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【足らぬ足らぬは】零細土建屋の働き方改革【工夫が足りぬ】

  ナンバリングは止めた。面倒だから。頭があまりよろしくないので「あれ?何番だっけか?」ってのが毎回である。

 さて表題の通りである。

 その前に、私は自分の会社の事を零細企業と呼称しているが、はてさて零細企業の定義というものを知らない。常用50人以下は「零細」だと思っていたが調べてみるとそうでもないらしい。

 中小企業のうち,とくに小規模なものを指していう。具体的にいかなる規模以下の企業を指すかは明確でないが,一般には製造業でいって常用従業員数9人以下と考えてよかろう。法律ないし《中小企業白書》の用語に類似概念を表す〈小規模企業〉(常用従業員数が製造業等で6人以上20人以下,商業・サービス業で3人以上5人以下の企業),〈小企業〉(同5人以下,同2人以下の企業)という呼名がある。(出典:株式会社平凡社世界大百科事典 第2版)

 なんと。うちは30人以上いるので当てはまらない・・・一般的には。自衛隊で大所帯に慣れすぎて、感覚が・・・というか世間知らず。まあけど零細でしょう。以後も零細気分を大切にしようと思う。

 閑話休題
  
 働き方改革関連法が2019年4月1日から順次施行された。

 あまり興味が無い内容なので、この関連法についての所見等は避ける。

 内容によっては建設業に猶予期間が設定されている物もある。下記は国交省HPに掲載されているものである。

 既に週休二日制工事や、猶予期間制度等が公共工事では増加している。国交省や地方自治体は本気で取り組んでいる。末端の監〇員にも徹底して欲しいところだが。

 さて、翻ってわが社はどうだったか。入社当時はあまりの酷さに困惑したものだ。

・年間休日86日(名目)(祝祭日仕事)
・隔週土曜休み(しかも親方が直前に仕事入れて全員出社させる)
・有給?なにそれ美味しいの?(ただし家族行事には寛大)
・ただし残業代他は青天井、長時間労働が常態化(癖になってる)
(災害対応や除雪時は除外する。)


 はっきり言ってクソみたいな環境だと感じた(語彙崩壊)。おそらく地場の土建屋では当たり前の環境なんだと思う。証拠に社員で不満を言うもの(給与は十分に支払われていたため)は居なかったからだ。
 このような状況では、休みの予定もろくに立てられなかろうと可哀相に思ったものだ。

 嘆いていても始まらないので、早速流行りの「働き方改革」を実施した。実施事項は以下のとおりである。

・年休100日へ増加
・有給休暇5日を会社指定で均等配置、3連休の増加(労使双方合意)
・ノー残業デーの設置(隔週水曜)
・激務工事(場合によっては日曜まで施工を強いられる現場)完成後の長期休暇取得推奨


 こんなところである。こんな大した内容じゃない事でも徹底に1年かかった。やはり年配(50代~)には理解されがたく、揉めに揉めた。
 休みを良しとしない人間はどこにでもいる。仕事一辺倒で熱心なのは分かるが、部下からしたらハッキリ言って迷惑である。
 年配親方からしたら、私は「最近の若い奴」代表格に見えたであろう。

 私個人的には多少休みが無かろうが、給与が低かろうが平気な人間である。自衛官に「残業」という概念がそもそも無いし、残業手当も存在しない。私からすれば残業代も貰えて毎日屋根のあるところで寝れて、長期出張も一切ない仕事など想像も付かなかったが。こちらが12年間楽をしてきたとでも思っているのだろうかwww

 「金は払う。だが無理もさせる。」

 という時代は既に終わっていて、いかに猶予期間が5年あろうとも、今現在から取り掛かっていないと変われない。

 「休めない」のではなく、あえて「休まない」ということが常態化しているのではないか。安易に「休まない」という選択をしているだけではないのか。

 うちは地方自治体工事の元請施工で食いつないでいるので、まだまだ良くしていけると確信している。
 それでもやはり、工期が迫ったり、災害対応や除雪で休みを潰さなければならないケースは多い。

 しかそれはそれである。如何に平素において休日やオフの時間を確保して個人の充実を図り、危急の際、戦闘力を発揮するかである。危急の仕事が間違いなくあるからこその働き方改革である。

 「建設業は働き方改革などそもそも無理だ!!」

 と私の父含め経営陣はよく言うが、無理と切り捨てるのではなく、働き方改革実現に向けて小さなことからコツコツと取り組んでいくべきである。無理なときは無理でその時だけ変えればいいではないか。労基も鬼ではない。

 まだ改革にむけて道半ばどころか始まったばかりだが、工夫を凝らし、なんとか社員全員の幸福を実現できる事を祈願して結びとする。


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