空山 非金

絵と小説を主に作ります。 また、作品に使った自作イラスト単体はpixivにてお楽しみ…

空山 非金

絵と小説を主に作ります。 また、作品に使った自作イラスト単体はpixivにてお楽しみ頂けます。 https://www.pixiv.net/users/81780046

マガジン

  • 短編

    空山非金の短編をまとめたものです。

  • 小説「パラレルジョーカー」

    〈フェリダー帝国〉と〈カーニダエ共和国〉の戦士たちは殺し合う。  どちらかが果てるまで。

  • 剣闘舞曲:完結

    ファンタジー世界の闘技場でぶつかり合う八人のお話。

  • 枯らす少年と死なずの少女:完結

    終末世界ボーイミーツガール的な作品です。

  • 小説「落花生」

    月一で更新予定のダークファンタジー小説です。

記事一覧

〈KS〉短編小説

   あらすじ  大学生フェンシング、県大会、その決勝を賭けた一日。  一年生の航道柊吏は、準決勝へと駒を進めていた。  一六九センチ。大会に出場する選手の中で最…

空山 非金
4日前
6

エッセイ「なぁ聞いてくれ、魔法って何だろう」

  はじめに 240801 ――魔法。  そう聞いて、あなたはどんな想像を膨らませましたか? 「キラキラと光って、不思議なことを起こす現象」 「炎や氷を出現させてぶつけ…

