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【SNK】夏の思ひ出【SNK】

 1994年8月25日。『KOF94』リリースした日だそうである。かくいうぼくも、NEOGEOロム版の発売日には、予約してまでこれを手に入れたり本体を買い直したりと、やたらジタバタしていた記憶があるのだが、そうか、あれからもう30年か。ちなみにぼくの作家としてのデビューは94年、ちなみにTOKIOとも同期で――。
 ……いやまて、こんなような記事を前にも書いた記憶があるぞ?

 まあこんな茶番はさて置き、30年目の夏が来たというのに肝心の公式から何の音沙汰もないのはおかしくねえ? と世界のSNKファンが首を傾げ始めていたきょうこの頃、メモリアルデーの3日前から唐突にX上でのカウントダウンがスタートし、そして25日に30周年をことほぐ特設サイト(+公式X)が開設された。
 といっても、具体的なコンテンツはまだほとんどなく(8月26日現在、歴代作の設定資料ページのみ)、どうやらメモリアルイヤーである今年の年末までに、30個のコンテンツを小出しにしていくということらしい。……いいのかい? これだと20年後には50個のコンテンツを作らにゃならんのだぜ?

 でまあ、本格的に盛り上がるのはこれからのはずなのだが、幸か不幸かこのタイミングで、『SF6』ではテリーのPVが、『CotW』では舞のPVが公開されたばかりであり、30周年とは無関係に勝手に界隈が盛り上がっているような印象がある。厳密にいえば、盛り上がっているのはおそらく『餓狼』界隈であって、かならずしも『KOF』界隈が盛り上がっているわけではない気もするし、『KOF』のファンがSNKの『CotW』への注力ぶりを横目に、ほんのりと蚊帳の外に置かれているような気持ちになってしまうのも判らなくはない。
 ただ、これも個人的な推測なのだが、『KOF』や『サムスピ』以外のSNKタイトルのファンは、大なり小なり同じような思いをずっといだいてきたのだろうな、というのはある。特に、格ゲー界においてもSNK内においても、『KOF』の影響力が大きくなりすぎてしまった90年代末以降、SNKは明確に『KOF』を自社の基幹コンテンツ化していたように見えたし、相対的にほかのタイトルが割りを食う形になっていった。たとえSNKにそのつもりがなくとも、格ゲーブームの熱狂が冷めていくのに合わせて、おのずと『KOF』に頼らざるをえない状況になっていたからだと思う。
 まあ、だからといって、「今度はまた『餓狼』の番が来たんだから『KOF』はしばらく冷や飯食ってろ!」というわけではないはずだし、特定のタイトルだけに頼ることがいかにあやうい状況であるかは、ほかならぬSNK自身が一番よく知っているだろう。近年サウジ資本が入ったとはいえ、おそらく今のSNKは、いまだ90年代のように複数の格ゲーを並行して開発できる状況ではないだろうから、『KOF』より『餓狼』のほうが手厚くあつかわれているのは仕方ない。そもそも直近でリリースされる新作が『CotW』なんだから。
 というか、『KOF』はまだましだろ、年内にマチュア&バイスが来るのが確定してるんだから! 『サムスピ』のRPGも『龍虎』新作も、まだスタッフを募集している段階なんだぞ! いわんや『風雲』にいたっては――。

 ハァハァハァ……あぁあ……。

 ニコラ・ザザの不憫さについ荒ぶってしまった。舞ちゃんのPVでも観て心を落ち着けよう。

 うーん、人妻の魅力(事実婚歴10年超え)。
 願わくは今後のSNKには、『餓狼』だけでもなく『KOF』だけでもなく、さらには格ゲーだけでもなく、さまざまなタイトルで業界の荒波を乗り切っていってもらいたいものである。

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