クリスマスの魂の欠片

全日本選手権が終わりました。まだエキシビションあるけどね。あと私は見てるだけだけどね。しかもテレビ観戦、今年も現地には行けずじまいでした…。

私はnoteより先にはてなブログでもブログを書いておりまして、既に2年以上続けており、毎日1記事ずつ粛々と予約投稿で更新しています。以前は何でもアリなブログでしたが(だからあんなカオスなタイトルにしている)、現在はほぼフィギュアスケートのことしか書いていません。フィギュアスケート以外のことをnoteに書くようにしたのです。
そのはてな用の、競技の感想を綴った記事とは別に、ざっとリアルタイムに近い思いの破片でも書きとめておこうかな、と思います。はてな用の記事に書ききれなかったことを。もうね、長いんですよ記事が(汗)。

まずは女子。すごい戦いでした…。私は坂本選手のファンなので、優勝が決まった瞬間雄叫びを上げてしまいました(笑)。2014年の全日本のエキシビションで見た彼女の滑りが何故かわからないけど印象に残って、ひっそり応援してたんですよ。オリンピックも出られたらいいけどいい選手たくさんいるし現実的じゃあないかな、とぼんやり考えてたらホントに出場してしまって、めちゃめちゃ興奮すると同時に、信じなくてごめんなさいという気持ちでした(泣)。
女子は上位の選手のうち誰が世界選手権に出場してもおかしくないほど実力が拮抗していて、そもそも誰が選ばれても応援するつもりでいました。坂本さんに頑張って欲しい気持ちはありましたが、順位がどうなるかはもう「勝負は時の運」に近いものがあるんじゃないか、というくらい実力が競っている。それだけいい選手が揃っている状況で、この選手に特に頑張って欲しい、という言葉はとても言えない気がしたのです。

それだけ実力が拮抗していれば、どの選手にも熱心なファンがいます。そのファンは皆、自分の好きな選手に代表になって欲しいと願うでしょう。それはごく自然な感情です。
でも、素晴らしい選手が国内に10人いたとしても、各大会の代表になれるのは3人まで。その枠に入れるか入れないかは、本当に僅差で決まってしまうのです。今回の全日本もそうでした。
代表に選出されて喜ぶ選手やファンがいれば、選ばれなくて涙する選手やファンもいる。応援している選手がたくさんいれば、喜びも悲しみも時に同時に味わうことになる。
その気持ちを思うからこそ、できるだけ競技が終わるまで、そして代表選考についてはフラットな気持ちでいたいのです。なので、個人的な思いはほぼ自分の中だけにとどめ、すべての選手を応援するつもりで試合を見るようにしています。

男子についてももちろん同じです。開始前に書いた記事で、高橋君の仕上がり具合で左右されるんじゃないかと書いていますが、それは高橋君の成績次第で代表選考が左右されるだろうという意味でした。まさか本当にそうなるとは…。たらればの話になりますが、羽生君が怪我を負わずに無事に出場できていたら、オリンピックメダリストが表彰台に揃った全日本、という伝説が生まれていたのです。見たかった、それ。怪我の神は平成終了と同時に天界だか魔界だか知りませんがお帰り願いたい(泣)。

選考については、はてなに掲載予定の記事に思うことを書いたのでここでは述べません。出場枠に制限がある限り、すべての選手やファンの願いが叶うことはない。好きな選手に出て欲しい、その気持ちは表に出してもいいと思うけど、同時に「だからこの選手には出て欲しくない」という思いが読み取れてしまうのは、気持ちのいいものではないです。競技中や代表選考の前後はどうしても皆ピリピリします。その空気の中では表に出さない方がいい主張もあるのではないかと思いました。ちょっと特殊な状況が重なったこともあり、いつもの選考とは違っていたように思うので、余計に感じるものがありました。私が勝手に裏の感情を読んで疲れてただけなんですけどね…。

こんな風に考えるようになった原因を思い起こすに、大きな要因のひとつとして、2013年の全日本を思い出します。あの全日本はソチオリンピックの代表選考を兼ねた大会でした。
開催前に、「誰に出て欲しい?」と当時の職場で聞かれた私は、「誰が出ても嬉しいし、誰が出られなくても泣く」と答えました。それは私の正直な気持ちでした。これより以前にも、オリンピックに届くほどの実力がありながら、全日本で敗れ出場権を逃した選手たちを見てきたからです。