空山 非金
2週間前
11

詩「太陽の餓獣」

  太陽の餓獣  血肉を浴び飽きた獣は地獄を出た。己だけを頼りに。  世界を狩らなければ。確固たる意志を抱き、不敗の爪牙を立てる。  憤怒の赴く儘に鏖殺す。引き千…

空山 非金
1か月前
2

詩「蒼月の孤狼」

  蒼月の孤狼  意志薄弱な狼は群れを逐われた。歳若い獣と共に。  彼らを守らなければ。不透明な義務を抱き、研いだ牙を剥く。  獲物の首筋に歯を突き付けて、皮を裂…

空山 非金
1か月前
2

「平行、絶えず」小説:PJ24

  はじめに  本作「パラレルジョーカー」には、暴力、暴言、戦争や著しい差別などの描写を含みます。  それに伴い、グロテスクな描写、憂鬱な気分にさせる描写を含む…

空山 非金
1か月前
1

「稲妻、来る」小説:PJ23

  はじめに  本作「パラレルジョーカー」には、暴力、暴言、戦争や著しい差別などの描写を含みます。  それに伴い、グロテスクな描写、憂鬱な気分にさせる描写を含む…

空山 非金
1か月前
4

「砂塵、煙る」小説:PJ22

  はじめに  本作「パラレルジョーカー」には、暴力、暴言、戦争や著しい差別などの描写を含みます。  それに伴い、グロテスクな描写、憂鬱な気分にさせる描写を含む…

空山 非金
1か月前
1

「稜線、明ける」小説:PJ21

  はじめに  本作「パラレルジョーカー」には、暴力、暴言、戦争や著しい差別などの描写を含みます。  それに伴い、グロテスクな描写、憂鬱な気分にさせる描写を含む…

空山 非金
1か月前

「死、堆く」小説:PJ20

  はじめに  本作「パラレルジョーカー」には、暴力、暴言、戦争や著しい差別などの描写を含みます。  それに伴い、グロテスクな描写、憂鬱な気分にさせる描写を含む…

空山 非金
1か月前
2

「苦難、遍く」小説:PJ19

  はじめに  本作「パラレルジョーカー」には、暴力、暴言、戦争や著しい差別などの描写を含みます。  それに伴い、グロテスクな描写、憂鬱な気分にさせる描写を含む…

空山 非金
1か月前
1

「屍者、躙る」小説:PJ18

  はじめに  本作「パラレルジョーカー」には、暴力、暴言、戦争や著しい差別などの描写を含みます。  それに伴い、グロテスクな描写、憂鬱な気分にさせる描写を含む…

空山 非金
6か月前

「心火、盛る」小説:PJ17

  はじめに  本作「パラレルジョーカー」には、暴力、暴言、戦争や著しい差別などの描写を含みます。  それに伴い、グロテスクな描写、憂鬱な気分にさせる描写を含む…

空山 非金
6か月前

「狭間、暗く」小説:PJ16

  はじめに  本作「パラレルジョーカー」には、暴力、暴言、戦争や著しい差別などの描写を含みます。  それに伴い、グロテスクな描写、憂鬱な気分にさせる描写を含む…

空山 非金
6か月前
2

「慟哭、寂びる」小説:PJ15

  はじめに  本作「パラレルジョーカー」には、暴力、暴言、戦争や著しい差別などの描写を含みます。  それに伴い、グロテスクな描写、憂鬱な気分にさせる描写を含む…

空山 非金
7か月前
2

「白銀、穿く」小説:PJ14

  はじめに  本作「パラレルジョーカー」には、暴力、暴言、戦争や著しい差別などの描写を含みます。  それに伴い、グロテスクな描写、憂鬱な気分にさせる描写を含む…

空山 非金
7か月前
3

「オマケ付きで好き」短編小説

 恋にも愛にも、オマケが付くのだと気が付いた。  思えば幼い頃から。足が速いからとか、優しくしてくれるからとか、大事な娘だからとか。  とにかく、人はオマケが付く…

空山 非金
7か月前
5

〈KS〉短編小説

   あらすじ  大学生フェンシング、県大会、その決勝を賭けた一日。  一年生の航道柊吏は、準決勝へと駒を進めていた。  一六九センチ。大会に出場する選手の中で最小の騎士は、全国大会を目指して戦う。  六人の若い騎士達が鎬を削る、青春群像劇。 ____________    はじめに  本作〈KS〉は、二〇二二年の十月頃に「小説で戦闘シーンを表現する事の練習」を目的として執筆した作品に、一部加筆と修正をした作品です。  加筆と修正は、当時の文章力を壊しすぎない程度に抑

エッセイ「なぁ聞いてくれ、魔法って何だろう」

  はじめに 240801 ――魔法。  そう聞いて、あなたはどんな想像を膨らませましたか? 「キラキラと光って、不思議なことを起こす現象」 「炎や氷を出現させてぶつける。MPも消費する」 「よく分からない。なんかすごい事だけど、なんと言えばいいのか、とにかく、なにかこう、凄いんだよ……っ!」  様々な意見が、それこそ十人十色の表現があるとは思いますが、一般的には「言葉にならない、けれど何かしら恩恵をもたらす現象」そういった具合のふんわりとした概念だけが浮かぶと思います。  

詩「太陽の餓獣」

  太陽の餓獣  血肉を浴び飽きた獣は地獄を出た。己だけを頼りに。  世界を狩らなければ。確固たる意志を抱き、不敗の爪牙を立てる。  憤怒の赴く儘に鏖殺す。引き千切り、叩き潰し、命を断つ罪悪が、獣の心を揺さぶる。  ――生きる。力ある者は、他者を統率する知恵者は、全に尽くさなければならない。  ――殺す。力無き者は、他者を貶める愚者は、全の前に首を差し出さなければならない。  身内から湧き出す感情は絡まり合い、自己を確立させた。  周囲が愚者ならば、その暴虐に涙を流す者が在

詩「蒼月の孤狼」

  蒼月の孤狼  意志薄弱な狼は群れを逐われた。歳若い獣と共に。  彼らを守らなければ。不透明な義務を抱き、研いだ牙を剥く。  獲物の首筋に歯を突き付けて、皮を裂き、肉を切り、骨を砕く食感が、狼の脳を揺さぶる。  ――甘い。強さは、力を誇示する事は、余りにも甘美。  ――苦い。強さは、命を冒涜する事は、余りにも苦渋。  身内から湧き出す感情は平行線を辿り、自己を二分した。  周囲が前者を望むのなら、人の目が在る時は、せめてその時だけは、何処までも残酷に成ろう。  心根が後者

