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夢日記100 ~ 老婆の訪問 ~

 夜遅くに、たまたま自宅マンションの部屋から向かいのマンションに目をやった。すると、向かいのマンションの住人がほぼ全員、着替えをしながら私のマンションのほうを見ていた。男性も女性も下着姿で私のマンションを見ていたので、私は少し怖くなり、慌ててカーテンを閉めて、サッサと寝ようと布団にもぐった。

 しばらくして、ベランダに違和感を覚えた。ベランダを見てみると、身長100cmくらいの小太りの老婆が、スキューバダイビングのウェットスーツのようなものを着て、手につるはしを持って立っていた。

 老婆はベランダをウロウロしていたが、私と目が合って、こちらに近づいてきた。私が窓を開けて老婆にどういう状況なのか聞こうとすると、老婆は「久しぶりやなァ! あのあと、タイヘンやったんやで! 事故に遭って骨折して、手術するハメになってなァ!」と、身ぶり手ぶりをしながら身の上話を始めた。しかし、身ぶり手ぶりをする際に、老婆は手に持っていたつるはしを勢いよく振り下ろした。私は命の危険を感じて、老婆からつるはしを没収した。

 私がつるはしを没収した瞬間、部屋の固定電話が鳴った。私は電話をとったが、音は鳴りやまない。不思議に思いつつ部屋をキョロキョロしていると、布団の横に子機しかない電話があり、どうやらそれが鳴っているようであった。その電話をとってみると、若い女性の声で「『下着姿を見られている』というふうに苦情が入っているんですが」と言われた。ややこしいことに、どうやらその苦情は、「私に下着姿を見られた」のではなく、「同僚のHくんに下着姿を見られた」ということのようだった。

 私は、自分に関係のない苦情の件と老婆の件で、頭がパニックになった。私が混乱しているうちに、老婆はベランダに出て、無言で隣のベランダのほうに消えていった。何をどう処置していいか、わからないまま起床。

                             < 完 >


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