2013年の全日本には、現在の女子のように、男子選手に実力の拮抗した選手が揃っていました。現実には、実力や実績から羽生選手と高橋選手はほぼ決定だったと思われるので、実質枠はあとひとつしかありません。上位選手たちの誰もが、その枠に入ってもおかしくなかったのです。
その枠を掴んだのは町田樹選手でした。地元の選手ということもあり、ずっと応援していたのでものすごく嬉しかった。でも同時に、バンクーバーオリンピックの代表であった小塚君や織田君の涙を見ることになってしまった。本当につらかった。最終的に代表に選ばれたものの、表彰台を逃した高橋君の目にも涙が浮かんでいた。その姿は今も忘れられず、時々胸が締め付けられるような思いがします。
あんなに嬉しくて、あんなにつらかった全日本はなかった。ただ見ているだけの我々がここまで胸が引き裂かれるような思いがするのに、選手たち本人は…。もちろん、勝負なのでそれは仕方のないことで、割り切れるからこそ競技を続けてトップ選手になれたのだろうと思いますが、その気持ちを思うとたまらなかった。そして単なる外野であるファンは割り切れず感情が入ってしまい、選考への不満を爆発させる人が出てきてしまう。その光景は美しいものではなかった。

あの全日本のことが忘れられないのです。だから、結果が出てしまうまでは黙って見守りたい、結果が出ても、結果そのものには不満を持ったりせず、何故こういう結果になったのか考えて納得していきたい、そう考えるようになったのかもしれません。
どの選手にもチャンスがあり、応援している人がいる。私が誰かを応援しているように。その感情のぶつかり合いで疲弊するくらいならば、競技そのものを楽しんで、どの選手も応援していくスタンスでいこうと思った。もちろん、すごく好きな選手もいればそこまで演技が好みではない選手もいます。特に、好きな気持ちはやっぱり隠せないもので、好きな選手の競技前には心臓の音が聞こえるほど緊張することもあります。それでも、「この選手に勝って欲しい」という気持ちは、決着が付くまで、時に決着が付いても、あまり言わないようにはしています。まあ、駄々漏れしちゃってることが多いんですけどね…。

多少好きの度合いは違うものの、なんかもう「みんなかわいい」という境地に達してしまい、ある意味穏やかに競技を見ています。その境地に達するとすごく楽しくなりました。今回もすごく楽しかった。
ただ、ちょっとだけあの時の気持ちを思い出してしまったことも確かです。気にしなきゃいいんですけど、私はどうもそういうところが上手じゃないみたいで…。

それから、「実際に会場に出向き、自分の目で確かめて感じたことはたぶん正しい」ということを改めて感じたような気がします。テレビでも十分面白いんですけど、やっぱり生で見る、ということはスポーツや芸術の分野では大事かもしれませんね。

そうそう、2013年の全日本、男子のあまりに壮絶な戦いに大泣きしてしまった私の涙を一瞬で止めたのが、会場で観戦していたステファン・ランビエール氏でした…。あの伝説の数々は別の意味で忘れられません(笑)。今大会も彼は島田選手のコーチとして参加していて、リンクサイドやキスクラにその姿を見ることができました。来年も彼は当たり前のように全日本に来るのでしょうか。スイスの人なんですけどね…。来年こそは観戦に行きたいので、また来てくれたら私は泣くほど嬉しい←大ファン
私はソルトレイクオリンピック以来のスケートファンですが、いちばん熱心に男子の試合を見てたのは、もしかしたらトリノからバンクーバーの間くらいかもしれない。ステファンも高橋君も、まさにその頃トップで活躍してた選手なんですよね。ジェフがいてジョニーがいてジュベールがいてトマシュがいて…。あの頃に思い入れがやっぱりあるんだなあ、とちょっと懐かしくなってしまいました。

とりあえず、こんなところで。もっとさらっと書くつもりだったのにやっぱり長いな(笑)。シーズン後半も楽しく応援していけたらいいな、と思います。
ちなみに私のクリスマスディナーはコーンフレークでした。ケーキ?チキン?買う金なんかあるわけねー。サンタさああああああん!←来ない

全日本選手権についての記事は、今月27日よりはてなブログに粛々と掲載予定です。あわせて読んでいただければ幸いでございます。
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