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大学授業一歩前(第2講)

はじめに

 二回目の授業一歩前は明治大学文学部の伊藤氏貴先生に書いていただきました。オンライン授業準備に忙しい中ありがとうございます。この場を借りてお礼申し上げます。それでは二回目の授業一歩前スタートです!!

プロフィール

Q:先生のプロフィール、お持ちになっている授業などを教えてください。

A:【氏名】伊藤氏貴
   【行っている授業】美学芸術学/文芸評論
   【研究内容】表現・創作、批評理論、評論研究など

学生におすすめの過ごし方

Q:この期間のおすすめの過ごし方はありますか?

A:好きにすればいい、と思います。形式はどうあれ、授業の内容・質は担保されるはずなので、心配無用。それよりも本当に自分の好きなものを見つけられるか、というほうが大事。(この期間私を含めた学生はとても暇だと思うので、何か好きな物を見つけて突き詰めるのも大切かもしれませんね。)

授業開始までに習得しておいてほしい能力

Q:授業が始まるまでに身に付けておくべき能力などはありますか?

A:特にありません。ただ、授業にかかわらず、これから人間関係がオンラインで形成されるようになるでしょうから、最低限の機器の扱いと、マナーは生きていく上で必要でしょう。

学ぶ意義

Q:先生にとっての学ぶ意義はズバリ何になりますか?

A:自分を変化させることの悦びです。肉体の変化は、ある時点から下降するしかありませんが、学びはつねに自分を思いもかけない方向に変えてくれます。

オススメの一冊

Q:今だからこそ読んでおいてほしい一冊を教えてください。

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A:『週刊読書人』の同様のアンケートでは、ハマトンの『知的生活』を挙げたが、500頁くらいあるので、もう一冊、とっつきやすいのを挙げるなら、外山滋比古『思考の整理学』を。

学生へ一言

Q:学生に向けてのメッセージをお願いします。

A:この病は、世界を確実にかつ不可逆的に一歩変えました。私の半世紀余の人生の中で最大の変化です。その激動の中で生き抜くために、与えられるのを待つのでなく、自分で生き抜くすべを見出すようにしてください。

おわりに

 最後に先生から私、島倉に書いていただいたメッセージを引用させていただきます。

 私は旧人類ですから、対面でないとどうも落ち着きません。
 ただ、大学、あるいは学びという本質にとって「教室」が絶対に必要なのか、と問われれば、イエスとは答えられません。今回のことで、大学にとって果たしてキャンパスが必要か、という問題が炙り出されました。
 ご存知かもしれませんが、ミネルヴァ大学という、キャンパスのない大学は既にあります。
 オンラインだから学費を減額という短絡的な議論でなく、もっと本質を見つづけてほしいと思います。
 (労働者の側からすれば、事務も教員も、これまで通りの対面の方がよほど楽です。今みんながてんてこ舞いしています。もちろんこれは受益者である学生たちには関係ないことですが、相手の側に立って見ることは、ものを考えるうえでつねに重要です。)
 社会が、世界が変わろうとしているこのときに、何をどう学ぶか、ぜひ孤独に考えてみてください。学問は孤独な営みです。

 コロナウイルスは社会を変革し、これは将来歴史の教科書に必ず載ると思います。このような大変革の中で、「社会が、世界が変わろうとしているこのときに、何をどう学ぶか、ぜひ孤独に考えてみてください。学問は孤独な営みです。」この一節はとても重要なものではないでしょうか。先が全く見えない中、孤独に学問と対峙した時に今までとは違った何かを発見できるかもしれません。私自身も孤独に考えてみます。大変お忙しい中、記事の作成にご協力いただきありがとうございました。次回もお楽しみに!!

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