【感想】サザンオールスターズ ほぼほぼ年越しライブ 2020感想~なぜ00年代以前の曲が多くても、楽しいライブになったのか~_非実在女子大生、空清水紗織の感想Vol.0005

私にとって初めてのオンラインライブであり、どれだけ楽しめるか未知数だったが、ふたを開けてみれば(自分の中では)物凄い盛り上がりで、気持ちよく年を越すことができた。

お客さんの歓声(もちろん本物ではなくSEだが)があるだけで、こんなにもワクワクするのかと、ちょっとびっくりした。
凄いな、文明の利器。
サザンお決まりのコント(今回はドリフがモチーフ)も、冒頭と終盤にきっちり組み込まれており、まさに『サザンファンが求めていたライブ』という印象だ。

セトリは色んな人が載せているので、ここでは書かないが、序盤の80~90年代選曲は圧巻だった。
「こんなの新規はついてこられない」というコメントやつぶやきも散見されたが、おそらくサザン側からしたら想定の範囲内であり、目的があったうえでの選曲だったのだと思う。

わざわざ私が言うことではないのは百も承知だが、サザンというバンドは本当にお客さんを大事にするバンドだ。
そのサザンが「自分たちがやりたい曲をやるぜ、若い子が置いてかれても知らないぜ」という考えでライブをやっていたとは到底思えない。
では、どのような意図でこのような選曲になったのか。
完全な推測でしかないが、以下の2点が大きいのではないだろうか。
①50代~60代のお客さんが多かった
②若い子たちは、知らない曲であってもサブスクですぐに聴ける環境になっている

①に関してはオンラインであるかどうかに関わらず、そもそものサザンファンの客層としてそうなのではないかと思う。
サザンは40年以上もバンドを継続しているわけで、となるとサザンの初期から一緒に青春を走ってきた世代は、おそらく50~60代だろう。
そして、デジタル機器に疎いと言われようが、「サザンと年を越せるなら」ということで、私のように初めてオンラインライブに参加したという50~60代が多かったのではないだろうか。
そのお客さんに向けて、ともに青春を駆け抜けてきた昔の曲を多めに披露するのは、違和感がない。

そして②に繋がるのだが、昔の曲が多かったとしても、サザンはサブスクで曲が聴ける。特に若い世代はサブスクが主流だ。気になる曲があったらいつでも聴けるうえに、昔の曲であっても、「知らない曲 = 新曲」として楽しめるらしい。
つまり、サブスクを解禁している時点で、どれだけ昔の曲であっても、若いファンが楽しめる環境をサザンは整えているというわけだ。

以上が、00年代以前の曲が多くても、楽しいライブになった理由なのではないかと私は思う。

……とまあ、変にまじめに考察をしてしまったが、かくいう私も昔の曲よりは、年越し直前のLOVE AFFAIR、ボディスペシャルII、エロティカセブン、BOHBO No5、マンピーという、ヒット曲オンパレードな流れで20年一番興奮したのは否めない(笑)

みんなが知ってる曲がこれだけあるのも凄いし、知らない曲があれだけあるのも凄い。
改めてサザンのバントとしての懐の深さ、音楽性の幅広さを実感したライブだった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?