見出し画像

クラフトビール市場5%を本気で目指すために必要だと思うこと

いつもいつもどうやったらクラフトビールって広がるのかな〜とまだ工場もないのに考えているのですが、ちょっと1つ見えたので共有します。新しい価値を提供しつつ、クラフトビール全体が盛り上がるような工場。

ところで、先日、カメラマンの幡野さんのこのnoteがすごく突き刺さり、僕もウルサイを作って10年、本当に時間がかかるなと思う次第です。。なので、きっとずっと考えている人には遠く及ばないかもなのですが、一案ということで。

■キリンビールサロンでのビール作り体験

先週の土曜日、参加している「キリンビールサロン」の第4回目「えっ?!自分たちだけのビールをつくる?ビールづくりを体験!」でビールを作ってきました。

画像1

今、大森山王ビールは静岡の「日本ビール醸造」さんにお願いしているので、毎回仕込むたびに行くものの、基本作業はお願いしてます。
しかし元々は同じ大田区にある「羽田麦酒」さんで自らファントムブリュワーとして、試行錯誤を重ねて、今があります。
(ちなみに先日新ビール、久しぶりに仕込みましたよ!その話はまた追って・・)

画像2

で、毎回掃除が大変で1日かかりの大作業なんだけど、やっぱりビール仕込みって面白くて、最初に麦を入れて麦汁を作るところから、最終的に酵母を入れるところまで、毎回ドキがムラムラしながらやってるですが、サロンということで、ちゃんとしたスタッフさんがついてくれるので、

1)気になったことをプロにすぐに質問できる
2)一人でなく皆で作る

というのがすごく良い体験で、あっという間の時間でした。で、ビール作り最中に、今回6つのスタイルのビール作りを班ごとにやっていたんだけど、
講師の方が「自分の班のものが一番美味しかったと思う人?」と聞くと、皆やはり手が上がるんですよね。

画像4

■ここで一休憩

画像3

この2つの麦、どちらかが六条大麦で、どちらかが二条大麦です。どちらがビール作りに使われているものでしょうか??
(答えは最後に!)

■クラフトビールってなんだろうか?

今でもそうで、クラフトビールって、色々な定義があるけど、僕は結局のところ、自分が主権ってことが楽しいし、コミュニティとかにも当てはまるんじゃないかと思った。提供される価値にだけでは楽しめないんじゃない?っていうことです。

すなわち、自分で作ったビールは客観的なうまさを唯一凌駕できる主観的なうまさじゃないかと思うわけです。

で、ここからが提言で、先日こんなニュースがあって、最近よくこの話を聞くので、本気で5%くらいの量を目指していると思うんだけど、そもそも5%ってどれくらい?と言うのを紐解いてみました。

キリンビールのすごいなと思うところに、自社だけでなく、もっとビール業界全体を俯瞰した視点を持ってるところにいつも脱帽なんだけど、キリンビールは毎年の世界のビール消費量/生産量というデータを出していて、2018年の数値も発表されています。

■日本のビール生産量(2018)

リリースはこちらです。2018年の世界のビール生産量が約1億9,110万kl。
日本はランキングで言うと、世界7位で約510万klです(発泡酒などのビールも含む)。ちなみに東京ドーム約4杯分です。よほどの野球マニアじゃないとどれくらいの量かわからないですね。

年間で330ml換算で、約160億万本。1日あたり約4千万本が生産されていることになります。もしこの量のビールを一人で、毎日1本ずつ飲んだとすると、約4千万年かかります、、意味がわかりません。

で、戻って、クラフトビールの目指す市場が5%と考えると、1日の生産量が約2,000,000本(約4千万本の5%)。日本の成人人口が約1億人(総務省統計局:令和2年1月報)なので、つまり、5人に1人が1日1本クラフトビールを飲める分だけ生産できたらその数値になるってことですね。

きっとクラフトビール工場は今後も増えていく、となるとこの数字は今後もきっと増えていく。だけど、作る人が増えても、飲む人が増えないと市場としては伸びない。記事にあるように、タップマルシェが増えたり、ブルックリンの旗艦店のような店が増えれば、いつかは届くのでは?ということも全くその通りで、もっとまちにクラフトビールが溢れれば飲み手がきっと増えるのはわかる。

でもそれに伴い、昔の地ビールのように乱立して、価値が下がっていく可能性もきっとある。

■誰もが喜ぶ違うアプローチ

他にやり方がないのか?それが今回のビールサロンでの体験です。

今回のビール作り体験で作った量は15L。
(5人で作ったとすると、3L=すなわち1人330ml瓶で10本分くらいの量です。)

画像5

で、もし、30Lにしたとしたら、1日6組として、1日180L=540本(330ml換算)ができたことになる。で、このやり方だと、いろんな地域にあれば、それだけ、自分のまちでビールが作れる。例えば、各都道府県に

・3箇所ずつあったら
540 x 3 x 47= 76,140本(クラフトビール目標値全体の3%)
・10箇所ずつあったら
540 x 10 x 47 =  253,800本(クラフトビール目標値全体の12%)

そもそも、1日25万本も製造できたら相当すごいですよね。
流石にこの仕組みだけで5%を担えるわけではないとしても、全体の底上げに貢献できる。

で、例えば参加費が5000円だとしたで全国に3箇所ずつあったら、
5000 x 30(1回あたりの人数) x 240(営業日数)x 141(拠点)
=年商50億。少しは前澤さんもびっくりするんではないでしょうか?

■前提を踏まえて本当に提供したい価値

とまあ、こんな簡単に行かないことはわかってるんだけど、何より自分で作ったビールっておいしいっていう体験をし、一度自分で作ることで、どれだけ今発売されている他のブランドやお店のクラフトビールがすごいのかもわかるし、興味をもつ。そうなると、外で飲んだり、少し高いお金を払っても飲んでみようとなったりするのではないだろうか。

そもそもビールってビール会社の弛みない努力で200円前後で買えてたものをその3倍とかの値段にするってすごく難しいけど、自分で1本500円とかで作れるならやってみたいと思うし、何より「作る→飲む」の2段階あると、仲間とかともワイワイできるじゃないですか。

ディズニーランド行くよりも、ビール作らない?という体験が作れたらそれすごい楽しいし、繋がりできるし、シェアも広がるし、最高なんじゃないかという話です。

しかも、この体験が面白いのが新しいビール工場を作るんではなく、よく区とかにある料理教室会場でできる。行政がやれば、税収も増えるし、料理教室なんかも併設したら、きっとゴクッと旨味とコクのあるビールのような体験ができる。

そして、これまで大手の会社が培ってきた多くの技術をこの体験に還元できたら、その会社のファンになる人も増えるし、売上以上の文化的・社会的リターンが待ってる。

と言うのも踏まえると、やっぱり今作る工場は、まちの人やお店の人たちが自由に作れるビール工場なんじゃないかなと思うわけで、しかもこの体験教室の鍋スタイルだと、作ってる感がすごく出るし、工場建設のハードルが下がる。

ということで、ちょっと体験の感想を書きたかったんだけど、気付いたらクラフトビール全体の話になってしまったけど、そういう意味でも非常に良い体験でした。

次回で最終回ですが、どんな味に仕上がっているかとても楽しみです!

■クイズの答え

正解は二条大麦(右側)ですね。よくビールに関してこういうイラストがありますよね。これみるとわかるかと思います!

画像6


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?