青空文庫で読めるBL5作品をおすすめしてみました その2
きのう夜更けに書いた「青空文庫で読める6作品をおすすめしてみました」がひと晩で(わたしにしては)読んでいただけたみたいなのが嬉しくて2回めを書きにきました。
1回め、読み返すと記憶スケッチがひどいなあとかとくに島清のあたりが適当すぎない? とか反省点はいろいろあるにしろとりあえず。
この文章での紹介の仕方はさておくにしてもそれぞれの作品の力はだってそりゃもちろんン十年の歳月を経てのちの世に残るほど素晴らしいのでぜひぜひおひとつ。
この文章がなにかの入り口のひとつにでもなればこれ幸いといったくらいの適当さで今回もお送りします。
おうち時間のたのしみに。
いまこそ本の力をと叫ばれることも多いご時世ですが図書館も大型新刊書店もマンパワーにはかぎりがあり押し寄せるひとの波に現場のスタッフが日々感染のリスクにさらされたりしないこともないというかまあなんかそんな感じもありできたらしばらく本の世界の窓口は青空文庫で、まあとはいってもずっと端末見てたら目への負担もあるよね、ほどほどにね、そんなときには個人商店のネット通販もいいのではとか若干そういう腹づもりもなくもない貴様どこの現場の者だというアレがちょっと根底になくもない、配送業のみなさまにおかれましてはいつもほんとうにありがとうございますとかさらに現場スメルを漂わせつつではご紹介。
○トーマス・マン「ヴェニスに死す」
https://www.aozora.gr.jp/cards/001758/card55891.html
王道。
老作家と美少年の物語ですね。
ジッド「一粒の麦もし死なずば」もなんかそんな話だったよなあと検索してみたけど青空文庫にはなかった。
ところでさっきたまたまそのへんにあった「1946・文学的考察」とかいう戦後文学はじまりの一冊なんてふれこみの本をめくっていたら戦後知の巨人といわれる加藤周一さんや中村真一郎さんが「僕は戦時中近代文学にいやけがさしてラテン文学とあとマンだけを枕頭に置いていた」と書かれているのをお見かけして、ごめんなさい…てなりました。ごめんなさい老作家と美少年の関係性に夢中になって……でもたぶんわりとそういうひと多いとおもうねん……映画とかちょう有名だし……。
「トニオ・クレエゲル」https://www.aozora.gr.jp/cards/001758/card55937.html
もまあまあそういう目で見るよわたしは。
マチネ・ポエティクにごめんなさい。
○堀辰雄「燃ゆる頰」
https://www.aozora.gr.jp/cards/001030/card55425.html
みんなだいすき堀辰雄。
上でご紹介した「1946・文学的考察」の著者福永武彦・中村真一郎・加藤周一ほか立原道造やら加藤道夫やら野村英夫やら萩原朔太郎やらなんかほんとみんな堀さんだいすきね! ておもえてくる堀辰雄、みんなだいすき堀辰雄。
の、青春文学というか、みんなだいすき旧制高校の寄宿舎での少年たちの物語。
こちらも青空文庫にはありませんがまだ本屋さんでも電子書籍でも買える福永武彦「草の花」も併せてどうぞ。
○太宰治「ろまん灯籠」
https://www.aozora.gr.jp/cards/000035/card315.html
みんなだいすき太宰治。
BLかどうかは個人の好みによるところでしょうがとにかくきょうだいがかわいい。
きょうだいたちの日々の暮らしをずっとながめていたい。
○佐々木邦「苦心の学友」
https://www.aozora.gr.jp/cards/001750/card55858.html
こちらも前回ご紹介した「ああ玉杯に花うけて」同様戦前の少年たちに大人気だった「少年倶楽部」の名作。
世が世ならお殿さまのご子息のご学友となることになった正三くんの奮闘ぶりがかわいいです。
ご子息もわがままだけどいい子でかわいい。
BLかと言われるとこれもまた微妙なところですが少年たちがかわいい姿をひたすらながめられる。
佐々木邦のユーモア小説は少女ものもとってもかわいいのでぜひどうぞ。
○谷崎潤一郎「少年」
https://www.aozora.gr.jp/cards/001383/card56643.html
こちらも大きなくくりで言えば坊っちゃんと僕のこどものころの思い出になるはずなのですがなんせユーモア小説の大家佐々木邦と悪魔主義の谷崎ともなればこうもテイストが違うのかとまあまあびっくりしなくもない。
耽美と退廃の美少年がお好きなかたはどうぞぜひ。
ということで今回も5作品紹介してみました。
あらためて一覧を見ましたが青空文庫ってほんとうにすごいですね。
多くの方々の努力の結集、これからも大切に拝読いたします。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?