最近の柑橘類

最近柑橘類の種類が多い。
昔はそんなになかったと思うんだけど。みかん、甘夏、はっさく、オレンジ、レモン、グレープフルーツ、夏みかん、デコポンと書いていて思ったけど意外と多かったな、柑橘類。他にも柚子、カボス、スダチとか。ゆかすってポン酢ありましたよね。あとはライムとか。

仕事帰りにスーパーに行く。果物コーナーは大抵入口近くにあってお店に入るとほのかに甘い匂いがする。
食い意地が張っているので新しい果物を見るとつい買ってしまう。食べ方がよく分からないけど、食べるときに調べればいいかととりあえずカゴに入れる。

食い意地が張っているので(2回目)、夕飯を作るときはレシピを検索したり、アク抜きを頑張ったりする。まあまあ美味しいじゃないの、と自画自賛しつつモリモリと頬張る。
食事が終わりお腹もくちくなると、めんどくさいメーターがぐんぐん上昇してきた。もうメーターは黄色を超えてオレンジ色。でもデザートは食べたい。名前をうろ覚えな柑橘類を冷蔵庫から取り出す。食べ方を検索する気力は残っていない。

オレ、仕事してご飯作って十分頑張ったよな、うん。まだ皿洗いも残ってるし。
外側の皮をとりあえず剥こう、手でいいか。が、むきはじめた時点でちょっと違うかもしれないという気がしてきた。なんか思ってたより果肉が柔らかい。皮をむいているうちに果肉が潰れてくる。ヤバイ。途中でやめるわけにもいかず外皮を全部むく。飛び散った汁で甘酸っぱい香りが部屋中に広がった。中身は潰れ気味で汁がたれている。更につぶれるのはわかっているが房ごとに分ける。
子供みたいに顔と手をベタベタにしながらひと房づつ口に入れる。甘くて酸っぱくて味が濃い。噛むとうっすら皮の苦味がある。見た目はナニだけど美味しいじゃないの。

片付け時に冷蔵庫を覗いたら紙切れが落ちていた。謎の柑橘類の説明書だった。ヘタを通るように放射状に八等分に切って、外皮と房の間に切れ目を入れる、と書いてある。名前は美生柑だそうだ。ネットで調べたら手でむいてひと房づつ食べてもいいらしい。なんだ、間違ってなかったじゃないか。カレーも手で食べると美味しいって言うし。

次の日は、取扱説明書通りに切って食べた。文明の味がした。食べ方を変えるだけで全然味が違う。
柑橘類は難しい。


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