兎野卵

創作やネット文化についての思考を書き散らしています。Kindle本も出版中:https…

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創作やネット文化についての思考を書き散らしています。Kindle本も出版中:https://amzn.asia/d/cN6DfCb ※記事中の商品リンクはAmazonアソシエイトを利用している場合があります。

最近の記事

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既刊紹介

以下、これまでに筆者が刊行したKindle本の紹介になります。Kindle Unlimitedに入会している方は全て読み放題ですので、是非お手にとって頂ければ幸いです。 『コンセプトから始める創作論』 発行日:2021/5/15 文字数:約1万3千文字 内容紹介:兎野卵名義で出版した初めての本。創作とは遊びであり、自分を楽しませてなんぼである、という筆者なりの創作スタンスを解説しました。 『つまらなさとはなにか?: 創作に虚しさを感じるあなたへ』 発行日:2021/5

    • 鮮烈なビジュアルはいつ生まれるのか/BLAME!、少女終末旅行

      テキストが先かビジュアルが先か一般的に、物語を作る時は脚本が重要視される。特に映画やアニメでは「脚本が駄目ならどれだけビジュアル面で頑張っても無駄だ」という声を(制作者サイドからも)よく聞く。 個人的にも同意見で、私もマンガを描くときはまず脚本から考えていた。ビジュアル(キャラデザイン含む)は全部後回しだった。 でも一方で、たまに鮮烈なビジュアルを持つマンガに出会うと、「いや、やっぱりビジュアルの方が大事なんじゃないか?」と思い直す。「ビジュアルそっちのけで脚本と格闘して

      • 若林稔弥先生のFANBOXが漫画制作の参考になるという話

        何年か前、若林稔弥先生が創作についてのコラムをたくさん書いていた時期がありました。上記の記事ではそのコラムを悩みの種類ごとに整理してあります。 たとえば以下のような感じ。 個人的には悩み③の中の「キャラが何考えてるのかわからない問題」が特に面白かったです。 キャラが何考えてるのかわからない問題この「キャラが何考えてるのかわからない」っていう問題、とてもありがちなパターンで、「普通に漫画にはなっているし話はわかるんだけど、なんか読んでてイライラする」という場合はだいたいこ

        • 千葉雅也『センスの哲学』を読む

          本記事は千葉雅也『センスの哲学』の読書メモです。 久しぶりに発売前から楽しみにしてた本で、昨日買って一気に読了しました。 ※以下の文章はコピペではなく読みながら自分なりに咀嚼したもので、その結果本の内容とはちょっとずれてる(書かれていないことを勝手に読み取っている)可能性もあります。ご注意ください。 ダサさ=モデルの再現への固執多くの人は「モデルの再現」を目指す。アニメ「風」な絵を書いてみたり、アンティーク「風」のインテリアを買ったり。それでうまくいくこともあるけど、往々

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          ペン先は3D

          サクラクレパスの「スケッチペン」を長いこと愛用している。 黄色いペン軸に黒いキャップがついたシンプルなデザインで、キャップの根本には転がり防止の凹凸がついている(こういう細かい配慮が良い)。値段は1本130円くらい。ペン軸に*なまえ*を書き込む欄があるところを見ると、本来は子供用に作られたペンなのだと思う。 このペンの何が良いかというと、ペン先の形。 上の図のように、ペン先がちょっと角ばっているので、細い線と太い線両方を描くことができる。 太いマジックであればこういう

          ペン先は3D

          映画作りとスライス・オブ・ライフ

          映画作りはスライス・オブ・ライフ昔とあるテレビ番組で、大林宣彦監督が「映画っていうのはスライス・オブ・ライフなんだよ」と述べていた。 ある世界から時間・空間をスライスしてくるのが映画なんだ、と。 スライス・オブ・ライフというのは、通常いわゆる「日常系」ジャンルの作品を指すのに使われる言葉だけれど、ここでの大林監督の使い方はちょっと変わっていた。 大林監督曰く、映画は*全て*スライス・オブ・ライフなのだと言う。 サスペンスであれ、ホラーであれ、アクションであれ、全てがスライ

          映画作りとスライス・オブ・ライフ

          【制作ログ】意識低めの創作論

          久しぶりにワンテーマのkindle本を出しました。 1年弱ぶりくらいでしょうか。2023年は雑文集ばっかり書いてたので…(ただ、本書はその雑文集で書いた文章を膨らませて書いてます。だから必要な時間ではあったのだと思う) 今回の本は、前に出した『いきなり一行目から書き始める物語制作術』の続編に位置づけました。つまり、物語を作る実践的な方法論についての本です。 自分は文章を書いているとついつい抽象論に話が流れていく傾向があるので、今回はなるべく具体論を心がけたつもりです。なお

          【制作ログ】意識低めの創作論

          STEAL LIKE AN ARTIST

          STEAL LIKE AN ARTISTという本がある。邦訳もある(ただし電子版は英語版しかない)。 著者のオースティン・クレオンは、「Newspaper Blackout」という、新聞を黒塗りして残った文字で文章を紡ぐというアートで一時話題になった人物(らしい)。面白い試みだと思う。 この本の主題は、タイトルの通り「STEAL LIKE AN ARTIST」。 つまり「アーティスト達のように盗め(アートとは盗むことである)」と論じられている。 現在は画像生成AI絡みで