「平行、絶えず」小説:PJ24

  はじめに  本作「パラレルジョーカー」には、暴力、暴言、戦争や著しい差別などの描写を含みます。  それに伴い、グロテスクな描写、憂鬱な気分にさせる描写を含む為、苦手な方は本作を読む事をお控え下さい。  また、本作は創作物であり、実在するあらゆるものへの批判や、思想の拡散を目的とした物では無い事をご理解下さい。  01話はこちら。   目次について  本作では本編中の場面転換を軸にnoteの「目次機能」による見出しを付けております。  表記は「 ‪‪✕‬‪‪✕‬‪‪

「稲妻、来る」小説:PJ23

  はじめに  本作「パラレルジョーカー」には、暴力、暴言、戦争や著しい差別などの描写を含みます。  それに伴い、グロテスクな描写、憂鬱な気分にさせる描写を含む為、苦手な方は本作を読む事をお控え下さい。  また、本作は創作物であり、実在するあらゆるものへの批判や、思想の拡散を目的とした物では無い事をご理解下さい。  01話はこちら。   目次について  本作では本編中の場面転換を軸にnoteの「目次機能」による見出しを付けております。  表記は「 ‪‪✕‬‪‪✕‬‪‪

「砂塵、煙る」小説:PJ22

  はじめに  本作「パラレルジョーカー」には、暴力、暴言、戦争や著しい差別などの描写を含みます。  それに伴い、グロテスクな描写、憂鬱な気分にさせる描写を含む為、苦手な方は本作を読む事をお控え下さい。  また、本作は創作物であり、実在するあらゆるものへの批判や、思想の拡散を目的とした物では無い事をご理解下さい。  01話はこちら。   目次について  本作では本編中の場面転換を軸にnoteの「目次機能」による見出しを付けております。  表記は「 ‪‪✕‬‪‪✕‬‪‪

「稜線、明ける」小説:PJ21

  はじめに  本作「パラレルジョーカー」には、暴力、暴言、戦争や著しい差別などの描写を含みます。  それに伴い、グロテスクな描写、憂鬱な気分にさせる描写を含む為、苦手な方は本作を読む事をお控え下さい。  また、本作は創作物であり、実在するあらゆるものへの批判や、思想の拡散を目的とした物では無い事をご理解下さい。  01話はこちら。   目次について  本作では本編中の場面転換を軸にnoteの「目次機能」による見出しを付けております。  表記は「 ‪‪✕‬‪‪✕‬‪‪

「死、堆く」小説:PJ20

  はじめに  本作「パラレルジョーカー」には、暴力、暴言、戦争や著しい差別などの描写を含みます。  それに伴い、グロテスクな描写、憂鬱な気分にさせる描写を含む為、苦手な方は本作を読む事をお控え下さい。  また、本作は創作物であり、実在するあらゆるものへの批判や、思想の拡散を目的とした物では無い事をご理解下さい。  01話はこちら。   目次について  本作では本編中の場面転換を軸にnoteの「目次機能」による見出しを付けております。  表記は「 ‪‪✕‬‪‪✕‬‪‪

「苦難、遍く」小説:PJ19

  はじめに  本作「パラレルジョーカー」には、暴力、暴言、戦争や著しい差別などの描写を含みます。  それに伴い、グロテスクな描写、憂鬱な気分にさせる描写を含む為、苦手な方は本作を読む事をお控え下さい。  また、本作は創作物であり、実在するあらゆるものへの批判や、思想の拡散を目的とした物では無い事をご理解下さい。  01話はこちら。   目次について  本作では本編中の場面転換を軸にnoteの「目次機能」による見出しを付けております。  表記は「 ‪‪✕‬‪‪✕‬‪‪

