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先の事考えるのが好きじゃない二ートの人

彼の名前は田中だった。少なくとも、そう呼ばれることに慣れていた。本当の名前を思い出そうとしても、もやがかかったようにぼんやりとしていた。
田中は毎日、同じ時間に起きて、同じ椅子に座り、同じ窓から外を眺めた。灰色の空が広がり、時折小鳥が飛んでいく。彼はその姿を羨ましく思った。小鳥たちには目的地があるのだろう。でも自分には、どこにも行くあてがない。
「明日は何をしようか」と考えるのは、彼にとって拷問のようなものだった。未来は大きすぎて、重すぎて、どうしても向き合えなかった。だから彼は、今日という小さな箱の中に身を潜めることにした。箱の中は安全で、予測可能で、何も変わらない。
時々、誰かが彼の部屋のドアをノックする。親かもしれないし、昔の友人かもしれない。でも田中は決して応えない。言葉を交わせば、必ず「これからどうするの?」という質問が来るのを知っていたから。
彼の部屋には時計がなかった。時間の流れを意識したくなかったからだ。でも、空の色で大体の時刻は分かった。夕暮れ時、空が赤く染まると、彼はほっとした。また一日が終わる。明日のことを考えずに済んだ。
夜、彼はベッドに横たわり、天井を見つめた。そこには無数の星が浮かんでいた。蓄光スティッカーで作った、彼だけの宇宙だ。その中で彼は、自分が宙に浮いているような感覚を覚えた。重力から解放され、どこにも属さず、でもどこにでも行ける。そんな夢想の中で、彼はゆっくりと目を閉じた。
明日が来ても、きっと何も変わらない。そう信じることが、彼の小さな慰めだった。
この文章について、何か説明や解説が必要でしょうか?
と思う2024年8月11日13時22分に書く無名人インタビュー858回目のまえがきでした!!!!!
【まえがき:qbc・栗林康弘(作家・無名人インタビュー主宰)】

今回ご参加いただいたのは ホッピー太郎 さんです!

年齢:20代後半
性別:ノンバイナリー
職業:ニート


現在:なんでも優しいっていうのがでかいのかな。一緒にいて嫌にならないっていうのもあります。大体なんか友達とかといると二日くらいが限界かなっていう感じがあって、人といるのは。でもそういう感情にもならないし。

くじらぐも:
今、何をしている人ですか?

ホッピー太郎:
今はニートですね。

くじらぐも:
1日はどんなふうに過ごされますか?

ホッピー太郎:
大体ベッドの上で寝ているかな。で、夕方から居酒屋に飲みに行く感じです。

くじらぐも:
夜から居酒屋に出かける、ですか?

ホッピー太郎:
そうですね。

くじらぐも:
なるほど。

くじらぐも:
ニート生活はいつからされてるんですか?

ホッピー太郎:
今年の冬ぐらいですね。去年の秋ぐらいから休職して、今年の1月に退職したんで。まあだから全体で半年ぐらいですかね。

くじらぐも:
ベッドで寝ている時には、何をされてるんですか?

ホッピー太郎:
大体動画見てるか、まあ動画見てますね。

くじらぐも:
なんの動画でしょうか?

ホッピー太郎:
なんか魚系のYouTuberとか。あとなんだろうな、アイドル関係とかですね。

くじらぐも:
最近見て面白かった動画はありますか?

ホッピー太郎:
えー。最近だとなんだろう、『バキ童ちゃんねる』ってご存知ですか。

くじらぐも:
あ、知ってます~。

ホッピー太郎:
あれの、なんか『エロゲーを開封してみた』みたいな動画が、意外となんかレア度が高くて残されたゲームが意味があるんじゃないかみたいな動画が、面白い。

くじらぐも:
では、居酒屋に行くのは何時くらいですか?

ホッピー太郎:
その行っている居酒屋が17時ぐらいからオープンしてるんで。17時過ぎとか、19時前には行くことが多いですね。

くじらぐも:
居酒屋でどんなメニューを注文されるんですか?

ホッピー太郎:
どんなメニュー(笑)。焼酎ボトルでキープしてるんで、それ頼んで。あとお通しが出てきて。追加で、なんだろうな、なんかホヤとか海鮮系ですかね。

くじらぐも:
その居酒屋は行きつけのお店なんですか?

ホッピー太郎:
今はそうですけど。でも行き始めたのが6月とかだったんで、まだ行ってからは短いですね。

くじらぐも:
そのお店はどんなところが良い点ですか?

