ゆるい生活

「ゆるい生活」
群ようこ・朝日文庫

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こちら電子書籍はなさそうです。
ただ、完全に好みで言いますが、群さんの作品は文庫で読むのがすごく
「ちょうどいい感じ」
な気がしています。

こちら、ジャンルで言うと「養生エッセイ」とでも言うのでしょうか…
ひとつ前の投稿で「きのう何食べた?」を紹介しましたが
https://note.com/unisindo/n/n69c2a241f9aa?creator_urlname=unisindo
40代になると健康が気になるのよねー、て話題のもう少し先の話で、
実際の対策を一冊にまとめておいでです。
実際に「ちょっとおかしいぞ」が出て、さてどうする、てところから始まります。

群さんは1954年生まれとありますので、今年で66歳になられるんですね。
2008年の体調不良をきっかけにこちらの作品が生まれたようですので、
シロさんたち(40代)の先の50代のリアルが書かれています。
体調不良→ご友人に紹介された漢方医にかかる→体調改善、の様子が丁寧に綴られているのですが、群さんのエラいのは、
「医者に言われたことをしっかり守った生活をする」
点なんですね。これはある意味で「当たり前」ではあるんですけれど、実は全然当たり前に出来る人なんていなくて、ひどいときには開き直ったりもしちゃうんですが、群さんはコツコツ薬を煎じて飲み、甘いものを我慢し、きちんきちんと漢方医に通い続けます。

漢方医の先生との会話で「土用」を意識するようになったり、たまげる臭さのウンコが出て驚いたり、さすがキャリアのあるエッセイ作家さんなので、淡々とした内容でも飽きずに一冊読ませてくれます。
わたしが群さんの本を一番読んでいたのはたしか20代頭ぐらいなのですが、当たり前ですがその頃からずっと「人生の先輩」のお話を聞くようにエッセイを楽しんでいました。独身でいらっしゃいますからね。現実の己にすごく参考になるんですよね。

エッセイが達者な作家さんではほかにさくらももこさんなどもいらっしゃいますが、あの方の本の中で便秘が解消した瞬間の描画が天才的でして、
「まじかよ…わたしもそんな爽快なウンコ出してみてぇ…」
てたいそう憧れた覚えがあるのですが、それと同じぐらいの羨ましさをこの本の
「通院とリンパマッサージを続けた結果、体の余分な水分がめっちゃ抜けて、予定になかったが体重が随分減ってしまった」
て描画がありまして、
「まじかよ…わたしも体の余分な水分出してぇ……」
てたいそう憧れます。ここの漢方医どこなんだ…わたしも通いてぇ…

まずは甘いもの控えよう…ちょっとずつでも…ちょっとずつね…

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