大学教員のお給料と恋愛事情(1)

お疲れ様です、URAKOMEです。


学生の中には将来大学の先生、ゆくゆくは教授になりたいが、たくさん給料もらえるのかなぁと考えている人もいるでしょう。

また、今お付き合いしている(したい)相手がいるけどこの先結婚して大丈夫かなぁ、と思っている人もいるでしょう。


URAKOMEもときどき給料や恋愛事情に関する質問されます。

このテーマは書くと長くなるので、シリーズとしていくつかに切り分けて書いていきたいと思います。

本稿では大学教員になるまでの過程と職位についてざっくり書いてみたいと思います。



本稿の概要

・給与額を知らされないで就職する!?

・大学教員の給与は高いのか?

・何歳で大学教員になれるのか?

・ポスドク(博士研究員)と大学教員



給与額を知らされないで就職する!?

一般的に、大学教員の給与というのはあまり知られていません。

というか、大学教員自身すら給与を知らされずに就職することが多い(!)です。


ちなみに、赴任前に問い合わせても教えてくれません。

大体国立ならどこも一緒だよ〜、みたいな感じです(謎)

それもあってか最近は募集要項にモデル給与が出ていることもありますが、まだまだ少数です。


ネットにも大学教員の給与の情報がちらほら出ていますが、微妙なものが多いように思います。

この問題は多くの先生方が感じているようで、大学教員間でもよく話題になります。

また、最近では下記の先生方のように自分の給与を公開されている先生もおられます。

<国公立大>

高山佳奈子 先生(https://ironna.jp/article/3095

小町 先生(http://komachi.hatenablog.com/entry/20150509/p1)

<私立大>

Satow 先生(http://msr2do.hatenablog.com/entry/2018/03/06/223903

尾田 基 先生(https://odahajime.jp/salary-1-4/#toc2


各先生方が記されている金額はそれぞれの先生方の地位・役職と同じであれば同等の給与額になると思います(手当等の差はあれども、平均で算出するデータと比べて非常に貴重で参考になる)。

地方国立大ではこれらより安くなり、都会の有名私立大学では高くなるでしょう。

国立大学に限りますが、給与の推定方法は下記の記事で紹介しています。


大学教員の給与は高いのか?

上記のように各先生方の給与を見ると平均年収(H31年度:441万)よりは高そうだが、どうでしょうか?

給与の多寡は、その人の金銭感覚によるところが多いため何とも言えないところであります。

学歴から勘案すると”安い”と言わざるを得ないでしょうが、仕事の自由度という意味では平均年収より上なので十分もらっているとも言えるでしょう。

地方国立大や小規模私立大学だと上記の先生方より結構少なくなるので、額面のみを求めるのであれば、正直なところ企業に勤めた方がいいかもしれません。

また下記にも述べますが、博士課程を修了するために大卒の方より数年遅く就職するので、お給料のもらい始めはかなり遅くなります。


仕事のスタイルですが、大学教員は裁量労働制なので、義務とされる講義や会議などの仕事をこなせば良いです。

なので、時間の調整は各先生方にお任せ、ということで時間の縛りは他の業種と比べても格段に緩いということになります。

裏を返すと、結果さえ出していれば他の時間は寝る時間を削って研究してもいいし、何もしなくてもいいということになります。


就業規則上は会社とは違う気がするのですが、大学教員も超忙しい人と超ヒマな人が共存しており、会社で聞く話と同じなのは興味深いところです。

もはやそれは自然の法則(働きアリの法則?)なのかもしれません(笑)



大学教員は何歳でなれる?

大学教員の給料についてですが、まず何歳で大学教員として就職できるかが重要ですよね。

一般的には、早い人で26〜28歳です。

分野にもよりますが、生命科学系の研究をしている学部(農学部、理学部、工学部等)であれば学部4年+修士課程2年+博士課程3年(早ければ2年)=26〜27歳で就職できます。

医歯薬獣医学科ではコースにもよりますが、学部6年+博士課程4年(早ければ3年)=27〜28歳で就職できます。


次にどういう職位があるのか、上から順に書いてみます。

教授:大学の運営にも関わることが多いです。研究では自分で手を動かすことがあまりないかもしれません。平均すると大企業の課長、中小企業の部長並みの給与。この後の頑張り具合は人によりますね。教授の中で選ばれし人が学部長などの教授をまとめる人になり手当ても増えるが、ストレスはヤバイらしいです。

准教授:教授に準ずる職位。このあたりから研究に割ける時間が減ります。自分の研究室(ゼミ)を持てる場合は、個人商店の店長っぽいポジションとも言えるかもしれません。教授の下で働く場合は不満も多いが、給与は平均以上のサラリーマンってところでしょうか。

講師(飛ばす場合アリ):一般的には講師から上が任期無くなります(パーマネント)。

助教:任期無し、任期有りがあります。まだ割と研究ができます。教授になるまでにほとんどの人が通る道。奴隷度合いが少し抜けてきた頃。少し先が見えてくるので、ここら辺で家庭を持つ人が多いように思います。

