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ARを作る前にデザイナーが知っておきたい用語 その1

最近スマートフォンだけでなく、Apple Vision ProやMeta Quest、XREALなどさまざまなグラス&ゴーグル型のデバイスが出てきたことにより、ARがより身近なものになってきたと感じます。
普段モバイルアプリのUIデザインをしている方も、ARの話は耳に入ってくるのではないでしょうか?
実際デザインをしてみると、ARならではの横文字がたくさんでてきて面食らうところもあります。
ということで、今回はARをデザインするときに知っておくと便利な言葉を紹介します。


トリガー(Trigger)

箱に近づいたらパッと出てくる

ARは何かしらの合図をきっかけにして始めます
例えば、「タップをしたら始める」「マーカーを読み込んだら始める」「物に近づいたら始める」などです。
これらの「タップ」や「マーカー」、「物に近づく」という合図を「トリガー」と呼びます。
ARをどのトリガーで始めるのか、デザインするときにも考えておく必要があります。


マーカー(Marker)

マーカになれるものはいろいろ

「マーカー」は、現実とデジタルを重ねるときに、しっかりと位置を合わせるために使う目印です。
マーカーをデバイスで読み込む(カメラを使ってスキャンする)ことによって、デバイスの位置が決まり、その情報をもとにしてARを表示させます。
マーカーになるものはさまざまで、例えば二次元(QR)コードや写真、イラストといった画像が利用できます。
使うデバイスによってマーカーにできるものは異なります。また、マーカーは事前にデバイスに登録しておく必要があるため、特定のマーカーにだけARが表示されるということになります。
アプリの内容によっても適したマーカーは変わってくるので、その辺りもデザイナーが考える必要があります。


マーカーレス(Markerless)

平面を認識してARを表示する…など

「マーカーレス」とは、特定の画像を認識させることなくARを表示することです。
カメラやレーダーで空間や特徴的な立体物を認識し、その情報をもとにARを表示させます。また、GPSやビーコンなどからの位置情報を利用することもあります。


ロケーションベース(Location-based AR)

決められた場所にいるとARが始まる

「ロケーションベース」とは、その場所にいないと体験できないARを指します。
GPSやデバイスの加速度センサーなどから得た情報やカメラで読み込んだ空間の情報をもとに、事前に設定した場所に対してARを表示します。
現地で体験することを目的としたARに適したもので、観光や展示会といった場面で有効です。


オクルージョン(Occlusion)

現実と関わることでARの本領が発揮される

「オクルージョン」は、現実空間にある物体がARのバーチャルな表示物を隠すように表現することを指します。
例えば、自分の手をかざすとARが隠れたり、現実のビルの上に怪獣が顔を覗かせたりすることができます。
より現実と仮想が混ざった感覚が得られ、積極的に利用していきたい表現ですが、デバイスや実装方法によってできないこともあるので、デザインする前に条件を把握しておきたいです。


イマーシブ(Immersive)

現実だけど現実じゃない世界に入り込める

「イマーシブ」は、「没入感」という意味の言葉ですが、Apple Vision Proの登場により、より頻繁に目にするようになりました。没入感があるコンテンツというとVRの方が得意ではありますが、ARも視野角が広がったり、パススルー(カメラ映像越し)のARができるようになって、ARにも没入感が得られる表現が可能になりました。見た目だけでなく音も活用しながら、「まるで別世界にいる」ような体験を作っていきたいですね。


トラッキング(Tracking)

ARが特定のオブジェクトについてくる

「トラッキング」は、「追尾する」という意味ですが、ARの世界では認識したオブジェクトを追跡することを指します。認識するオブジェクトはさまざまで、特に手や顔は頻繁に利用します。「フェイストラッキング」や「ハンドトラッキング」と呼ばれるものです。
カメラで認識させる必要はなく、デバイスに備わっている位置情報を使って追跡することもあります(頭の場合はヘッドトラッキングですね)
UIを常に目の前についてくるようにさせるか、させないか。デザインする時はそういったことも考える必要があります。


ビルボード(Billboard)

どう動いてもUIが見やすい状態に向いてくれる

「ビルボード」は、UIを常に顔(カメラ)の方に向き続けることを指します。左右の横だけ向きを変えるようにしたり、上下の縦だけにしたり、向く方向を固定することもできます。


終わりに

ARのデザインをするときによく耳にする言葉について紹介しました。
プログラマと会話する時にも使えるので、ぜひ覚えていきましょう。

参考になったよ!という方はぜひ、「スキ」&「フォロー」をお願いします。

今後もUIデザイナー向けUnity使い方やUXUIデザインで気づいたことなど、XR関連の記事を書いていきます。

では、また次回!

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