ホッピー太郎:
ママさんが1人でやってるお店で、お店も広くないんですよね。なんだろう、若い人が全然いなくて50代ぐらいの方が多いのかな、そういう人たちと一緒にアットホームな感じで話せるのが好きで行ってますね。

くじらぐも:
動画を見たり、居酒屋に行ったりなど以外で何かハマっていることとかってありますか?

ホッピー太郎:
一応週末が毎週競馬見てるかなっていうのと。あとまあアイドルが好きなんで、大体アイドル系ですかね。

くじらぐも:
アイドルはどなたがお好きか聞いてもよろしいですか?

ホッピー太郎:
一応、前「ジャニーズWEST」だった、今「WEST.」になったんですけど「WEST.」。あと今ジュニアの子もちょっと最近好きかなって感じです。

くじらぐも:
その人たちの魅力はどんなところにありますか?

ホッピー太郎:
魅力(笑)なんだろうな、最近K-POPとか流行っててダンスとか歌とかすごいプロ意識が高いっていうか。なんですかね、クオリティが上がってる中で、もうちょっと昔のジャニーズじゃないですけど、ああいう感じの何て言うのかな。なんか一生懸命頑張っててキラキラしてるみたいなのが残ってるのが好きですかね。

くじらぐも:
いつからアイドルは好きになったんですか?

ホッピー太郎:
物心つく前から親が「SMAP」好きだったんで「SMAP」のコンサートが行ったりしてて、そっから「嵐」通って今「WEST.」って感じですね。いつからっていうか、ずっとですね。

くじらぐも:
今は一人暮らしされてるんですか?

ホッピー太郎:
今パートナーと同棲してます。

くじらぐも:
パートナーの方はどんな人かお聞きしてもよろしいですか?

ホッピー太郎:
大学の先輩ですね。

くじらぐも:
同棲は始められて長いんですか?

ホッピー太郎:
いや1年ぐらい、ちょうど1年経ったぐらいですかね。でも学生の時からお互い一人暮らしだったっていうのもあって、どっちかの家に入り浸ってるのが多かったんで、同棲っていう形で家を一つにしたのは1年ぐらいなんですけど、一緒に生活して6年ぐらいは経ってます。

くじらぐも:
今一緒にいる理由ってどんなことが挙げられますか?

ホッピー太郎:
やっぱ長いからっていうのが多分一番でかいんですけど。あとはなんすかね、なんでも優しいっていうのがでかいのかな。一緒にいて嫌にならないっていうのもあります。大体なんか友達とかといると二日くらいが限界かなっていう感じがあって、人といるのは。でもそういう感情にもならないし。なんか1人で飲みに行くのが自分は好きなんですけど、そういうのも全然咎められないっていうか好きにやらしてくれてるんで。一緒にいて楽ですね。

くじらぐも:
ホッピー太郎さんはご自分の性格はどんな性格だと思われますか?

ホッピー太郎:
えー(笑)それが全然分かんないんでインタビューとかして客観的に浮き彫りになったらいいなと思ってるんですよね。大学のとき社会学科だったんでインタビューとかの経験が多かったんですよ。そういう中でなんかこう、人の事を聞いていくのって楽しいし自分も聞いてもらいたいなと思ってちょっと今回応募させていただいたんですよ。

くじらぐも:
例えばパートナーの方とかご友人の方などからは、どんな性格だと言われそうですか?

ホッピー太郎:
なんだろうな、「怠惰だな」とかよく言われますけど。

くじらぐも:
一番に「怠惰」が出てくるんですね。

ホッピー太郎:
そう、特にパートナーといる時とか自分何もしないんで。家事とかしないからそうなるんじゃないかな。

くじらぐも:
ではパートナーの方とホッピー太郎さんで共通していることって何かありますか?

ホッピー太郎:
まあ好きな事やってるとこですかね、うん。多分それはでかいんじゃないかな。

くじらぐも:
ホッピー太郎さんの好きなことっていうのは、そのアイドルを推すことなどにあたりますか?

ホッピー太郎:
いや、飲み行くことですかね、多分。酒がめちゃくちゃ好きなんで。最近はもう今家からすぐ近くにあるとこしか行ってないんですけど、ちょっと前まではバンバン飲みに行ってたんで。

くじらぐも:
飲みに行くことのどんなところが好きですか?

ホッピー太郎:
なんかぶっちゃけ飲み屋に行くって、常連さんであってもあんまり知らない人がほとんどだと思うし、そういう人たちと会話できるのが楽しいかな。あと、お酒自体が好きっていうのもあるし。あと何だろう、地方とか行って飲みに行くとなんかそのご当地の、なんて言うんすか町柄とかも見れるし。そういうのも楽しみの一つですね。

くじらぐも:
では例えば、「すごく色んな人と話せるけれどもお酒がとてもまずい居酒屋」と「お酒と町柄がすごく素敵だけど自分1人の居酒屋」だったらどちらを選びますか?

