2023年に導入したソフトウェアのその後/2024年に導入したソフトウェア
2023年に公開したこちらの資料「今年導入したソフトウェア、魅力的だったソフトウェア(2023)」のその後について書いてみたいと思います。
いろいろ導入してみて、その後も使い続けているものと、結局使わなくなったものがあります。昨年を振り返りながら、自分なりの良し悪しを考えてみます。そして今年もいくつか導入したソフトウェアがあるので、それについても後半で言及します。
昨年導入したソフトウェアのその後
Procreate Dreams、Sleeve 2、Unclutter、Dropover、TextSniper、Workspaces 2、Bike Outliner、Scapple、Name Mangler、Lasso、Hand Mirror、Dark Noise、DaisyDisk
Procreate Dreams
私にとって、Procreateは憧れの対象です。ソフトウェア開発スタジオとしても、彼らが作る製品自体にも、憧憬の情を持っています。結局これはアプリを使うかどうかというより、インターフェイスに触ってみたいから、という理由で買ったものなので、私はほとんど使っていません。それでも、素晴らしい製品だと今でも思っています。
Sleeve 2
Sleeve 2は愛用し続けています。ウィジェットとしてちょうどよく存在感がありつつも、邪魔にならない程度に振る舞うので、素直に便利であるし、独自のインターフェイスを持ちつつもmacOSのデザイン言語と違和感なく調和を生んでいるところに好感を持てています。
Unclutter
Unclutterは使わなくなってしまったかなあ……。一応まだ常駐させてはいるものの、インターフェイスが過剰に感じられるのと、自分のワークフローにうまく組み込めなかったことが常用に至らなかった理由だと思います。新規に覚えるべきルールが多かったのかも。それから、ファイルのドロップレットとしては次のDropoverの方が肌に合っていたため、一部の機能は使う理由も無くなってしまいました。
Dropover
Dropoverは一番愛用しているドロップレットです。とりあえず、掴んだファイルをどこかに一時的に貼り付けておきたい、という場面で非常に重宝します。ドラッグ&ドロップって一時中断が基本的にできないので認知負荷がまあそれなりに大きいし、身体的にも手の筋肉に負荷がかかる感覚があります。一時中断・保留を実現してくれるとこの辺りが緩和されるので、非常に楽になります。
もはや私にとっては殿堂入りで、今後も使い続けることになるでしょう。
TextSniper
機械学習やAI技術を使って何かアナログ的作業をコンピュータにやらせる、という機能の実現は、昨今ではよく見かけるようになりました。しかし、そういったツールの多くは、「AIと対話するモード」というような仕組みを新たに作って、ユーザーのインタラクションコストを増大させています。その機能によって得られる価値と、その機能に対峙するコストの均衡を考えることが、この分野におけるデザインの課題だと考えます。
そういった意味では、TextSniperはmacOSのスクリーンショットを拡張するかのようなデザインなのが素晴らしいです。新しいショートカットをほとんど覚える必要がなく、まるで初めからそこにあったかのようにバックグラウンドに組み込まれる点がよくできています。
テキスト認識の精度が高いのは言うまでもないですが(これ自体はAppleのVisionフレームワークの賜物だと思いますが)、テキスト認識の際に、何か結果画面的なUIがほとんど無いのも素晴らしいデザインです。認識の成功失敗をただ伝えるインジケータに限定しており、結果自体は暗黙的にクリップボードにテキストを収めて終了です。全体でインタラクションコストがほとんど増えていません。
よって、TextSniperも欠かせないツールの一つになりました。
Workspaces 2
Workspace 2は使わなくなりました。デスクトップ環境でよく使うファイルやリソースをひとまとめにしてワークグループを管理できる仕組みを提供してくれますが、既存のワークフローを大きく変更しなければならないことと、うまく機能しないことがあったこと、ウインドウなどのUI要素の細かな状態までは保存・復元できないため、結局これを使うことによるデスクトップ環境の混乱の方が私には負荷と感じられました。
結局、OSに備わっている仮想デスクトップ(スペース)、アプリケーションを「隠す」機能、Macのスリープを組み合わせるのが一番問題なく機能します。
Bike Outliner
Bike Outlinerは絶妙なところです。アウトライン機能はまあそれなりに便利だし、こういうツールは無かったので、特定のユースケースにははまるのですが、純粋なテキストエディタとしては微妙です。ワークフロー全体で見た時に、Bikeファイルの互換性をどう扱うかという問題もあり、結局Bike独自の世界観と既存のテキスト編集ワークフローとの接合点をうまく見出せずにいます。
あとアイコンがちょっと肌に合わない……。Mac環境でアイコンはとても重要ですよ。
常用はしていないけど、たまに使う、くらいの位置に落ち着いています。
Scapple
まったく使っていない……。
https://www.literatureandlatte.com/scapple/overview
Name Mangler
これは結構使っています。ファイル名をまとめて変更するのに重宝しています。過去に似たような別のツールを使っていましたが、こちらの方が便利だし、まあそれなりにUIも整っているのでこちらに軍配が上がる、といったところです。サービスメニューに対応しているので、Finderのコンテクストメニューから起動できるのも助かっています。
細かいところには不満もありますが、全体として見れば些細なことに感じられています。
Lasso
