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中途半端は無駄じゃない

僕は来年大学を卒業するのですが、自分の大学生活は本当に中途半端だったなと思います。だけど自然と後悔はあまりありません。今回は自分の大学生活前半を振り返って、中途半端について考えてみました。

「君の幹ってなんなんだろうね」

上記言葉は、大学に入学した年の4月に、大学院の先輩にかけられた言葉です。もともと、厳しい浪人生活を終えた僕は、大学ではバイトをして、サークルに入って、何も考えずに楽しく過ごせればいいなと思っていました。しかし、この言葉をきっかけに、自分の人生と将来について深く考えるようになりました。「自分は将来何がしたいのだろうか」。正直当時は考えるのが面倒臭かったので、とりあえずサークルとバイトに全力を尽くすことにしました。

「ITは階級を抜け出せる唯一の方法なんだ」

大学2年生になる前の春休みに、インドに短期留学に行きました。海外に行ったことがないことが自分の中でコンプレックスになっていたことと、英語を話せるようになりたいと思ったことが、短期留学を決断した理由です。それでもこの話をすると、周りからは「なんでインド!?」って言われますが、何か決断を下す時の判断基準に「他の人がしなさそうなことをしよう」という基準が僕の中にはあるみたいです。

※少し前に行ったシリコンバレーでも、普通に旅行するのではなく、現地の企業の人に直接アポを取ってお話を聞いたりしてました。

インドで偶然、現地のエンジニアと起業家に会いました。「ベンチャー」や「IT」、「プログラミング」といった言葉は当時の僕になじみ深い言葉ではなくて、彼らの話す会話に一切ついてはいけませんでした。しかし、彼らがすごく楽しそうにITについて話していたこと、インド人エンジニアが「ITを学ぶことによって、階級に関係なく仕事ができるんだ」と言っていて。そこから漠然とITについて知りたいなと思うようになりました。日本に帰国した僕は、それまで入っていたサークルを全て辞めて、今までとは違った活動を始めることになりました。

「あなたは一体何がしたいの?」

帰国してから本当に色々なことをしました。長期インターンを開始、ビジネスコンテストに参加、プログラミングスクールに通う、イベントを開催する、ビジネス塾に通う、学生団体が主催するイベントに参加する、意識高い行動をしていた反動でダンスサークルに入り直すなどなど。

「あなたは一体何がしたいの?」。これは大学二年生の終わりの時に人生相談した社会人の人に言われた言葉です。おっしゃる通り、気付いた時には、自分の大学生活前半は、何もかも中途半端になっていました。結果が出たこともありましたが、大半は中途半端な結果しか出ていなく、自分が一体何をしているのか、自分でもわからなかったというのが当時の本音です。

中途半端にもメリットはある

大学3年生8月時点の自分はいろんなことはしているが何もかも中途半端な人間でした。色々なことをやりすぎて結局何してるの状態になっていました。

だけど、今思い返してみると、中途半端って悪いことなのかな?と思います。中途半端にもメリットが何かあるんじゃないのかな。いや、中途半端に過ごした時間は、確実に今の自分のためになっているのではないだろうか。

中途半端=視野を広げる時間

人生は大きく「収束」の時期と「拡散」の時期に分かれると思います。

全力でいくつかのことに取り組む

収束の時期とは「何かに向かって脇目も振らず頑張っている時期」のことを指します。

この時期のメリットは、自分の実力がつくことです。何かに向かって一生懸命にやっていれば自ずとその分野の能力は上がっていきます。例えばそれがダンスサークルであれば、ダンスのスキルが上がるし、エンジニアのインターンならプログラミングのスキルが向上します。

この時期のデメリットは、視野が狭くなることです。収束の時期は自分の活動範囲が狭まるため、自分が所属しているコミュニティー以外の情報が入って来にくい傾向があると考えています。

だから、一生懸命に頑張りつつ、定期的に外部の情報を収集することが大事になると思います。

たくさんの景色を見て、視野を広げる

拡散の時期とは、「いろんなことをして、ひたすらに自分の視野を広げる時期」のことを指します。

この時期のメリットは、自分の視野が格段に広がることです。中途半端にいろんなことに手を出しているのだから、いろんな情報が自分の中に入ってきます。その情報が深いものではないとはいえども、自分の視野は格段に広くなり、自分の選択肢の幅が広がります

デメリットは自分の実力がつかないことと、他者承認を得にくいことです。前者に関して、自分の力をいろんな場所に分散しているので、もちろん深い実力が身につくことはないです。後者に関して、これもコミット率の低さが影響していますが、いろんな場所に少しずつリソースを割いていると、各コミュニティーでの自分の影響度が低くなる傾向があるので、その結果、他者承認を得ることが難しくなります。

この時期で大事なことは、上記のデメリットを認識した上で、全力で中途半端になりきって、自分の視野を広げまくることだと思います。

中途半端な時は、全力で中途半端になること

大学卒業後に中途半端になることができる時期って、あまりないような気がします。少なくとも数年間は上記「収束の時期」を否応無く過ごすことになるでしょう。

つまり、大学生活は、絶好の「拡散」の時期であって、社会人になる前に中途半端になれるいい機会だということ。全力で中途半端になって自分の視野を広げる絶好のチャンスだということです。

だから自分が中途半端でダメだと思ってる人は考え方を変えたほうがいいと思います。一生懸命中途半端になって、自分の視野を広げていくこと。そうしていれば少し先の未来、自分のやりたいことを考えるときに選択肢が格段に広がります。

来年から僕は中規模のベンチャー企業でソフトウェアエンジニアになります。この選択は、大学二年生、三年生の時に、がむしゃらに行動して、たくさんの情報を吸収したからこそできた決断です。自分の大学生活に後悔は一切ないので、これからも楽しく人生を過ごしていきたいと思います。

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