バス運転手のタッピー

好奇心旺盛な性格。

バス運転手のタッピー

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Swag

ある日曜日の朝、僕と妻と息子の3人は水族館に行く支度をしていた。 家族3人、水入らずの時間。 傍から見れば、絵にかいたような幸せな家族。 そう、ある一点を除いては。 僕の寿命があと5年であることを除いては。 時は西暦2120年。22世紀の日本。 現代の身分証明書には、生年月日や性別の他、ある数字が刻まれている。 それは「寿命」 いまから70年ほど前の2050年に、人類はある遺伝子を分析することで自らの寿命を把握することに成功した。 その遺伝子情報から得られた

    • 凪の夜

      今日は1月1日 元旦 いつものように道路を走っても、街中はいつもと違う景色が広がっている。 乗ってくるお客さんは、初詣などで神社に出かける人々くらい。 出勤する会社員や、買い物にいくお母さん、おばあちゃんの姿、部活動に励む学生、いつも乗ってくれるお客さんたちの姿は、そこにはない。 公園でいつも遊んでいる子供たちの姿もない。 みんな自宅で思い思いの日を過ごしているのだろう。 お正月なんて、くだらない風習だなんて、少し前に考えていたこともある。 365日の中の、いつ

      • 男女の脳とからだの違いを理解する

        バスの運転士は、ほとんどが男性である。 全国のバス運転士に対する女性の割合は1%程度にすぎないと言われている。 タッピーの会社だけでなく、同業他社の運転士を見ても、女性の運転士は本当にすくない。増える気配もない。一体どういうことなのか。男女平等、ジェンダーレスの時代ではないのか。なぜ、女性のバス運転士が増えないのか。 その理由をタッピーなりに考えてみた。 理由1 お肌によくない 運転士は言うまでもなく、外にでなければ仕事ができない。バスのフロントガラスは大きく「紫外

        • 夕日の色に想うこと

          その日は、会社でイベントを開催した帰りだった。 イベントは成功したが、一日中動きっぱなし。タッピーは心も体も疲れ切っていた。 いつもは車でお気に入りの音楽を聞きながら帰徒につくのだが、今日は音楽を聞いていても心地よくない。ラジオをつけても、雑音にしか聞こえない。 パワーを使い切り、静かな場所でボーっとしていたい。 そんな気分だった。 そんな帰り道、坂を上りきると、突如目の前に夕日が見えた。 それは、オレンジ色でもない、赤でもない、夕日の色としか言いようのない色だっ

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          「ポルックス」と「カストル」

          私は黒いネクタイと黒いスーツに身をまとい、そこに立っていた。 今日は特別な日であった。それは私の妻の葬儀であった。50年以上も連れ添った妻との別れは、ひどく苦しいものであろうと、あなた方は思われるかもしれない。 しかし、普段はあまり着用しないブラックスーツに身をまとい、淡々と事を進めることに、何の苦痛も感じなかった。 結局、葬儀の最後まで、私の目から涙が出てくることはなかった。 私は若いころから、人との深い接触を極力避けてきた。 何事も競争であり、勝たなければ意味が

          「ポルックス」と「カストル」

          スマートな○○

          日頃忙しく働くママ・パパ達にとって、買い物は時間・労力がかかる仕事の一つだ。 近くのスーパーに買い物に行くのも億劫だったある日曜日。小学生になる娘に買い物を頼んだ。 買ってきてほしい品物を紙に書きだして、車に気を付けるよう伝え、家を送り出した。冷たい風が吹く中、大人からみれば不思議なぐらい薄着で娘は出かけて行った。子どもは風の子だと思った。 暫くして娘が買い物から帰宅して、書き出した品物を忘れずに買ってきてくれた。その品物の一つに「バナナ」があった。しかし、タッピーは娘

          そこにある素敵なプレゼント

          12月に入ると、街はクリスマスのイルミネーションで彩られる。 夜になると赤、青、緑、オレンジなど色とりどりのLEDライトが煌びやかに輝く。 オレンジや白の車のライト、赤いブレーキランプとイルミネーションの光が調和し、冬の夜の街は、より一層眩しさを増す。 あるバス停から、お母さんと3歳ぐらいの小さな男の子が乗ってきた。 目がくりくりしたかわいらしい顔の男の子。外の寒さでほっぺたがほんのり桃色に色づいていた。お母さんの買い物袋からはチキンの香りがした。今日の晩御飯だろうか

          そこにある素敵なプレゼント

          大好きなnoteについて調べてみた

          タッピーがnoteで記事を投稿して3か月が経過しました。 いつも、皆さんの記事を楽しく読ませて頂いています。 ありがとうございます。 タッピーのnoteの状況としては、表紙画像に掲載した通りです。 noteは文章を書きやすいと感じませんか。 個人的には広告が表示されないことが、とても気に入っています。 白地のキャンパスに表示されるのは、自分が書いた文字のみで、煩わしい広告が目に入ることはありません。そのため書くことに集中できるのだと思います。 広告がないnoteの主な