Lassoは使っているし常駐もさせているけど、以前ほどに活用する機会は減りました。私にとって、ウインドウをリサイズしたりタイルに並べたりすることにそこまで価値を感じていなかったのかもしれないです。そもそも、macOSのウインドウタイルもまったく使っていないですし、リサイズは普段からウインドウの四辺を掴んだり、ダブルクリックで伸縮させられるので、そこまで困っていないんですよね。
ただ、一切使っていないということでもなく、たまにリサイズをショートカットしたい時とかに活用しています。
私にとっては、あると便利かもしれないが、なくても困らない、くらいの立ち位置です。
Hand Mirror
Hand Mirrorは割と使います。これはリモート会議の前の身だしなみチェックとか、カメラ機能の確認、映り込みの確認で重宝しています。
Dark Noise
Dark Noiseは実はアプリ自体は使わなくなったのですが、Dark Noiseのおかげで、私はある種のノイズを聴くことで集中力が劇的に向上するということがわかりました。特に、飛行機内の音、自動車内の音(走行音)が一番効き目があります。これは個人的に大発見でした。
今ではDark Noiseと似たような音源を自分で用意して、Musicアプリに組み込んで連続再生する運用にしています。ありがとうDark Noise。
DaisyDisk
DaisyDiskはほとんど使う機会がなく、正直SSDの肥やしになっている感は否めませんが、こういうのって必要になると非常に役立つタイプのツールなので、私は掃除用具の一つとして見ています。ストレージ管理系ではDisk Drillも持っていますが、これも普段はほとんど使っておらず、結局ストレージ系のツールは何かメンテナンス時やトラブルがあった時に頼るものだという認識です。
今年導入したソフトウェア
AirBuddy 2、iStat Menus 7、Pinwheel、Little Snitch 6、Runestone、Skeets、Final Cut Pro
AirBuddy 2
AirBuddy 2は、AirPodsなどのBluetoothデバイスをMacが認識した際に、iPhoneのようなコールアウトを表示してくれる常駐型ユーティリティです。ノイズキャンセリングを切り替えたりなども制御できるようで、まだ使いこなせていませんが、ワークフローに組み込めるか試してみたいと思います。
iStat Menus 7
iStat Menusは、macOSのメニューバーの右側(メニューバーエクストラ)にさまざまなステータス表示を行えるようにするウィジェットセットです。私は何年も前から愛用し続けており、7年ぶりのメジャーアップデートということで、アップグレードしてみました。以前よりもUIが洗練された感があり、細かい部分でより便利になった気がします。
Pinwheel
Pinwheelは、iStat Menusの開発元であるBjangoが最近出したカラーパレットアプリです。カラーパレット系はいろいろありますが、Bjangoなのでインターフェイスはきっとよくできているだろうし、Appleプラットフォーム向けの開発環境を想定した機能も含まれているので、開発場面でも便利かなと思ってとりあえずトライアル導入してみました。課金するかはまだ判断を保留しています(メジャーバージョンごとの買い切りです)。
私は必要としないのですが、説明書きにはFigmaを使ったデザインシステムの構築にも使えると書かれているので、そういった用途であれば役立つかもしれません。
Little Snitch 6
Little Snitchは、Mac用のネットワーク監視アプリです。プロセスごとにネットワーク利用の是非をカスタマイズしたり、何かのアプリがネットワークを使おうとした際に、そのことを通知してくれたりします。ちょっとしたファイアーウォールとしても使えます。
個人的にはめちゃくちゃ便利とかそういうアレでも無いんですが、以前、開発元のTwitterキャンペーンに何気なく参加したら運よく当選してしまい、タダでアカウントを貰ってからはずっと使い続けていました。今回はメジャーアップデートが来ていたので、お世話になったということもあり、バージョン5から6にアップグレードしてみました。ブラックフライデーセールとアップグレード特化が合わさって安くなっていたので、ちょうど良かったです。
アイコンは以前の方が往年のMacらしくて好きでした。
詳しい解説:
Runestone
RunestoneはiOS / iPadOS向けのテキストエディタ(コードエディタ)です。Mac環境では普段からCotEditorを愛用しているのですが、iPadでまともに使えそうなテキストエディタがなくて微妙に困っていました。RunestoneはCotEditorのように多くの言語シンタックスにも対応していますし、課金すれば行番号やタブ幅など多くのカスタマイズが行えるようになるので、iPadでテキストを書きたいような場面で上手く使えそうだと考えています。
Skeets
SkeetsはiOS / iPadOS向けのBlueskyクライアントです。公式の出来栄えが微妙なので悩んでいたのですが(どうやらReact Native製らしいが)、Skeetsはまだインターフェイスがまともで使えそうな気がしています。ただ一点致命的なのが、投稿の際の文字編集で、一文字目が日本語だと必ず変換確定した状態になる不具合があります。スペースを入れるなど上手く対処する必要があります。
Final Cut Pro
なんで今更って感じもしますが、Final Cut Proを導入しました。といっても、ビデオオーサリングの仕事が多いわけではなく、インターフェイスを眺めたかったのが主な理由です。プロ向けアプリのUIはどういう形になっているのか、タイムライン形式の構造における最適なインタラクションは何か、そういったところを探りたい、要は研究目的ですね。
その意味では、Procreate Dreamsとも似たようなモチベーションになっています。