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夢のブエノスアイレス

2019年1月に私はブエノスアイレスへ旅をした。
そして、あの旅からタンゴや他のダンスに対する考えが変わった気がする。

タンゴを踊ってるからいつか漠然とブエノスアイレスでミロンガに行ってみたいという思いはあった。でもアルゼンチンは日本からとても遠く飛行機を乗り継いで24時間以上かかるから、すぐには行けないと思っていた。

それが、会社勤続10年のリフレッシュ休暇で正月休みを合わせると2週間半の休みが取れることになった。以前から友人にも誘われていたので、この際思い切って初中南米に挑戦してみることにした。アルゼンチンにいきなり行くのは大変なのでメキシコ経由で行くことにし、アメリカに住んでいたときのは友達と再会することにした。

メキシコシティからさらに10時間。着いたら東京のアルゼンチン人の友達が出迎えてくれた。
ブエノスアイレスはタンゴの街だ。至る所でミロンガが開かれ、踊らずライブの音楽を楽しむ人もたくさんいる。そして入場料も無料だったり500円くらいだったりと手軽だ。公園でもストリートでも日銭を稼ぐダンサーだけではなく、お年寄りから若者まで、そして世界中から集まるタンゴダンサーが踊っている。基本的にアジア系の人達は観光だけしているとまったく出会わないのだが、ミロンガにいるとアジア人がいっぱいいるのは、やはりタンゴを踊るためにブエノスアイレスに来ている人が多いからだ。

そしてアブラッソの仕方が人によって全然違うことに驚いた。日本でももちろん違うのだが、ある程度傾向は似通っている。100人いたら100通りのアブラッソがあることにこの時初めて気づいた。教える先生にもよっても違うのだろうし。きっとアブラッソも自分で一番居心地のいいものを創り出していくのだろう。こんなに頻繁にあちこちで踊って居られたら、それを見けることがもっと簡単なように感じた。

日本にいるとタンゴは少数のお金持ちの趣味のように見える。ミロンガでは着飾り、現実から少し離れた世界のようにも見える。多くの人がダンスを楽しむより上手になること、上手な人と踊ることを目的にしている。

でもブエノスアイレスのタンゴは生活の一部だ。ドレスやシューズがなくても公園で気軽に楽しめるアクティビティの一つに見える。もちろん有名なミロンガに行くと上手な男性は上手な女性を選んでいるし、下手ならあまり踊ってもらえないこともある。でもその層の厚さには驚いた。

ペアダンスはコミュニケーションだ。ダンスを通してコミュニケーションが取れること、そして一番大切なのは心から楽しむことなのだと改めて感じた。

遠いのできっと一度しか行けないと思っていたけれど、またいつか踊りに戻りたい。

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