ホッピー太郎:
だったら自分1人の方がいいですね。だって店主さんとかはいるわけだし。なんか割とお客さん同士で喋るよりお店の人と話した方が面白かったりするんで。なんかまずい酒は飲みたくないなっていう。

くじらぐも:
普段行くお店ではどんな話をされたりするんですか?

ホッピー太郎:
どんな話、、私「ワンダーフォーゲル部」っていって山登る部活だったんすけど、なんか今居酒屋で「山に行こう」みたいな話が出て。それで山行計画とかそういう山の話をしてることが多いですかね。あとは「週末どこ行ったの~」とかそういう当たり障りない話が多いですね。

くじらぐも:
ホッピー太郎さんが育った家庭では、どんなご家族がいらっしゃいましたか?

ホッピー太郎:
父と母と。一人っ子なんで。

くじらぐも:
ご両親はそれぞれどんな方ですか?

ホッピー太郎:
父親がめちゃくちゃ山が好きな人で、自分も3歳ぐらいから担がれて登ってたんでっていう感じですね。口下手で、酒が好きでっていう感じの父親です。

ホッピー太郎:
母親はなんだろう、自分のパートナーはうちの母親の事をお茶目な人だねって言ってるんでお茶目な人ですかね。

くじらぐも:
ホッピー太郎さんから見てもお茶目さは感じますか?

ホッピー太郎:
まあそうですね。

くじらぐも:
それでは、どんなところがですかね。

ホッピー太郎:
なんだろうな、思ったことを口にしちゃうところとか。まあだいたい明るいし。そういうとこですかね。

くじらぐも:
ホッピー太郎さんはご両親のそれぞれどんなところを受け継いでいるかなって思いますか?

ホッピー太郎:
なんか父親がすごい繊細っていうか、メンタルが弱いみたいな。そういうところはもらってますね。母親からは、思ったことを何でも言うとこはもらってるなあと。あとめちゃくちゃ顔が母親に似てます。

過去:私、本当にめちゃくちゃ酒好きだけど20歳になるまでお酒飲んでなくて。そんな中でも毎日のように飲んでくれる仲間がいたっていうのは嬉しかったです。

くじらぐも:
ホッピー太郎さんは子供の頃はどんな子でしたか?

ホッピー太郎:
今めちゃくちゃ仲いい友達がいるんですけど、そいつと小学校から一緒で。そいつに最近言われたのは「すごい厨二病臭いっていうか、黒歴史めっちゃ作ってる子だったよね」って言われました。

くじらぐも:
それはどんなところがですかね。

ホッピー太郎:
厨二病臭いとこじゃないすか(笑)

くじらぐも:
私のイメージですけれども、ブログって書いてましたか?

ホッピー太郎:
ブログ、、でもそんなやってないですね、続かなかったです。なんか小説書いたりしてたかな、小説っていうか物語書いたり。いや、でも一方でバスケ部だったんで、それなりに強いバスケ部で。なんて言うんすか、体を動かしたりもしてましたね。

くじらぐも:
例えば習い事など、ずっと長く続けてこられたことってありますか?

ホッピー太郎:
ピアノは幼稚園から高校ぐらいまでやってましたね。なんだろうそれこそ登山とか、バスケは小学校から中学校までです。うん、そんぐらいですね。

くじらぐも:
バスケットボールは高校でやめたんですか?

ホッピー太郎:
高校が特進コースというか進学コース、まあいわゆる国公立目指すようなコースに入っちゃって。そしたら補講みたいなのが18時ぐらいまであって、部活自体が18時半で終わりみたいな、ちょっとは私立だったんでそういう学校だったんですよ。だから入っても意味ないっていうか入る暇も無かったっていう感じですね。

くじらぐも:
子供の頃、どんな遊びをしていたかって覚えてますか?

ホッピー太郎:
でも、あんまりゲームとか買ってもらえなかったんで。小学校の時は近所の男子とチャリ乗ったり。なんだろうボードゲームやったり。まあでも外で遊んでましたね。でも小・中はまじで部活が忙しくて、遊ぶとか無くて。高校も留学したんで、勉強してたかな。なんだろう、深夜にニコ動見たりとかそういう感じですね。

くじらぐも:
高校で留学されたとおっしゃいましたか?

ホッピー太郎:
あ、はい。

くじらぐも:
海外の高校だったということでしょうか?

