月間走行距離

ランナーであれば、「月間走行距離」を気にする人が多いと思う。

「1か月にどのくらい走っているか?」という会話は、ランナーにとって日常茶飯事であり、「月間走行距離」という指標は、ランナーのトレーニング量を客観的に判断するのに、とても便利なのだ。

これは、一般人にとって、体重がどのくらいなのかを気にしたり、年収がどのくらいあるのかを気にしたりするのと同じようなものだろう。

ただ、月間走行距離というのは、多ければ多いほどいいというわけではない。

体重が、少なければ少ないほどいいわけではないのと同じである。

月間500km走っている人と、月間1,000km走っている人がいたとしても、必ず後者が速いわけではないのだ。

あくまでも、経験値的な要素としての数字であり、1つのモノサシに過ぎない。

ただ、距離というのは、数字であるがゆえに、あまりに強く、正しく相手に影響を与える。

「どんなことをやったか」というのは、その人の日誌や練習メニューを覗かなければ分からないのに対して、「どのくらい走ったか」というのは数値であるため、トレーニングの量を比較したり、分析したりすることができる。

そして、進捗や達成度も分かりやすくなるし、結果も評価しやすい。

ゆえに、「月間走行距離」を1つの目標にして、トレーニングに取り組んでいる人も多いと思う。

しかし、月間走行距離を意識すればするほど、見落としてしまうのが体調管理である。

例えば、月末になって、あと60km走れば、目標の距離に到達するとしよう。

普段は1日当たり18km走っている人が、1日当たり20km走れば目標を達成できるとする。

そんなとき、ちょっと無理をしてでも、目標をクリアーしようと多めに走ろうとすることはないだろうか。

また、日本人はキリがいい数字が好きだ。

ガソリンスタンドでもそうだが、あえて1,997円分とか、19.9リットルの給油をする人はあまりいない。

できる限り2,000円とか、20.00リットルというキリのいい数字にしようとするものである。

月間走行距離も同様に、月末日に699kmで終わりそうだったら、あと1kmだけ多く走って700kmに調整しようとするだろう。

ただ、走行距離を伸ばしたいがゆえに、本来なら休養すべきところで、距離を踏んだ結果、調子が上がらなかったというのは、競技者としてはあまりいい状態とは言えない。

このまま、普段通りにトレーニングをしていけば、月間699kmになるとして、そこであと1km走れば目標の700kmになるのにもかかわらず699kmで留めておく。

それが、できるランナーこそ真の強者である。

真の目的が明確であるため、ブレないのだ。


さて、そんな私は、3月28日時点での月間走行距離が670kmだった。

そのままいけば、1日あたり27kmとして月間走行距離は751kmになる予定だったのだが、3月29日に季節外れの大雪が降ったため、予定通りのトレーニングができなかった。

そのため、残り2日で60kmを走れば750kmという状況だったのだが、身体も疲れていたので、無理をして距離を踏む必要もない状態だった。

そんなときは、無理せずに休養を取るのが賢明である。

そんな私の3月の月間走行距離は・・・

751km

頑張った。

私が、真の強者になれない所以である。

なお、疲労がピークのため、4月1日は完全休養を取った。

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