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ディア・エヴァン・ハンセンはいいぞ【ネタバレ有り】

ディア・エヴァン・ハンセンが好きだ。
YouTubeでWaving Through a Windowを聞いて、海外の舞台か〜、見る方法がないんだよな〜と思ってたら映画化してくれたので、映画館で観たらびっくりした。観てよかった。

【核心にかかわるネタバレを含んだ話あり】

この映画、何がいいかっていうと、映画を「へぇ〜」っ見てて、暗い主人公ね、ヒロイン大変だな、って見てて、「そりゃそうなるよなぁ」みたいなことになって、主人公が死のうとしたことが分かって。「は?」ってなって。
多分この話、「は?」ってなるための話なんだなと思った。
お前そんなそぶりなかったやん〜。みたいな。好きな女の子がいて。木の思い出を楽しそうに語って。
「木から落ちた後、2時間だれも来なかった」
って話にみんな骨折したぐらいで、笑いながら答えて。
エヴァンは共感できる自分のアバターとしての主人公というより、急に突然死んだ誰かなのかも、とぼんやり思う。

コナー自体やコナーの残された家族のそれぞれの心境もエンタメというよりも異様に解像度が高くてすごい。ゾーイちゃんのレクイエムの曲や、母に分られなくてキレるとか、その一方で兄が褒めてたという(嘘の)話に喜ぶ姿も真実なんですよ。エグ〜。

コナーは暴力的だけど、彼自身が彼自身の内側のものすごい辛い暴力や衝動や辛いなにかに耐えられなかったんだろうと思う。

ゾーイがその兄が死んで「兄が死んじゃって悲しいなんて言えない」みたいな曲あってすごい。
道徳の教科書には書いてない。

悪人が悪人役とさだめられているなら、こんなひどいことをする話はあるとは思うけど、みんなそこまで完全に悪人でもなく完全に善人でもない。
わー人生だな。

でも道徳の教科書に人を憎んでていいなんて書いてなかったから、映画で見て、こう言う人間がいることもおかしくないって言ってもらえた気がして嬉しかった。

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