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「1977年設立!コンピューターで創造したい人集まれ!」京大マイコンクラブ@京都【メンバー募集!全国Unityコミュニティ名鑑】

こんにちは、Unity Japanのコミュニティ・アドボケイトの田村幸一です。私は普段、Unityを広く世の中に伝える、広報的な役回りをしています。

2月からスタートした連載「メンバー募集!全国Unityコミュニティ名鑑」では、全国各地で活動する有志によるUnityユーザーのコミュニティを紹介しています。

ここ数年の新型コロナウイルス感染症の影響で、ユーザーが集まるオフラインイベントやコミュニティ間の交流が減ってしまいました。新しくUnityを始めた人も、どこにどのようなコミュニティがあるか、以前より探しにくい状況だと思います。

そこで、Unity Japanがnoteを通じて全国のUnityユーザーコミュニティに活動を聞いてまわる「メンバー募集!全国Unityコミュニティ名鑑」を始めました。

第1回は、北海道で活動する「はこだてみらい館 Unityサークル運営部」を紹介しました。制作活動に必要な機材を無償で提供し、一人ひとりのペースで学習を進められるようサポートしているといいます。

第2回は、富山県魚津市の「つくるUOZUプロジェクト」を紹介しました。魚津市をゲーム産業の街へすべく、多数のゲーム企業やクリエイターを誘致。コミュニティ参加者には、ゲーム制作初心者からゲーム企業へと就職を果たした人もいるそうです。

3回目となる今回は、京都大学で活動する「京大マイコンクラブ(KMC)」を紹介します。KMCの会長を務めるryokohbatoさんをはじめ、メンバーのみなさんにお話を伺いました。

※京大マイコンクラブではハンドルネームで呼び合うため、以下もハンドルネームで記載しています。

1977年から運営され、部員90人で活動を楽しむ

──はじめに、KMCの設立経緯を教えてください。

hiromi_mi:KMCは、1977年に設立しました。詳細な設立経緯は不明ですが、当時、京都大学のコンピューターを使用するにあたり、個人では交渉が難しかったため、団体として交渉する目的でKMCが設立されたと聞いています。設立当初からゲーム制作をしており、ネットワーク対戦型ゲームなどを展示していたようです。

──何人が所属し、どういった活動をしていますか?

segre:現在、90人ほど在籍しています。

KMCの活動は、「芸術分野」から「技術分野」まで多種多様です。ゲーム制作や音楽制作、イラスト制作、 Webサービス開発、電子工作、3DCGなどコンピューターを用いた創作活動全般。また、課題解決までの時間と正確性を競う「競技プログラミング」や、KMCが所有しているサーバーでbotやWebサービスの作成などをするため、サーバー管理なども手がけています。

KMC全体としては、メンバーの前で30分程度のプレゼンテーションをする定例会を週2回、5分のプレゼンテーションをするLT大会を2ヶ月に1回実施しています。他には、SlackとDiscordでの日常的な情報交換や有志による勉強会も開催しています。

Slackで定例や勉強会の参加を呼びかけている

──所属しているメンバーのなかで、どのくらいの人たちがUnityを使用して制作していますか?

hiromi_mi:だいたい20〜30人くらいです。京都大学の文化祭やコミケなどで、年間5本程度のゲームを公開・販売しています。

──Unityを使用している人たちは、どのような作品を制作していますか?

hiromi_mi:主にゲーム制作のためにUnityを使用します。ゲーム制作以外でも、作成したキャラクターをモーションキャプチャで3D化し、Unity上で動かしました。

tak0kada:KMCでは新入部員のゲーム共同制作をサポートしています。昨年度も多くの新入生が参加し、京都大学の文化祭で3つのゲーム作品を発表しました。

メカ少女シューティング、Fat Hero Simulator、Death Finaleが新入生の作品

──新型コロナウイルス感染症の影響で交流が難しいなか、コミュニティ活性化のためにのために工夫していることはありますか?

tak0kada:以前は部室で昼夜問わず自由な活動が行われていたと聞きました。ただ、今は対面の交流が難しいので、メインの活動場所はDiscardやSlackになっています。Discordのチャンネルを部室代わりにして、時間の制限なく人が出入りできるようにしています。

