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テスト

ただ自分に近しいようなもの、自分を波立たせないものをうっすらとなぞるだけの日々であった。

しかし、彼が私の前に現れ、テストを与えたとき、私は激しく動揺した。
それは私の信じる美しさそのものであった。
その美しさに、呑まれ、ることを、恐れ。
私は己の汚さを突きつけられ。

時期が来たのだ。線引きをやめる時期が。
私と彼は同一であり、私とテストは同一である。

テストは決して私を傷つけはしなかったし、私はテストを損ないはしないだろう。

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