ホッピー太郎:
いや違くて、日本の高校に行って1年だけ留学してもっかい戻ってきて。なんで高校トータルで4年間行ってます。

くじらぐも:
その留学生活はどんなでしたか?

ホッピー太郎:
すごいためになったな~と思います。なんか勉強がしたくて行ったとか語学が欲しくて行ったってよりかは、そもそも英語できなかったんで「まあ行かないと覚えないだろう」みたいな感じで行ったんですけど。なんだろう、自分めちゃくちゃロックとかバンド系の音楽とかが好きっていうのを交換留学で行く時にプロフィールに書いたら、向こうでホストファミリーやってくれた家がすごいロックが好きな家で、毎日いろんな音楽聴かしてもらったりとか、そういう文化的な面ですごいためになったなと思います。

くじらぐも:
では、子供の頃を通して何か転機となる出来事はありましたか?

ホッピー太郎:
いやあんま無いかな、なんかそれこそ留学行ったことぐらいですかね。もともと国公立の大学に入ろうと思ってたんですけど、留学したことによって「学校で推薦できるよ」みたいになって。それで大学が私学になったり、私立になったんですけど。まあねえ、留学してなかったら多分大学もこんなとこ行ってないし。なんかあそこまで洋楽のバンド聴くこともなかっただろうし。まあでも、あんまり転機っていうほどデカくもないかもしれない。

くじらぐも:
大学に入ってからはどうでしょうか?

ホッピー太郎:
大学、大学は良かったですね(笑)

くじらぐも:
どんなところが良かったですか?

ホッピー太郎:
なんだろう、絶対自分の実力で入れるような大学じゃなかったんで、まあシンプルに周りにいる人が自分より頭いいっていうか。なんすかね、全然育ってきた環境が違う人がいっぱいいて、それはそれで刺激になったし。あとなんだろうな、それこそなんか音楽オタクみたいな人とつるむこともあって、そこでさらに音楽の幅が広がったみたいなのも面白かったですね。あとは私、本当にめちゃくちゃ酒好きだけど20歳になるまでお酒飲んでなくて。そんな中でも毎日のように飲んでくれる仲間がいたっていうのは嬉しかったです。うん、そんな感じです。

くじらぐも:
先程「周りに育ってきた環境が違う人が多かった」とおっしゃいましたが、違う環境っていうのは具体的にどんなふうですか?

ホッピー太郎:
まずなんすかね、大学のイメージとしてもお金持ちが多いようなイメージのある学校だったんで。それこそね、お受験して中学校から頑張って入って、多分東大とか狙ってる人も多かったし。部活をやってきた人っていうのがあんまりいない。ちゃんとね。部活には入ってたけど~、みたいな子が多いっていうか。部活のそういう縦社会とかにいなかった人が多いのかな~っていうのとか。あと地方出身者が少ない学校だったんで、それこそ都会のそういう階級じゃないけどそういうところの人たちが多かった。からもう本当に違いますよね、私なんて地元秋田なんで。そんなお受験も無かったし。幼い頃から違う世界で生きてきたんだろうなっていう感じですね。

くじらぐも:
大学に入学してからご自身が変わった点は何かありますか?

ホッピー太郎:
変わった点、、でもなんか「大学1年の頭の頃とかはすごい尖ってたよね」って言われます。どんどん丸くなっていったのかなって思います。

くじらぐも:
尖っていたのは、どんなふうに尖ってましたか?

ホッピー太郎:
なんだろうな(笑)ちょっと全身黒い格好してみたり。あんまりなんですかね、同期と喋らなくて。ちょっと人のことを小馬鹿にしてるじゃないけど、そういう態度だったかなと思います。

くじらぐも:
それがだんだんと丸くなっていったのは、なぜ丸くなれたんでしょうか?

ホッピー太郎:
え、でも付き合ったからじゃないですかね、今のパートナーと。

くじらぐも:
パートナーの方とはどこで出会ったんですか?

ホッピー太郎:
大学のあれですね、部活の先輩。

くじらぐも:
その方と話すと、何かご自身の中で変化みたいなのがあったんですかね?

ホッピー太郎:
シンプルにその人といる時間が増えたから、まあなんですかね、甘えるようにもなったし。何でもやってくれるっていうか、甘やかしてくれる。甘い人だからどんどん怠惰になってってグデグデして、なんかそんな服装とかも凝ったりしなくなったし。そういう厨二みたいなイキり方をしなくなったっていうか、そんな感じじゃないですかね。

くじらぐも:
大学を卒業した後はどうでしょうか?