「清濁併せ呑む」文化が支える、自由や多様さ


──KMCの特徴を教えてください。

ryokohbato:「自由さ」が特徴的なコミュニティだと思います。メンバーなら誰でも自由に勉強会やイベントを開催でき、参加可能です。

akikaze:私は「多様性」に富んだコミュニティだと感じています。KMCでは、イラスト制作、音楽制作、プログラミング、電子工作といった、コンピューターを扱う分野においての様々な知識や意見が飛び交っていて、面白いコミュニティです。

tak0kada:清濁併せ呑む文化をもっていますね。何でも許容されるからこそ、さまざまな制作が行えて、制作過程の困難も理解してくれる人が多いです。

──KMCに所属していて、「よかったな」と思う出来事を教えてください。

ryokohbato:KMCには、イラストや作曲、ゲームなど、さまざまに活動している人がいて、これまで興味がなかったりあまり触れてこなかったりした分野に触れる機会が増えました。

LT大会で話される題材は、プログラミングだけではありません。コンピューターに関係のない旅行や料理をテーマに話されることもあります。LT大会や勉強会を通じて、興味や知識の裾野を広げられました。

sashi:京都大学に入学する前は、私はプログラミングやイラスト制作などの経験があまりありませんでした。しかし、他の部員に触発されて、コードを書いたりイラストを描いたりする機会が増えてよかったです。

crashRT:KMCでは様々な経験をしている人が多いため、制作でうまくいかないことがあっても、Slackで意見をもらえるところが所属してよかったなと思えるポイントです。

コンピューターで創作したい人は、KMCへ集まれ!

──活発なコミュニティを育むために、大切にしていることを教えてください。

ryokohbato:まずは、オープンであることです。ログを残すことを大切にしており、何か議論すべきことがあるときは誰もが参加しやすいように工夫しています。また、KMCのSlackでは、日報よりもさらに細かく「分報」を投稿するような個人用チャンネルが多数存在していて、活発に使われています。私は日記代わりにしていますね。

sashi:円滑なコミュニケーション環境を整えるのも意識しています。SlackやDiscordは、メンバーなら自由にチャンネルを増やすことができます。また、開発したbotをKMCのサーバーに設置し、コミュニケーションを活性化させる工夫もしています。

akikaze:活動場所を複数設けているところも大切です。オンラインではSlackとDiscordが中心ですが、活動場所はメンバーが自身で選べるので、テキストかボイスチャットか、自分に合ったコミュニケーションの方法を選べます。

分報を投稿する個人用チャンネルの様子

──今後、どのような人たちに参加してもらいたいですか?

segre:KMCのキャッチコピーは「パソコンでなにかするならKMC」です。「コンピューターを使いたい」「自分の好きな分野の知識を共有したい」といった志をもつ人なら心地よく活動できると思います。

──今後の活動予定やイベント情報などを教えてください。

ryokohbato:春から新入生を迎え入れるにあたって、「新勧プロジェクト2022」を開催します。上級生がそれぞれのテーマで、勉強会やプロジェクトを始動します。

crashRT:私は3DCGの勉強会をやります。BlenderやCINEMA 4Dで、3Dモデリングの基本や作品の作り方などを解説します。3DCGを制作したい方、ゲームやイラストで3Dモデリングを活用したい方など、ぜひきてください!もちろん、初心者歓迎です!

ryokohbato:私はWebサービス勉強会を担当します。Webページの作成やSlack botの開発を予定しています。

segre:新入生だけのチームで、Unityを用いたゲームを制作する「みんなでゲームをつくる」というプロジェクトを開催します。プログラマーだけでなく、グラフィッカーやコンポーザー、ディレクターなども募集しています。もちろん、初心者大歓迎で、「ゲームを作りたい」という熱い心を持つ人たちをお待ちしています!

ryokohbato:他にも、「Unityでゲームを作る」「DTM練習会(※1)」「お絵かきプロジェクト」「Rust勉強会(※2)」などを開催します。

※1:DTM:コンピューターを利用して楽曲を制作すること。デスクトップミュージック。

※2:Rust:「性能、メモリ安全性、安全な並行性」を目指して設計されたマルチパラダイムのプログラミング言語

<京大マイコンクラブ>

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