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ボクっ娘のなれの果て、還暦を迎える。  001:還暦カウントダウン開始。

小説家の魚住陽向(うおずみ・ひなた)です。
今年は世の中的にも個人的にもいろいろありすぎた年。

世の中としてはアレである。アレが広がって、我々が自粛させられ、アレとアソコが好景気から一気にゼロどころかマイナスまで落ち込んだ。あんなにお金をつぎ込んで準備していたアレが延期された。お互いを信用できなくり、ココとソコが地方分断となった。アノヒトが体調を理由に辞めることになった。暑さとマスクと熱中症と、新たに台風。そんな2020年9月。ざっくり言うとまだコロナ禍である(ざっくりしすぎw)

個人的には、小説関連の活動の先行きも希望が薄くなってきて、3年前ぐらいから甲状腺疾患の症状(倦怠感や疲労感がハンパない)が現れ持病(完治はしない)持ちとなった。
それでも何とかやる気出して、初めてオンデマンド印刷で自分の小説を自費出版してみようと動き出した矢先……2020年1月、父が亡くなった

初の小説本をお披露目しようと申し込んでいた春のイベント「文学フリマ」と「コミティア」も中止になり、どんどん「うつ」リターンを誘うような条件が整ってくるのが肌でわかるワケだよ。
体調も良くない。フリーのお仕事はどうなるかわからないし、蓄えも大してない。外も出られないし、身動きが取れない。将来がヤバイ。かなりヤバイ……。焦る、焦る、焦る。
あっという間に記憶に残らない春が過ぎ去って、急にハッと気がついた。

あ……来年の誕生日が来たら60歳……還暦じゃん。

今年、2020年の誕生日で59歳、還暦リーチである。
一人暮らし、独身女性。結婚には興味がない。一人でこもるのもお散歩も好きだ。でも、ふと考える。出版業界の片隅で編集者の仕事をするようになって約40年。自分は何をしてきたんだろう。何かを残せるんだろうか。無駄な人生かもしれない。

テレビのニュース番組や経済番組などに登場する社長や部長、お偉い地位のおっさんたち。名前のケツにカッコでくくられて出る数字を見て、最近びっくらこくことが本当に多くなった。

年下!? こんなおっさんが年下!?

元々、実年齢よりも若く見られる傾向があった。自分で分析してみたが、絶対に童顔ではないことはわかっている。
・体型が痩せ型(最近、中年太り気味)。羨ましがられるが、平たく言えば貫禄がない、威厳が出ないのである。
・結婚、または誰かと同居していないので、生活疲れが顔に出ないのかも。
・「新しいこと」をすることによって脳が刺激されて、雰囲気も若くなる傾向があるらしい。フリーランスなので、否が応でも常に「新しいこと」をしている。
 そして、一番印象を若くしていることはコレ!
・普段のしゃべり方がバカっぽい。着てる服が安い!

結局、若く見られる=ナメられるということなのだよ。
ナメられようが貫禄あろうがなかろうが、還暦はやって来る。
そして、人生もう後がない。
終活を始めようとか云々言う前に、もっとジタバタしておこう。
書き綴ったものを誰かに読んでほしい。
そう思ってこのエッセイ連載を始めようと考えた。

多分、そんなにフォロワーや読者は劇的に増えたりしないのはわかっている。でも、コツコツと続けることが大事なんだ、きっと。と、言い聞かせて、エッセイを書くことにした。

「君の人生はおもしろくない」

これは20年ほど前に、何度か仕事をしたことがあるK文社の編集者から言われた言葉だ。

フリーランスとして企画を持ち込む際に企画書とともに「エッセイを書かせてもらえないか」とプレゼンした。「前例や実績が大切」な大手出版社に対し、「こういうことがおもしろおかしく書ける」「結構、波乱に満ちた人生w」という特性とともに「誰にでも初めてはある。有名なエッセイストのあの人やあの人にも初めてはあったハズ。私にも初めてのチャンスをもらえないか」と言ったら、これを吐き捨てるように言われた。

それから元々なかった自信がどんどんしぼんでゼロどころかマイナスまでいってしまったのである。
「誰も私の個人的な出来事なんて知りたくないだろう」
「誰が無名な私の文章を読みたいと思うだろうか」

これが小説となると、おかしな題材で、変な物語を書くので、「誰もマネできないだろう」という自信になる。新潮エンターテインメント大賞でも最終選考まで2回残ったことがあるのも「小説の自信」につながってる。お仕事としてのライターの文章には「(実は本当の意味での)プライベートな自分」は登場しないし、客観性というフィルターを通しているので全然平気なのだ。

だからね、トラウマを振り切って、腹に一発気合いを入れてエッセイを書いていこうと思っている! オチがあればグチでもいいじゃん。
連載エッセイのタイトルは「ボクっ娘のなれの果て、還暦を迎える。」に決めた。

フリー編集者の魚住陽向は、どうして小説を書こうと思ったのか。昭和の時代から平成、令和とどうやって生きてきたのか。懐かしの昭和な話あれこれ。好きなものの話。あなたが経験したことのない時代と生活。クリエイター、アーティストの本当のところ。ギャラ未払いの話。騙された話。お笑いジャンル専門の編集者・ライターとして活動していた話。漫画雑誌の編集者だった頃のこと。マンガ家の友人たちのこと。あれは中二病だったのかという話。将来に悩んでる人のために参考にしてほしい話。子どもの頃の話。上京した話。どれから書くのかは気分とタイミング次第です。

一つ言っておきたいのは、これは「業界の暴露話じゃない」ってこと。嫌な過去の出来事が書いてあったとしてもそれは真実。しかし、読後感には気をつけたいもんです。そして画像は自分で撮影した写真から内容に合わせて選択します。たまに「みんなのフォトギャラリー」からお借りするかも。YouTubeからは好きな音楽も。

BGM by andymori「クラブナイト」(アルバム「光」収録)

最後に、カウントダウンエッセイなので、あの話題のマンガになぞらえてマイナス表記を……。
それでは、次回は「002:つらいぜ!ボクちゃん」です。
また読みに来てください。

―365日:還暦カウント

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