特任助教:最近増えてきたポスドクと助教の間くらいのポジション。任期有り。一応、ここから上が大学教員としてみなされます。上級の奴隷。

ポスドクここから社会人!研究員であり、教員ではありません。プロジェクトであったり、日本学術振興会(JSPS)に雇われたりします。人によっては奴隷並み。

博士課程学生ここまでが学生!(会社からの出向などを除く)人によっては奴隷以下。優秀な人は、日本学術振興会(JSPS)から月額 200,000 円 ×  12 ヶ月  = 2,400,000 円のお給料をもらっています(DC1,2)。

修士課程学生:奴隷を見る機会が増えます。ここから上に行くか、就職するか、天国か地獄かの分かれ道。

学部生:平和な時代。多くの場合、客人扱いされます。



続いて、就職後のキャリアの積み方は人それぞれなので、よく見るパターンを書いてみます。

・博士課程修了→助教→准教授→教授

・博士課程修了→ポスドク→助教→准教授→教授

・博士課程修了→ポスドク→ポスドク→特任助教→助教→講師→准教授→教授


パターンありすぎてわからんわ!!!!(怒)


と言われそうですね・・・。


ポイントは、

・若いうちはポスドク・特任助教・助教あたりを何年、何回繰り返すか

・その後教授になるまでは准教授、講師、助教から上がれるか

と思います。



詳細は次の項目で書きます。


ポスドク(博士研究員)と大学教員

博士課程修了後すぐに准教授になられる方は珍しく、助教になるのが一般的なルートになるかと思います。

しかしながら昨今は、助教になるのもなかなか難しく、普通はポスドクを経由して大学教員になっていきます。

延長せずに博士課程(3〜4年)を修了することでさえ立派と言われる場合もあります。


この手の話でよく混乱するのが、博士研究員(ポスドク)と呼ばれるポジションです。

博士課程の後にポスドクとして就職する場合は教員ではありません。

研究をメインとした職務であり、ざっくり言えば以下のように職務が異なります。

・教員:教育+研究+大学運営業務

・ポスドク:研究(大型予算のプロジェクト等)


ポスドクの給与は一定ではありません。

国の予算で行われる研究プロジェクトや企業の受託研究など様々な予算がありますのでブレ幅が大きいです。

月20万の人もいれば月40万くらいもらっている人もいます。

公表されていて参考になるのは日本学術振興会(JSPS)で雇われるポスドクです。

いわゆる、学振PD、SPDと呼ばれる人たちです。


学振PDの場合、月額 362,000 円 ×  12 ヶ月  = 4,344,000 円

その中でも特に優秀な選ばれし者であるSPDになると、月額 446,000 円 ×  12 ヶ月  = 5,352,000 円

となります。


給料に加えて研究費が付くのですが、ここでは割愛します。

上で述べたように、博士課程修了後すぐに大学教員になれる人もいますが、ポスドクとして数年(人によっては10年近く)ポスドクとして研鑽する人もいます。

ポスドクというのはプロジェクトで雇われる研究員ですので、不安定です。

成果が出なければクビになることもあります。

ポスドクのうちに良い研究成果を出して、大学教員のポストになれるよう必死に研究をして成果を出そうと頑張っている人が多いです。


一般的に博士課程を卒業した後すぐに教員になる場合、助教または特任助教と呼ばれるポジションが多いです。

はじめに書いたように年齢は最速で20代後半ですが、任期付か任期無しかで状況は大きく変わります。

助教というのは昔でいう助手です。現在も助手はありますが、数も少ないですし、位置づけとしても異なりますのでここでは割愛します。


助教を振り分けると以下のようになります。

a. 助教(任期無し=パーマネント):任期のない助教です。基本的には定年までいれます。現在このポジションは少なくなっています。

b. 助教(任期有り、更新可):助教のよくあるポジションです。3年〜5年ごとに更新のため業績審査があり、パスすれば更新されます。多くの場合、上限約10年で任期のないポジションにつけないと出ていかなければなりません。

c. 特任助教:最近増えているポジションです。大型の研究費やプロジェクトで雇われるポジションで、プロジェクトと運命を共にしていることが多いです。立ち位置としては後で述べるポスドクと任期有り助教の間くらいの位置づけだと思います。


今では助教のみならず、講師や准教授でも特任(任期)がついているポジションがあります。

特任教授というポジションもありますが、定年後の教授で大変優秀な先生がなられたり、外からスカウトしてきた方が主な対象になります。


最近は本当に複雑化していてわかりにくいです。



全然ざっくりな説明じゃなくなってしまいましたね!ごめんなさい!!

最後まで読んでくださってありがとうございます!

なお、給与の推定は下記の記事で記載していますので参考にしてみてください。

恋愛事情は下記(3)の記事で書いていますのでご覧になってみてください。


本稿が皆さんの未来を考える一助になれば幸いです。

それでは。

Merci.


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