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大学授業一歩前(第29講)

今回の29講が予備校講師である相澤理先生に記事を書いて頂きました。お忙しい中のご協力誠にありがとうございました。それでは第29講の開講です!!

プロフィール

Q:プロフィールを教えてください。

A:東京大学の入試問題を題材としたベストセラー『歴史が面白くなる東大のディープな日本史』(KADOKAWA)の著者。東進ハイスクール・東進衛星予備校でセンター倫理の対策講座を担当し、現在は、学習参考書・一般書の執筆のかたわら、首都圏の高校で受験指導にあたっている。

オススメの過ごし方

Q:オススメの過ごし方を教えてください。

A:学部生の段階では、ゼミなどで与えられた課題を着実にこなしていくことが一番大切です。何事も、基本となる技法を身につけぬまま、我流でやっていると、先々になって苦労します。まずは教官の言うとおりに頭と手を動かしましょう。そうしているうちに、自分なりの問題意識が芽生えてくるものです。

必須の能力

Q:大学生に必須の能力を教えてください。

A:理性的な思考法は、大きく演繹と帰納に分けられます。高校までの学習は、どちらかと言うと、ある法則や原理を個別的なものに適応する演繹的な思考法が求められました。しかし、大学で学問をしていくうえでは、具体を抽象化する帰納的な思考が必要とされます。つねに物事を貫く一つの原理を探究する姿勢が肝心です。

学ぶ意義

Q:先生にとって学ぶ意義とは何でしょうか?

A:とりわけ文系の学問は、行き着くところ「物事は一概には言えない」ということを理解することにあると思っています。どんな事象も、別の立場・別の角度から見ると、全く違った姿を見せます。まずは、主観とは相対的なものであることを知ること。そこから、物事をできる限り客観的に捉えるトレーニングを積んでいきたいです。

オススメの一冊

Q:オススメの一冊を教えてください。

A:それは皆さんがそれぞれに見つけ出すものでしょう。ちなみに、私が大学に入学したころ(1990年代)は、「ニュー・アカ」ブームが到来していて、周りは浅田彰や中沢新一を読んでいましたが、私はそれを尻目に栗本慎一郎に傾倒していて、『パンツをはいたサル』(光文社)は最も影響を受けた一冊です。

メッセージ

Q:学生へのメッセージをお願いします。

A:高校が「アイツには負けたくない」と思う友人と出会う場所ならば、大学は「アイツには敵わない」と思える友人を見つける場所です。高校時代とは比べものにならない多種多様な人と触れ合うなかで、おのれの限界や進むべき道が見えてきます。学生であると言えばたいていの人は会ってくれますから、自分から積極的に出会いの場を求めていってください。

おわりに

今回は予備校講師の相澤理先生に記事を書いて頂きました。お忙しい中、ご協力ありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。

オススメの一冊は自分で見つけるという姿勢は本当に重要です。私も偶然見つけた一冊である『公共哲学とは何か』(ちくま新書)が私の学問の方向性を決めてしまいました。運命の一冊が見つかると、学びがより深まると思います!!

 

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