          STEAL LIKE AN ARTIST

          とりあえずアカウントだけ作ってみました。運用方針は未定です。 https://bsky.app/profile/usagino-tamago.bsky.social ※似たIDのアカウントがありますが、自分とは無関係の別の方です。

          とりあえずアカウントだけ作ってみました。運用方針は未定です。 https://bsky.app/profile/usagino-tamago.bsky.social ※似たIDのアカウントがありますが、自分とは無関係の別の方です。

          アイデアは周辺視野の中に

          連想とアイデアタイムラインに流れてきた画像を観て、ふと何か別のことを連想する時がある。 脳裏に一瞬何かがよぎる。これがいわゆるアイデアだと思う。 連想はアイデアになり得る。 たとえば…… 立ち並ぶビルを見て墓石を連想する。 宇宙遊泳を見て、へその緒につながる胎児を連想する。 閉まる電車のドアを見て、ギロチンを連想する。 植物の根を見て、ヒゲもじゃのお爺さんを連想する などなど。 これらの連想は、そのまま絵のアイデアにもなるし、短歌のアイデアにも使えるし、もしかし

          アイデアは周辺視野の中に

          うつくしいものはいつも

          あけましておめでとうございます。……とは素直に言いづらい大変なニュースが多い元旦でした。自分に出来ることをやるしかない。 今回は2023年の振り返り&2024年の抱負の記事です。簡潔に。 2023振り返り2023年はKindle本を7冊出しました。うち3冊が雑記本。 ちょっと執筆活動が雑記本に偏りつつあったので、2024年はいったん雑記本の執筆を抑えたい。雑記となると書こうと思えばいくらでも書けてしまうので…。 今年の目標は4冊刊行です。頑張ります。仕事がバタバタギス

          うつくしいものはいつも

          片手間で出来ることから始める

          執筆状況:新しいkindle本を執筆中。勿論創作に関する本で、現在2万文字ほど。来年の春あたりまでには出したい。2024年の目標は4冊刊行。 最近読んだ漫画:九井諒子『ダンジョン飯』13巻・14巻 片手間で出来ることの大事さ 「片手間で始める」っていうのは、すごく大事なことだと思う。 何事も、まずは片手間で出来る範囲から始めるべき。というか、人生というのは大体常にやることでいっぱいだから、何かを始めようと思ったらどうせ片手間でやるほかない。 たとえば、小説家になるのに仕

          片手間で出来ることから始める

          サブキャラだからこそ煌く

          執筆状況:雑文集シリーズの第4弾が97000字に到達。10万文字になったら出版する予定。ただ、あとがきとタイトルで悩んでいる。 最近読んだ漫画:シバタリアン、サチ録 その他読了本:数学物語 サブキャラの一瞬の煌きマンガやアニメにおいて、一過性のサブキャラクターだからこその煌めきというのは結構ある気がする。今やってるアニメで言えば、『葬送のフリーレン』の「断頭台のアウラ」の人気がすごい。 主役級のキャラは、物語全体の一貫性を背負っているのであまり突飛なことはやれない。あと、

          サブキャラだからこそ煌く

          動画文化と演技、そして創作

          ・執筆状況:雑文集シリーズの第4弾が現在86000文字くらい。また、単発本『意識の低い創作術(仮)』が10000文字ほど。前者は年内には書き終わりそう。後者はもう少しかかるかも。 ・最近読んで面白かった漫画:松本大洋『東京ヒゴロ』 ・その他読了本:科学するブッダ 犀の角たち (角川ソフィア文庫) 動画文化と演技↓このショート動画がなんだかツボでした。 帰国子女のバイリンガルが日本とアメリカの違いを面白おかしく演じて見せるショートコントシリーズなのですが、文化の違いが面白い

          動画文化と演技、そして創作

          refreshingな物語を描きたい

          最近の執筆状況報告:雑文集(『内省的思考ログ』シリーズ)の第4弾をコツコツ執筆してます。 並行して単発の本も執筆中ではあるんですが、書きたい本が色々あるせいで、書きかけの本が大量発生しています。それぞれちまちま書いて行きたい。 refreshingな物語とは?『葬送のフリーレン』のアニメ第7話について、海外の人が「refreshing」「fresh take」「feel like breath of fresh air」というような形容で絶賛していました。 これは何につい

          refreshingな物語を描きたい

          イラストの補助線としてのデザイン

          デザインが施された絵にグッとくる↑前にこんな記事を書いた。 昔の自分は「マンガの生原稿」よりも「写植が入り印刷された紙面」の方にときめきを感じていた……という話。 それとちょっと似た話になるのだけど、昔の自分は「絵にデザインが施された状態」にときめきを感じていた。というか、今でもときめく。絵をそのまま生でみせられるよりも、デザインされ、加工された状態にグッと来る。 たとえば、こういう雑誌の表紙。 この表紙、超いいですね。白基調のキャラクター、青い目、赤と黒の明朝系フォン

          イラストの補助線としてのデザイン