          大好きなnoteについて調べてみた

          無意識くんが呼んでいる

          バスに乗車したお客さんは、目的地に着くまで一体何をしている事が多いのだろうか。 実は、バスの車内では目を閉じている(寝ている)人が圧倒的に多い。バスの揺れが相まって、眠気が襲ってくるのかもしれない。 タッピーのおすすめは、何もせずにぼーっとすること。意識的に何も考えない時間を作り、もう一人の自分である「無意識くん」に自分の脳を開放してあげるのだ。 頭の中で「無意識くん」が勝手に働いてくれて、頭を整理してくれる。そうすることで、閃きや、悩んでいた事の解決の糸口がつかめたり

          無意識くんが呼んでいる

          その気はなくても・・・

          ゆっくりとした足取りでバスに乗り降りする、おじいちゃん、おばあちゃん。ここで、無理にせかすことは逆効果。むしろ転倒を招く元になりかねない。 例えば、バスに乗車したおばあちゃんが席に座るのを待っている時、タッピーがドアを閉めたら、おばあちゃんはどのように感じるだろう。 もしかしたら、「運転士は早く出発したいのだから、ドアをしめたのだ。私も早く席に座らなければ。」と考えて、急いで座ろうとするかもしれない。 タッピーにその気がなくても、お客さんがどのように受け取るのか、コミュ

          その気はなくても・・・

          タッピーのDIY【ストックルームの棚編】

          タッピーは久しぶりに連休をとることができた。 さて、我が家には1.5畳ほどの大きさの倉庫部屋がある。通称ストックルーム。モノを適当にしまっていたので、常にストックルームはぐちゃぐちゃになっていた。 そこで、タッピーは一念発起! ストックルームを整理するためにDIYすることを決意した。 材料は以下の通り。 ディアウォール 2×4の柱 棚板 ニス 棚を一から作ってもよかったけど、時間がかかる。そこで、今回は室内に穴を空けずに柱を作れるアイテムを利用することに。木材

          タッピーのDIY【ストックルームの棚編】

          ペットも家族の一員

          以前、娘にペットを飼いたいと言われたことがあった。 奥さんがアレルギーなのでペットを飼うことはできないと言ったら、がっかりしていた。その後、娘はサンタさんから犬型のペットロボットをプレゼントされて喜んでいた。ペットに名前を付けたり、段ボールで寝床を作ったりして、かわいがっていた。 ◆◇◆◇ 先日、バスに男の子とお母さんが乗車してきた。その後、バスを走らせていると車内からかすかに「にゃーん」という音がする。「ん?ネコの声?スマホの着信音?」と思って気にしていなかったが、ま

          ペットも家族の一員

          もたない幸せ

          いきなりだが、今日、タッピーは会社にスマホを持っていくのを忘れた。そのことに気が付いたとき「うーん。困ったな」と思った。特段急用もなかったし、だれかと連絡する予定もなかったから、一体何に困ったのか分からないが、なぜかそんな気分になった。 タッピーは休憩中にスマホをいじることが多いのだが、今日は休憩中の相棒がいないのだ。これは一大事である。一体、休憩中に何をして過ごせばいいのか。きっと路頭に迷うに違いない。そんな予感がしたのだ。 しかし、一日スマホが近くにない状態で過ごして

          この道の先に続く未来

          この道の先に続く未来

          タッピーのアトリエへようこそ!!

          タッピーは子供に絵を描いてほしいと頼まれて、フリクションボールペンと色鉛筆を使い絵を書いている。 今日はその作品の一部を紹介。 ∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴∵‥∴ 作品1 道路標識 思いのほか、息子には好評だった。特に背景の雲が上手と言われたw ∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴∵‥∴ 作品2 エスカレーター ガラスに反射している部分がうまいと言われた。 ∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥

          タッピーのアトリエへようこそ!!

          美しい年輪

          秋も深まり、木々の葉はオレンジや黄色に染まり、冬が間近に近づいてきていることを感じずにはいられない。いつも同じ場所を運転しているはずなのに、タッピーはまるで別の世界に来たかのように錯覚を覚える。はらはらと落ちてくる色とりどりの落ち葉を車体にかすめながら、バスは目的地を向かう。 団地が連なるバス停につくと、老夫婦が待っていた。おそらく 傘寿を迎えているであろう夫婦は、二人とも帽子をかぶっていた。杖を片手に持っていた奥さんが、先にゆっくりとした動作でバスに乗り込む。旦那さんが、