「屍者、躙る」小説:PJ18

  はじめに  本作「パラレルジョーカー」には、暴力、暴言、戦争や著しい差別などの描写を含みます。  それに伴い、グロテスクな描写、憂鬱な気分にさせる描写を含む為、苦手な方は本作を読む事をお控え下さい。  また、本作は創作物であり、実在するあらゆるものへの批判や、思想の拡散を目的とした物では無い事をご理解下さい。  01話はこちら。   目次について  本作では本編中の場面転換を軸にnoteの「目次機能」による見出しを付けております。  表記は「 ‪‪✕‬‪‪✕‬‪‪

「心火、盛る」小説:PJ17

  はじめに  本作「パラレルジョーカー」には、暴力、暴言、戦争や著しい差別などの描写を含みます。  それに伴い、グロテスクな描写、憂鬱な気分にさせる描写を含む為、苦手な方は本作を読む事をお控え下さい。  また、本作は創作物であり、実在するあらゆるものへの批判や、思想の拡散を目的とした物では無い事をご理解下さい。  01話はこちら。   目次について  本作では本編中の場面転換を軸にnoteの「目次機能」による見出しを付けております。  表記は「 ‪‪✕‬‪‪✕‬‪‪

「狭間、暗く」小説:PJ16

  はじめに  本作「パラレルジョーカー」には、暴力、暴言、戦争や著しい差別などの描写を含みます。  それに伴い、グロテスクな描写、憂鬱な気分にさせる描写を含む為、苦手な方は本作を読む事をお控え下さい。  また、本作は創作物であり、実在するあらゆるものへの批判や、思想の拡散を目的とした物では無い事をご理解下さい。  01話はこちら。   目次について  本作では本編中の場面転換を軸にnoteの「目次機能」による見出しを付けております。  表記は「 ‪‪✕‬‪‪✕‬‪‪

「慟哭、寂びる」小説:PJ15

  はじめに  本作「パラレルジョーカー」には、暴力、暴言、戦争や著しい差別などの描写を含みます。  それに伴い、グロテスクな描写、憂鬱な気分にさせる描写を含む為、苦手な方は本作を読む事をお控え下さい。  また、本作は創作物であり、実在するあらゆるものへの批判や、思想の拡散を目的とした物では無い事をご理解下さい。  01話はこちら。   目次について  本作では本編中の場面転換を軸にnoteの「目次機能」による見出しを付けております。  表記は「 ‪‪✕‬‪‪✕‬‪‪

「白銀、穿く」小説:PJ14

  はじめに  本作「パラレルジョーカー」には、暴力、暴言、戦争や著しい差別などの描写を含みます。  それに伴い、グロテスクな描写、憂鬱な気分にさせる描写を含む為、苦手な方は本作を読む事をお控え下さい。  また、本作は創作物であり、実在するあらゆるものへの批判や、思想の拡散を目的とした物では無い事をご理解下さい。  01話はこちら。   目次について  本作では本編中の場面転換を軸にnoteの「目次機能」による見出しを付けております。  表記は「 ‪‪✕‬‪‪✕‬‪‪

「オマケ付きで好き」短編小説

 恋にも愛にも、オマケが付くのだと気が付いた。  思えば幼い頃から。足が速いからとか、優しくしてくれるからとか、大事な娘だからとか。  とにかく、人はオマケが付くから好きなのだ。  私もそうだったけれど、気が付いてみれば馬鹿馬鹿しくて、もう止めようと思っている。  それに気が付かせてくれた事実だけは高樹に感謝しよう。  ――いや、やっぱり無理。  思い至る事ができた切っ掛けと、今、胸の裡にあるごちゃごちゃとした嫌悪感は、やっぱり別だ。  だから私は、毛布に包まって何度も打ち直