マガジンのカバー画像

物語

19
思い付く限りの欲を全て架空の人生に当て嵌めて、眺めながら自らのはしたなさやまずしさを愉しむ遊び
運営しているクリエイター

#物語

磔の女肉

僕が、自らのおかしな性的趣味に気がついたのは子供の頃だった。

僕は一人っ子で、その頃は両親とともに3人で暮らしていた。

専業主婦の母はとても優しく、会社員の父の稼ぎはよく、周囲からは羨ましがられるくらいに何不自由なく生活できていた。

だが、父は極度に酒癖が悪く、酔うと母に容赦無く手を挙げる鬼と化す。

度々飲み会などで遅くなる日は母が僕をさっさと寝かせ、酔った父親のストレス発散の標的

もっとみる

美しい受精

「お願い、
どうしても私は美しい子供を産みたいの!

いいえ、他の人を好きになったりなんか
していないわ。

貴方のことはとても好きよ。
結婚したいって心から思ってる。

でもね、子供だけは、
私の子供だけは美しく産んであげたいの。

貴方が今までしてきたような、容姿にまつわる苦労を、我が子にはさせたくないのよ。

だからお願い貴方、

許して、

貴方以外の優秀な遺伝子を私が受精する

もっとみる

粘膜接触

見てはいけないものを見た。

という意識は、恥ずかしがっている彼女の姿とともにずっと脳にこびりついてしまった。

どうにも発散できないような熱い液体みたいなものが、お腹のあたりで留まっていく感じがする。

顔が、見たい。

ゆっくりと彼女の方へと身体を向けた。彼女の顔をみるということは、私の顔も見られてしまうという事だった。

私は絶対に、ぜったいに今、淫らな顔をしているに決まっているの

もっとみる

果実は女の膣

日当たりの良い部屋のテーブルに、果実を置いたままにしている。果実というのは水分が多く、常温でも少しひんやりとしているからだ。

人肌に最も近づけるためには、この方法が一番良いのである。

太陽光にさらしておくと、果実は次第に傷みはじめるだろう。ぱつぱつと張りのあった表面は柔らかくなり、重力に従って爛れていこうとする。締りのなくなった表皮は中の水分を留めきれず、机には果実の汁が染み、周囲にはかなり

もっとみる

覚醒

「お久しぶり。」
背後から気色の悪い声に肩を叩かれました。
こういう時の嫌な予感はもはや予感の範疇を超えて逃れられぬ現実となります。
振り向けばそこには、一度見れば絶対忘れないほどに醜悪な男。幼馴染の男でした。

女は思わず歪みそうになる顔を真顔に保つのに必死です。男はそんな黙ったままの女にジメッとした分厚い手を差し出してきました。
まぁ、ただの挨拶にわざわざ握手を求める奴があるでしょうか。その

もっとみる