラインでのコミュニケーションには勇気が必要。

参加者の声

zoomによる参加者のチャットが結構活発なのが特徴的だった気がする。

・全員複数プロジェクト抱えていて同期が難しい
・時間管理をされている、かつ、成果も求められている
・時間で成果は測れないが、それ以外の方法が難しい
・働きすぎを検出するのが目的なのであれば時間の報告はありかも
・もう返信しないで、という意味でSlackに退勤表明をしている
・個人評価ではなくチームで評価がなさるべき
・明確な退勤が無いせいで、仕事のスイッチがオフにならない
・マルチタスクがしやすくなったから、ついやってしまう
・業務後も、頭が仕事モードからプライベートモードに戻りづらい
・メンバー間の業務量にばらつきがでる
・異動していきなりリモートなので、チームの雰囲気とか分からなくて辛い
・リモート朝会は点呼と挨拶だけで終わるときもあるが、必ずやってる
・社内で偶然に会った人との偶発的な情報交換がなくなった
・コミュニケーションをとろうとする相手としかコミュニケーションできない
・スモールトークがなくなった
・discordでチームが動いている感を観れるのはすごく安心感がある
・リスペクト、相互理解は本当。勇気、かなり今大切

感想

コロナによるリモートでの働き方の話は色々話している人が多くてそれなりに聞いている気がするけれど、出てくる課題感は似ている気がする。
・雑談によるコミュニケーション
・成果をどう測るか
・働きすぎ
この辺は弊社でも同じ課題があると感じる。コロナの状況だから、書き出して眺めてみるとという特有のものではなく、さらにはリモートだから、でもないのかもしれない。リモートだから目立つ、やりにく、とかはありそうだが、オフィスへ出勤できるようになったから全て解決するものではなく、結局は組織が抱えるよくある問題、なのかもしれない。

あとは、コミュニケーションの面でいうと、勇気、がキーワードなのかも。オンライン上での反応の希薄さや沈黙などを恐れない勇気、思い切って発言・発信する勇気、などなど。

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