ホッピー太郎:
大学を卒業して就職して、地元に研修で2ヶ月ぐらいいて。その後、1年半ぐらい千葉の松戸にいて、東京に来てって感じなんですけど。まあ一人暮らしで変わらず飲み歩いて、みたいな感じですね。別に生活的には、でもまあ生活的にはあんまり変わらないですね。

くじらぐも:
何のお仕事に就かれたんですか?

ホッピー太郎:
お酒の販売ですね。

くじらぐも:
お仕事はどうでしたか。

ホッピー太郎:
どうでしたか、、別になんか研修つっても研修もなくて、酒の知識が増えるかといったらそんなことも無くて。いわゆるなんすかね、スーパーのお酒版みたいな感じでただ販売してるだけだった。なんかまあ酒扱ってたら知識がつくかなと思ったけど。そりゃね、触れる機会が増えるから酒の銘柄とか覚えるけど、かといって知識になってるかって言われたらそんなこともなかったし。まあなんですかね。研修もしないでいきなり副店長とかにされたりで、責任だけ取るような感じだったんで。あんまやってけなくって。ほんでクレーマーに当たって、っていうのが続いて。

社員が店長と自分しかいないような感じなんすけど、まず店長がやらないんで自分がやんなきゃいけなくてっていう感じで潰れてって。で、まあ一応「うつ病」っていう病名はついたんですけど、実際のところは分かんなくて。でもそんな感じでやめましたね。

くじらぐも:
お仕事に就いていた期間は何年ぐらいですか?

ホッピー太郎:
んー、2年とかかな。

くじらぐも:
お仕事に従事していた期間、振り返ってどんな感想を持ちますか?

ホッピー太郎:
いやまあ、そもそも就活ができなくて私。就活が嫌いで。絶対受かるだろうみたいなところに受けたので。なんかそんな選り好みもできないんよなとは思って。どんな感想、うーん。なんだかんだ千葉いる時大変だったけど、あの時は毎日3時ぐらいまで飲んで6時から働いてみたいな、ことやってたけど。楽しかったっちゃ楽しかったなって思いますね

くじらぐも:
3時まで飲んでた飲み仲間はいましたか?

ホッピー太郎:
仲間っていうか、1人で行ってる居酒屋とかバーに行ってそこにいる人と話してみたいな感じですね。全然なんか地元、松戸の地元の人しかいないようなところで、別に職場で友達とかもいなかったし。そもそもね、社員が2人しかいないから友達もあれもないんですけど。まあ1人で飲んでました。

くじらぐも:
松戸から東京に引っ越すってなった時には、なんか例えば寂しいなと思ったりとか、あるいは全く何も感じなかったりとかそういうところは?

ホッピー太郎:
いや、何も無いっすね。ていうか、そんな松戸の職場が嫌で、上司の上司っていうかもっと本社の人たちに相談して動かしてもらおうみたいにしてる中で、そのバーで知り合った人に家まで来られるみたいなのがあって。ストーカーじゃないけどそういうのがあって、そこにいれなくなったから異動になったって感じなんで。なんだろな、そういうストーカーじゃないけどみたいなことはあったけど、結果ラッキーだったかな~っていうふうにはその時は思ってましたね。

未来:まあ田舎育ちなんでね、あんまり過干渉なのは多分都会の人は嫌うんだろうけど、自分はそっちの方が人間味があって好きかなと思います。

くじらぐも:
ホッピー太郎さんは5年後や10年後あるいは死ぬ時まで想像してみて、未来についてどんなイメージを持たれますか?

ホッピー太郎:
何も無いですね。あんまりなんか先の事考えるのが好きじゃないっていうか。先を見通すことができたら多分就活とかもちゃんとできたんだろうなと思うし、あんまり将来とか未来に対してビジョンがあったりとか「こうなりたい」みたいなのは無いっすね。

くじらぐも:
特に目標とかも無さそうですか?

ホッピー太郎:
無いっすね(笑)

くじらぐも:
死ぬまでに「これだけはしたいな」みたいなことはありますか?

ホッピー太郎:
いやあそれも無いかな、分かんないっすね明日死ぬかもしれないし。なんだろう、口だけで言ってるやりたいこととしては、自分のスナックじゃないけど会員制みたいなバーじゃないけど、なんだろうなスナックに近いような形態で居酒屋を開けたらいいな~とは思ってるんですけど。絵空事っていう感じ。

くじらぐも:
では例えば明日地球が滅亡するとしたら、これから24時間何をしようと思いますか。

ホッピー太郎:
いや何もしないかな。ゴロゴロして、オリンピック見て、お酒飲んでって感じです。

くじらぐも:
逆に不死身の人間になったら、何をしようかなって考え出すと思いますか?

ホッピー太郎:
え、それみんなが死んじゃうんですか?

