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【軍隊式】社員を諸制式に習熟させる?【指導法】

まず諸制式とはなんぞや。諸制式とは、もろもろの決められた様式や決まりの事である。古い言葉で、軍隊用語である。

私が転職して驚いたリストの中に、社内での人材育成法未確立がある。

これは無理もない。
理由として中小零細企業に於いて人材育成に割く様々なリソースが限られていること、半端な徒弟制度の遺骸が残っている事が挙げられる。

転じて軍隊(日本において自衛隊)ではどうか。軍隊は任務の特性上、平素においては教育訓練をひたすら実施する。教育訓練ばかりするものだから、基本的にはマニュアル化され、洗練されている。
ただしマニュアルはあくまで骨子であり、細かい実施要領だとか、個別の指導法というのは教育する側へ裁量の余地としてうたわれていない場合が多い。

軍においては「指導法の訓練」なるものがある。教え方の実践的訓練である。
面白いことに、人にモノを教える側の人間を集めて、教えるための訓練(訓練の為の訓練)をして、成績を付けて、成績優秀者の指導法を見学したり、意見を言い合ったりするのだ。
当然テーマ(課目)を決めて実施する。如何に効率よく時間を活用して、効果的に教えるのかを研究する。
無論、得意な人間もいれば苦手な人間もいる。

ただし物事を「教える」というのは、その物事に対し「絶対に外してはイケナイ事項」というものがあり、最低限マニュアル上の手順や作業細目をトレースしなければならない。
よって下手な人間でも教える項目に対し、最低限度のレベルにあるのが基本であり基礎となる。

この最低限度のレベルというのが「諸制式」である。諸制式に習熟しているからこそ人様に対し責任をもって諸制式に習熟させる指導が可能になるのだ。

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前置きが長くなったが、うちはどうであったろうか。特に若い人間を育てている時・・・以下は一例

〇場当たり的に作業をさせて、思い通り動けなければコキおろす。
これはいけない。「アレとアレ持ってきてコレしろ!」を地で行く指示である。事前の打ち合わせも重要である。現場での役割分担を明確にしないのもいけない。
そもそもアレとかコレとかで分かる訳が無い。教える側は正しい用語を使用しなければならない。無用な事故の原因にもなろう。
アレ・コレ人間は、おそらく若い時から正しい知識を身に着ける機会が無かったのであろう。是正しなければならない。

〇機械に乗せて思い通りに出来なかったら降ろす。

これはいけない。少しでも気に食わなければ「こら!なんでできねーんだ!お前変われ!!降りてこい!!」では人は育たない。
先ず作業の概要、抑えるべき作業上のポイント、危険のポイントなどを徹底してから乗せるべきである。大体が先述の「アレ・コレ人間」とセットだからたちが悪い。是正

〇書類作業でほったらかし、検査直前になって激烈指導徹夜
話にならない。小まめに確認して、書類の種類ごと進捗を確認すべきである。
監督業務の指導育成は困難である。全員が何らかの現場を担当している為、じっくり腰を据えて指導できる人間が必要である。これは会社自体の不備。中間管理職出来る人来てください。

まあ散々たるものである。

元指導法マニアの私としては、問題点は上役連中にありと判断した。
当然の事ながら、経験年数=知識・技量ではない。民間企業に於いて「諸制式」は厳しいなあとも感じた。同時に自衛隊の教育訓練制度には本当に感服したものだ。

実情は分かる。土台が無理である。アホボケ現場世代にこんな話をしても無駄である。お互い理解できないのでお互い様だ

諸制式習熟の為、アプローチの仕方を変えないといけない。草の根的かつ耳タコでコツコツチマチマやっていくしかないのだ。

マニュアル化を馬鹿にする風潮があるが、笑止千万である。マニュアルの行間にこそ重要な本質がある。
マニュアル化した方が効率が上がる作業も多いだろう。

諸制式に社員を育成するための、私の終わらない旅は始まっている。

いつだって若い世代を核心とした業務を行いたいものである。

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