金平糖

コーヒーや紅茶を飲む時は、甘いものが欲しくなる。

スーパーへ食料品を買い出しに行く時、たいていお茶菓子をつい選んでしまう。

クッキー？チョコレート？

うーん。どれもあんまり、気分にしっくりこない。

お菓子売り場をうろうろすること数分。

キャンディコーナーのかげに、ひっそり1列だけ並ぶ金平糖。

見るも鮮やかで目に止まった。

もう、こういうもので良いかもしれない。甘いもの、の最短距離。

パッケージを見ると「カラフルでかわいいお菓子」って書いてある。砂糖が姿を変えただけのものに「お菓子」と銘打っていいのか分からないが、角砂糖をそのまま口に放るよりは格好がつくだろう……。

金平糖を買ったのは初めてかもしれない。

帰ってコーヒーと一緒に食べた。

これだ！コーヒーに合わせる食べ物の最適解を見つけた！

わたしはつい、お菓子の方ばかりに気を取られて、コーヒーが後回しになる。お菓子を食べ進めやすくする脇役こそコーヒー。そんなイメージだった。

でも金平糖は限りなく砂糖の塊で、コーヒーを飲み進めやすくするものとして徹してくれる。

コーヒーを甘くすればいいってものでもない。でもお茶菓子をメインに据えてしまうとバランスが取れない。

そんな悩みを解決してしまった金平糖。

色がついてるのに、味は全部一緒っていうのも良い。袋キャンディにおいてしばしば発生する「余っちゃうフレーバー問題」と向き合う必要も無いからだ。

コーヒーと一緒に口に含んで、しばらくしたらじゃりじゃりと噛んでしまう。

噛んだら甘すぎるのでまたコーヒーを流し込む。

圧倒的にコーヒーを主役にするお菓子ナンバーワンは金平糖だ。見つけてしまった。世紀の発見だ。

コーヒーは脇役に回らなくていいんだ……。バイプレイヤーだって主役を張るときがあるんだ。金平糖のおかげで。

甘いので少しの量で気が済む。チョコレートやクッキーだとつい食べ過ぎてしまうけどこれはハイブリッド。1袋100円くらいで買えてしまうのも良い。

お菓子が食べたいんじゃなくてコーヒーが飲みたいんだ！の時に支えてくれる、めちゃくちゃ嬉しい〜〜。

…………待って。

これって、酒飲みが塩を舐めて酒を飲む原理と一緒？

…………。

金平糖！！！お菓子と名乗ってくれて本当にありがとう！！！