『おかえり』さえ言ってあげられない妻と世界一の菩薩夫
「奥さんが夜勤明けでも料理作ってくれる。」
「掃除・洗濯・整頓、家事全般やってくれる。」
「でも、こないだ一回だけ料理してみた。」
「でも、俺は皿は洗ってる。」
そんな良い旦那アピールなドヤ顔話に対して、
「おおっ!偉い!家事してるじゃん!」
って友達をヨイショしている夫を横目に、
夫が作った卵焼きと夫が作った酢飯で、
手巻き寿司を作ってほうばる私。
本当は、どう思っているのかとても気になる。
なかなか良い大学出て、
なかなか良い企業にお勤めの夫及び友人らは、
世に言う『ハイスペック男子』なわけで、
その妻は忙しい夫を支える
いわゆる『家庭的なデキル妻』である確率は
やはり高い。
そんな妻を持つ夫友人らとの
手巻き寿司パーティーにて、
おつまみも含めて全部夫が作ったと伝えると、
「え?そうなの?!」と驚かれる。
そりゃそうか。
私は全然『家庭的なデキル妻』と結婚しがちな
ハイスペック男子を批判したいとかではなく、
普通に自分が男だったらそういう人と結婚したいと思うから、
他人事のように自分の夫のことが可哀想だなと
結構本気で思うことがある。
◇
最近、正直色んな意味で仕事が結構きつい。
まずもって、日本から海外本社越境リモート勤務をしている私の生活リズムはオワッテいて、
日に日に仕事で色んなことに巻き込まれるのと
比例するように、
日に日に家庭内時差は広がるばかり。
とっくに寝ている夫の隣のベッドに2時半に入り、
10時ごろのろのろ起床した時には、
彼の姿はもうない。
そして、もちろん夫が帰宅する時間帯私は部屋にこもって仕事をしているので会うことはなく。
正常な日本時間で働く夫と
1秒も話さない平日もざらにある。
仕事でこんな良いことがあった
嫌な奴がいた
スーパーで小松菜が75円だった
綺麗な花が買えた
そういう話も出来ないし、
今日どんなことがあったの?とも聞けない。
それどころか、「おはよう」「おやすみ」
「おかえり」さえ私は言ってあげられないのだ。
◇
最近の私は家事に関してもポンコツで、
一緒に作り置きしようとか言いながら、
料理本買って本気で料理してるのは夫で、
私はオートクッカーにぶち込んでるだけ。
土日は基本起きない、ほぼ料理しない。
手が荒れるとか言って、
食洗機に入らないものは基本夫に洗わせる。
今週なんて、
最後の砦である平日の洗濯物さえもやる気がわかなくて洗濯カゴをついに爆発させた。
そんなポンコツ妻をよそに、
爆発した洗濯カゴを何も言わずに
平日早朝処理し、
黙々と当たり前のように料理・食器洗いをやってくれる夫。
皿洗いを自慢する友人に対して
ニコニコと褒め、
私だったら「俺一番家事やってるじゃん」
ほれみろと、
妻に嫌味の一つや二つ言う気がするが、
そんなことも一言も言ってこない夫。
二人とも疲れ切ってだらだらするだけの週末でも楽しそうにしてくれる夫。
もうこれは菩薩世界選手権優勝。
私は夫でなければ、
外資系本社の荒波や日常生活を、
身体的にも精神的にも乗り越えられないと、
そう心から今日は思ったから、
忘れないうちに、
次喧嘩した時に見返せるように、
こうして書き留めたいと思ったのだった。
ありがとう。世界一のマイ菩薩ハズバンド。
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