私がいなくなった世界でも、地球は廻る。#3

思えば沢山書きたいことがあったのだが、文に起こそうとすると途端に言葉が出てこない。
まだ、色々言いたくない羞恥心があるからだと思う。

そういえば前回は弟について話したが、次は祖父について話してみようと思う。
実はこの話は順番が逆なんだ。
思い入れが浅く、日付が浅い順になっている。

祖父は、昔工場で工場長を勤めていた。
日本の高度経済成長を支えた大企業だった。
それはそれは昔ながらの頑固親父と、私は祖父が無くなる6年前まで思っていたのだけど、実はそうでなかった。

祖母が亡くなった時、祖父は寂しさの中の自分の苦しみに拍車を掛けてしまった。
元々田舎の生まれで継ぐ家もない順序。だった祖父は息子が出来なかった事に悲しんでいた。
初孫の私はなんとか可愛がろうとしたのだろう、最期まで私には連絡をしてきた。
そして最期まで甘やかしたのが愚弟である。
亡くなる半年前迄昔ながらの慣習にひっぱられ……と、思っていたが、ただ、同姓の味方が欲しかっただけなのかもしれない。
祖母が亡くなった後、祖父は祖母に全てを掛けていたと写真を漁り、祖母の面影と暮らすようになり、全てを更に呪うようになった。祖母の事を愛していたのは本当に知らなかったのだ。誰も。

皆呪いにかかっている。家族という。
それは20年前から分かっていたけど、祖父も。

そして皆バラバラになった。
私は胸を撫で下ろした。
おじいちゃんが、亡くなったあと焼かれる前迄に何故か笑顔になっていた。

これで、終わる。と、思ったのだろう。

まて!次回!

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