くじらぐも:
うーん、そうですね。

ホッピー太郎:
自分だけ生き残るんだったらとりあえず皆さんの寿命分は全うして、最後は自殺するんじゃないかな。

くじらぐも:
では、今度は寿命は普通ですけれどもお金が無尽蔵にあったとしたら、これから何をしたいですか?

ホッピー太郎:
そしたら、店開きます。

くじらぐも:
もしお店が絵空事でなく本当に開けたとすると、どんな場所に開きたいですか?。

ホッピー太郎:
あの高田馬場の「カモシカスポーツ」っていう登山用品店があるんですけど、下とかそこの周りとかに開きたいかな。

くじらぐも:
それはなぜですか?

ホッピー太郎:
何か「コンセプトバー」みたいなのをやりたいんですよ、山小屋みたいな感じで。そのなんですかね、登山家とまでは言わなくてもハイカーとかが集まって情報交換できるような酒場にしたくて。だから、そういう登山用品店とか側にあったら入って来てくれるお客さんも多いだろうし。そういう理由ですね。

くじらぐも:
ちなみに今は登山はされてないんですか?

ホッピー太郎:
んー、でも年2回ぐらいですかね、ちゃんと行ってるのは。

くじらぐも:
これからもしホッピー太郎さんが「これをしたいな」って思うようになるとしたら、それはどんなところからエネルギーが出てきそうですか?

ホッピー太郎:
なんかねー、なんかこうやんなきゃいけないような状況になるとか、パートナーとか友達とかに無理やり資格受験料払われて受けなきゃいけなくなるみたいな、そういう状況にならないとやる気にならないと思います。

くじらぐも:
これまでの人生で何かこうやる気にあふれたことってありましたか?

ホッピー太郎:
留学の時ですかね。その時はなんかマジで英語が赤点とかだったんすよ、最初。っていう状況から海外バンドが好きで、そういう人たちの音楽を聴きたいから留学したいと思って、っていうのを何となく父親に話したら自分よりもなんかやる気になっちゃって、父親が。いろんな留学団体の資料とか取り寄せ出して。親が本気になっちゃったから引くに引けなくて頑張るかみたいな感じで。そっからなんかその留学するにあたって試験とかあったんで勉強して、実際行って、向こうでも頑張ってみたいな感じでしたね。

くじらぐも:
今も洋楽はお好きなんですか?

ホッピー太郎:
最近はそんな聞かなくなっちゃったけど、まあでも好きですよ。

くじらぐも:
ちなみにどんな音楽をよく聞かれたんですか?

ホッピー太郎:
「EMO」って言われるジャンルとか。あとは何だろう、70年80年代のイギリスとか。あんまジャズとかブルースとかは聞かなかったけど、ヒップホップとかは。バンド系の曲が多かったですね。

くじらぐも:
また未来のことについての話に戻りますが、このままの生活をこれからも続けていくとしたら老後とか死ぬ時とかはどうなりそうですか?

ホッピー太郎:
どうなりそうかは分かんないけど、でも東京には住んでないなって思います。

くじらぐも:
どこにいそうですか?

ホッピー太郎:
どこだろうな、地元の秋田に帰ってるか、なんか山に近いところに住んでるか。まあ人が東京ほどいないようなところにいるかなと思いますね。

くじらぐも:
それはなぜですか?

ホッピー太郎:
なぜですか、まああんま都会が好きじゃないっていうのと。都会が好きじゃないからですね。

くじらぐも:
都会のどんなところがあまり好きではないですか?

ホッピー太郎:
人混みが好きじゃないっていうのと。他人に無関心な社会とは言わんけど、なんですかね人の態度っていうか。まあ田舎育ちなんでね、あんまり過干渉なのは多分都会の人は嫌うんだろうけど、自分はそっちの方が人間味があって好きかなと思います。

くじらぐも:
死ぬ時は誰かに看取られたいですか?

ホッピー太郎:
いや、そんなことはないです。

くじらぐも:
お1人のイメージでしょうか?

ホッピー太郎:
うん。だって子どもは作る気ないし。でもなんすかね、年取って死ぬとかあれやけど、30代とかで死ぬとかってなったら今仲良くしてる人は集まって欲しいですね、葬式とかには。

くじらぐも:
そうなった時、お葬式に何人ぐらい集めたいですか?

ホッピー太郎:
えー、どうなるんだろうな。何人ぐらい集めたいっていうか、なんかその今仲良くしてる人は来てほしいですよね。

くじらぐも:
では、秋田や山に近いところに移住するのはいつぐらいを目標にしますか?

