「脳を撫でる」嬉野さんの言葉の切れはし#202
ぼくは絵やら映像やらを見た時の、
自分の脳みそが何かに触られるような味わいがやっぱり好き。
--嬉野雅道
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さっきまで、鯨森惣七(くじらもりそうしち)という、
絵描きさんと近所の喫茶店で話していて、
鯨さんは60でも、やっぱり気持ちの好い絵を書いていた。
ぼくは絵やら映像やらを見た時の、
自分の脳みそが何かに触られるような味わいがやっぱり好きで。
絵はとくに「つー。すすいっ」と引かれた線にこそ味わいがあって、絵描きが引いたその線に「つー。すすいっ」と、脳みそが撫でくりまわされるのが気持ち好くて、心が落ち着くのね。
鯨さんは、見た目、でっぷりとした、気の好いおっさんだけど、
不良だったそうで、国語は「2」だったよと言うけれど、
人の気持をぐりぐりほぐす文章を書く。
--嬉野雅道(水曜どうでしょうディレクター)