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第10話「注釈は、堂々と言えば、文脈になる」

水曜どうでしょうカメラ担当ディレクター・嬉野雅道と、SHARP公式の中の人・シャープさん。大阪で語り合った連載の第10 話をお届けします。(聞き手:嬉野珈琲店、T木)
*前回のお話はこちら→第9話「前向きに、友達を減らそう」

*嬉野雅道の初エッセイ文庫化!解説はシャープさん。ひらあやまりいよいよ明日発売です!

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T木:
「芸人の世界でも言いたいことが言えないとかコンプライアンスとかいろいろあります。そのもやもやをどう発散しますか」芸人さんからの質問ですね。

嬉野:
言って損することは言わない。

T木:
言わない。

嬉野:
で、言いにくいことも言えるように工夫するのかな。のどかな温泉番組でも「特別にタオルを巻いて入っています」とか言うわけだよね。一般社会でもコンプライアンスにがんじがらめになってるときに、一緒にもやもやするっていうのは、商売上よくないなって思う。

T木:
なるほど。

嬉野:
シャープさんが「自分のことは嫌いになっても、弊社の製品は嫌いにならないでくださいね」と言うようなそういうことですよ。言いにくいことを言えるようにするアイデアを思いついて出す、ということが大事なことだと思う。みんな個々に不満があると思うんですけど、それをどうすれば他人が笑って持っていける「商品」みたいなものに変換できるかが大事。

シャープさん:
あとは注釈みたいなものをわざと大声で言ってしまう。「俺は金が儲けたいんだ」とか

嬉野:
うちも言ってますよね。「我々はみなさんを騙しています」とか。

会場:
(笑)

シャープさん:
注釈を文脈にかえてしまうと、案外コンプライアンスを無効化できたりする。


T木:
なるほどです……。つづいて、「上司に物言いたい時どうすればいいですか」

嬉野:
上司に物言わないですよね。


シャープさん:
言わないです。


会場:
(笑)

T木:
まさかの一致でした。

嬉野:
一生懸命なんだもん向こうも。同じ土俵で話をしない

シャープさん:
あと「俺は聞いてないぞ」っていう人いますけど、聞いてない方がいいこといっぱいありますもんね。

T木:
「悪意を向けられたらどうすればいいですか」

嬉野:
嫌だな。それは向けられたくないな。それはその時に考えるしかないもんね。

シャープさん:
その通りですね。

嬉野:
あっさりごめんなさいということもあるかもしれない。

T木:
シャープさんへの質問です。「社内にいる3人の友達は信頼できる人ですか」

シャープさん:
えっと……3人しかいないし信頼しないと仕方ないですよね。

嬉野:
親友というのをどのように考えるかというのはあるよね。損得もあると思うので、全部あけすけに接するみたいなことはしないかな。うーん、難しい話だね、長くなりそうだ、ごめんなさい(笑)

T木:
「藤村さんは出会った時からああいう話し方ですか」

嬉野:
そりゃそうですよ。

会場:
(笑)

T木:
「どうでしょう弁」みたいなのは大泉さんの影響が大きいんでしょうか?

嬉野:
大泉さんの影響ですねえ。やっぱりね、編集しつづけましたからね、私も藤村さんも刷り込まれました。

T木:
嬉野さんは元々そういう話し方じゃなかったんだろうなって。

嬉野:
そりゃそうです。

T木:
どうでしょうの言葉はどうですか、シャープさん。

シャープさん:
見てたら訓練される。調教されるというか。

会場:
(笑)

嬉野:
耐性がつく。 

シャープさん:
そういうポテンシャルがあるんだろうと。

嬉野:
ひどい言葉遣いだという一方で、安心感があるというか。それで藤村さんが笑ってる声を聞いたら安心するでしょう。その安心感っていうのがあって、それと一緒に刷り込まれる。

T木:
なるほど。言葉に違和感があっても、その安心感で聞いてしまう、と。次に「シャープさんは学生時代勉強はできたほうですか」

シャープさん:
勉強はできますよ。

会場:
(笑)

T木:
「あと、お休みの日は何してますか?」

シャープさん:
えっとー。あー。この質問意味わからないんですよね…(笑)

会場:
(笑)

嬉野:
わからないね。まあ、ここで口ごもる人はなにもしていない。

シャープさん:
何もしてないです。

T木:
「モチベーションは何ですか」

シャープさん:
ぼくは多分お礼を直接言えるとか。綺麗事いうわけじゃないですけど、案外、人の助けになるのは気持ちいい

嬉野:
家電が好きとか?

シャープさん:
そうでもない。

会場:
(笑)

T木:
「大阪は好きですか?」

嬉野:
好きですよ。だっていま日本で一番寛容じゃないですか。自転車のところに傘をさす「さすべえ」とか、あれ道交法上大丈夫なのか、と。

T木:
シャープさんは会社が大阪で?

シャープさん:
僕自身は京都から大阪にきてるので。嫌いでもないですけど。でも必要以上にツイッターで関西弁や関西色を出したりはしないようには気をつけてますね。まあそれが結構乱暴に見えたりするじゃないですか。ドヤ顔をするというか。あんまりそれはしたくないなと思ったんで。

(つづく)

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お読みいただきありがとうございました。明日はいよいよ最終話。誰もが抱えるこの質問に、二人が答えます。どうぞお楽しみに!
(明日の記事「幸せな働き方ってどんなものですか?」に続きます)

《連載目次》
第1話(3月13日)
まずは前枠「ほんとうに初めまして。」
第2話(3月14日)
「行きがかり上、中の人やってます」
第3話(3月15日)
「宣伝しながら宣伝しない」
第4話(3月16日)
「『ありがとう』に泣かされる」
第5話(3月17日)
「炎上の火中、エモさで飛び込む」
第6話(3月18日)
「水曜どうでしょうVSコンプライアンス」
第7話(3月19日)
「会社に頼らず、ファンに頼る」
第8話(3月20日)
「テレビ局をやめようと思った日」
第9話(3月21日)
「前向きに、友達を減らそう」
第10話(3月22日)
「注釈は、堂々と言えば、文脈になる」
最終話(3月23日)
「幸せな働き方ってどんなものですか?」

◎嬉野雅道の初エッセイ「ひらあやまり」ついに文庫化!いよいよ明日、発売です!

シャープさんの解説文も読めるお得すぎる文庫本は、3月23日発売です!

ヤンデル先生、ごめんなさい!文庫版「ひらあやまり」、カットしたり、書き足したり、とっても読みやすくなっております!
文庫版の表紙はアニメ「進撃の巨人」を手がける浅野恭司さんの書き下ろし。
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いよいよ明日、よろしくお願いします!

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水曜どうでしょうディレクター(D陣)藤村忠寿と嬉野雅道が、毎月多彩なゲストを編集長にむかえてお届けする月額マガジン「Wednesday style」。3月のゲスト編集長は、ライター・カツセマサヒコさんです。テーマはあえて直球の、「テレビとインターネット」。購読受付中です!

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(今後のゲスト編集長:SHARP公式さん病理医ヤンデルさんたらればさん

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