ホッピー太郎:
もうあれじゃないですかね、パートナーの仕事次第みたいなところがあるんで。全然向こうが仕事見つけれれば2年後とかでもあり得るかなとは思うんですけど。どっちにしろね、自分が一人っ子だから親の面倒を見ないといけないっていうか。従弟とかもいないんで全部自分がやんないといけないんで。ってなるとそんなに、親もね60歳超えてきたし、そろそろちゃんと考えないとなとは思いますけど。

くじらぐも:
ホッピー太郎さんは何歳まで生きたいなっていうのはありますか?

ホッピー太郎:
無いっすね、なんだろう70・80歳はいくのかなと思ってます。

くじらぐも:
別にいかなくてもいいですか?

ホッピー太郎:
しょうがないかなっていう(笑)

くじらぐも:
では、もしもの質問というのをお聞きしますけれども。もしも仕事選びがとてもうまくいって天職みたいなのに巡り合えてたとしたら、それはどんなお仕事だと思いますか。

ホッピー太郎:
なんだろうな、天職、、農家とかじゃないですかね。

くじらぐも:
それはなんでですか?

ホッピー太郎:
まあなんか最低限の人との関わりはありつつ、毎日やんなきゃいけないことがあって。かつ自分との戦いじゃないけど自分らのやり方でやって、みたいな。どうなんだ、分かんないですけどね。やってみたいなって思ってた仕事は下着メーカー、なんかブラジャーを作る。か、あとはもうビール、ビールメーカー。メーカーじゃねえな、ブルワーですね、醸造家。あとホップ農家をやりたかったんですけど。でもそれが天職かって言われたら、それは分かんないんで。

くじらぐも:
ブラジャーを作る仕事はなぜしたかったんですか?

ホッピー太郎:
なんか胸を守るのがブラジャーの仕事じゃないですか。でも今って潰す方にも需要があると思ってて、コスプレとか。あとはそのなんすかね、胸大きく見せたくないとか男性に見られたくないような人たちは潰したいだろうし。ってなった時に体に負担をかけずに綺麗に潰せるようなね、ものがあればいいよなと思って。ナベシャツとかだと結構蒸れるし大変だから、っていうので思ってましたね。

くじらぐも:
インタビューも終盤になってきましたけれども、何かこの記事を見ている人に伝えておきたいこととか

ホッピー太郎:
ないないない(笑)

くじらぐも:
あとは言い残した事とかってありませんか?

ホッピー太郎:
えー、無いですよー、無いかな。あーでもなんだろう、セクシュアリティーの話はしてないなと思いますね。

くじらぐも:
事前にお伺いしていたのが、ノンバイナリーという。私は、あまりよく分かっていないところもあるんですが、ノンバイナリーというのはどういうものなんでしょうか?

ホッピー太郎:
性別が男女があって、あとは性嗜好がゲイとかレズビアンとか色々あるじゃないですか、今。でもそういう区別が無いって感じで。なんだろう、パンセクシュアルに近いっていうか、「この人が好き」じゃないけど、自分は自分、その人はその人みたいな。ここに性別を当てはめてないっていうか、性別で人を見ていないっていうか、そういう考え方ですかね。

くじらぐも:
ご自身がノンバイナリーであることで何か良かった事や悪かった事というのはありますか?

ホッピー太郎:
いやあ別に良かったことも悪かったことも無いですかね。だってなんか、あーでもあるか。女だったら良かった事とか男だったら良かった事とかってあるのか。

くじらぐも:
私は多少なりともありますね。

ホッピー太郎:
うん~、無いかな。特に無いですね。

くじらぐも:
ご自身がノンバイナリーだと気づいたのはいつ頃なんですか?

ホッピー太郎:
なんていうか、元々最初は男か女かぐらいしか分かんないっていうか、ちっちゃい頃は分かんなくて。でもなんすかね、女女しいのは嫌で。ってなるとじゃあ男になりたいってなって「自分は男になりたい人なんだ」っていうふうに思ってたけど。でもなんか実際のところは、じゃあ男になりたいって思ってるって事は自分は女って事認めてるわけじゃないですか、逆説的に。なんかそういう、そういうわけでもないんだよなと思ってて。っていう時になんか、中学校ぐらいかな。そこでLGBTとかの言葉を知って色々調べていった中で、もっとLGBTQとかそれだけじゃなくてもっと人の種類だけジェンダーがあるみたいな考え方に出会って。で、その中に「ノンバイナリー」っていうくくりがあることを知って、自分はこれが一番近いかなと思ったのが、中学3年とか高校1年とかその辺ですかね。

くじらぐも:
その後といいますか、日常生活でご自身の性自認を意識することっていうのはあるんですか?

