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広告に興味がない人も思わず笑ってしまう広告事例の紹介③

スマホを使えばすぐに面白いコンテンツに出会えるこの時代、わざわざ広告をじっくり見ようという人はなかなかいません。しかし、世の中には広告に興味がない人でも思わず目を止めて笑ってしまう秀逸なクリエーティブがたくさんあります。この記事シリーズでは、そんなおもしろい広告事例を少しずつご紹介していきます。

毎週月曜日お昼の12時~13時にはClubhouseで、noteで紹介した事例をはじめ、世の中の気になるクリエーティブについてディスカッションを実施していますので是非聴きにきてくれると嬉しいです!

1.Mondelēz International|Oreo「The OREO Doomsday Vault」

世界的人気を誇るチョコレートクッキーのオレオを製造・販売するモンデリーズが2020年10月に実施した施策。「小惑星2018VP1が0.41%の確率で地球に衝突する。」というNASAの報告を受け、モンデリーズは人類の財産であるオレオを隕石衝突から守るための保護シェルターをノルウェーに建設しました。
保護シェルターには湿気などに強い特別なパックに包まれたオレオや、オレオのレシピ、材料の粉ミルクなどを保管しており、もし地球が何らかの災害によって壊滅的な被害を受けても再びオレオを製造できるようになっています。また、保護シェルターの建設に至るまでを描いたフェイクドキュメンタリー動画も公開し、0.41%の隕石衝突の可能性にどれだけ万全の対応を実施したかをアピールしています。

オレオという商品を生物や植物といった「種」と同等の存在として捉え、保護シェルターまで用意してしまう企画の壮大さがバカらしくて笑ってしまいます。海外らしい非常にスケールの大きなおもしろPR施策で、クリオアワードやワンショウなど多数の海外広告賞を受賞しています。
また、この保護シェルターは、未曽有の災害に備え100万種以上の種子を保存している「スヴァールバル世界種子貯蔵庫」の近くに建設されているようで、そういった細かい部分まで世界観をつくり込むことでモンデリーズの本気度を演出しています。


2. 那須どうぶつ王国「マヌルネコのうた」

栃木県にある那須どうぶつ王国が2021年4月に公開したWEB動画。同園で飼育しているマヌルネコの生態や絶滅の危機に瀕しているというマヌルネコの現状をテクノ音楽とラップに乗せて紹介しているミュージックビデオです。

イカしたテクノ音楽と「名前はヌルヌル動きはカクカク」「(同園で飼育しているマヌルネコの)ポリーちゃんは顔のパーツが中心に寄っている。」といったユルい歌詞のギャップにクスっとしてしまいます。また、「マヌルネコ~マヌルネコ~ マヌルヌルヌルマヌルネコ♪」というサビはとても中毒性のあるリズムで一度聴くと頭から離れません。歌の後半の「マヌりたい マヌられたい」という意味不明だけど響きの良い歌詞などは、笑いの入れ方がとてもうまいなと思います。

また、動画タイトルや歌詞の中には「那須どうぶつ王国」という言葉は一切出てこず、あくまでマヌルネコのMVとして公開することでうまく広告っぽさを排除しています。映像の最後に「マヌルネコは絶滅の危険性が高い野生動物です。さわったり、おうちで飼うことはできません。眺めて愛でましょう。 那須どうぶつ王国」とようやく動物園名が出てきますが、ソーシャルグッドなメッセージとともに表示されるため商業的ないやらしさは感じません。本動画はYouTube上だけでも124万回以上視聴されています。(2021年6月13日時点)

毎週月曜日お昼の12時~13時にはClubhouseで、ご紹介した事例をはじめ、世の中の気になるクリエーティブについてディスカッションを実施していますので是非聴きにきてくれると嬉しいです!

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