ホッピー太郎:
なんだか性別を選ばなきゃいけない時とか。問診票とか、例えばアンケートとかで性別の欄になった時に「自分できれば女にはチェック入れたくないよな~」とか。そういう時に自覚するぐらいで、別になんだろう。でも自分けっこう見た目も、今はあれですけどけっこう男よりっていうか、女のトイレとかお風呂に入ったら三度見とかされて。そういう時に「やっぱりちょっと浮いてるよね~」っていうことは思いますね。

くじらぐも:
ノンバイナリーであることって、ご自身の性格とか内面に影響を与えた部分っていうのはあるんですか?

ホッピー太郎:
まあなんかこう、なるべく女に見られたくないなっていうのはやっぱりあって。そういうふうに生活もしてきたしそういう外見も作ってきた。ホルモン注射を受けて男性ホルモンを打ってたし、そういう行動には繋がってるかなと思いますね。

あとはなんだろう、中・高・大学でもそういうセクシュアリティ系の研究とかね、本とか読んだりしてたんで。そういう感じですかね。

くじらぐも:
周りに同じ性自認の方はいらっしゃるんですか?

ホッピー太郎:
いや、ノンバイナリーに会ったことは無いですね。なんか二丁目とか飲みに行ったこともあるんですけど、そこでもノンバイナリーの方にはお会いしたこと無いっすね。でも店員さんは「いらっしゃいますよ~」って言ってたけど。私は会ったことは無いです。

くじらぐも:
もし同じノンバイナリーの人に会ったら、こういう話題を共有したいなみたいなことってありますか?

ホッピー太郎:
いや、特に無いですかね。けどFTM、FTMって分かりますか?

くじらぐも:
すみません、分からないです。

ホッピー太郎:
あの女性から男性に、男性として性自認を持っている方で、胸オペとかしているような人。で、男性ホルモン打ってもう完全に外見も男性の方っていうかそういう感じなんですけど、の方とかとどういう風にボディメンテナンスしてるかみたいなとか。もうちょっと聞いてみたい、聞いてみたいが近いな。それこそ自分もホルモン注射してたんで「なんかこういう副作用出たよね」とか「太っちゃったよね~」とか「こういう筋トレしてるよ」とかそういうお話をしたいかなって思います。

くじらぐも:
ありがとうございます。他に何か話しておきたいことなどはありませんでしょうか?

ホッピー太郎:
いや、大丈夫です。

くじらぐも:
大丈夫ですかね。では、インタビューとしてはこちらで終了としたいと思います。

ホッピー太郎:
はい、ありがとうございます。

あとがき(編集)

ホッピー太郎さん、ありがとうございました。

僕は来年から社会人なんですけど、入社予定の会社がまさに女性用下着を中心に取り扱っているメーカーなので終盤の話はすごく興味深く聞いていました。僕は下着に携わりたいという理由でこの会社を志望したわけではないんですが、こういう声を聞くと「下着業界もすごくやりがいがある業界だな~」と感じます。

そういえば、スペインに留学した時に驚いたことの1つが「LGBTQ+に対する理解」でした。街のいたる所にレインボーフラッグがありましたし、会話の話題にもたまに性別が出てきましたし、同性のカップルを当たり前のように見かけました。そして町ゆく他の人達もそれに何の違和感もなく、ただ普通に過ごしていたんですよね。今でこそ何とも思わなくなったのですが、正直、留学当初は見慣れていなかったので男同士で手を繋いでいる人なんかを見かけると「ほえー」と思いながら見てしまっていました。今思うと、本当に申し訳ないです。

僕が小さい頃は「ホモ」とか「レズ」みたいな言葉が平気で飛び交っていたような気がするんですが、最近は日本でも色んな性の方がいるといういわゆる「多様性」の考え方が広まってきているし、それに伴ってそういった言葉をバカにするニュアンスで軽々しく使うような人はかなり減った気がします。もう今の小・中学生じゃないので実体は知らないんですけどね。そしてホッピー太郎さんのように、そもそもそういった色々な性別自体を知らないから自分を「男」or「女」に当てはめていただけの人というのは日本にまだまだいると思います。
大学で海外の文化を勉強したり実際にヨーロッパに住んだおかげで性に対しての認識が少しは変わりましたし「そらこんなけ人がいるんやから色んな人がいるよな~」と思うようにはなりました。とはいえ「だれでもトイレ」とか「銭湯でどっちの湯に入ればいいのか」とかこれからも考えていかないといけない問題って色々ありますよね~。難しい。

【インタビュー・あとがき:くじらぐも】

【編集:ミミハムココロ】

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