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台湾旅行の初日にピークを迎えた話

──安心の先に絶望が待っていようとは…
その夜は永遠に目的地に着かない気がした。


7月某日、3泊4日の台湾一人旅行へ。

出発前夜。準備は何もできていなかった。荷物を詰めていると、突然の頭痛が訪れる。仕方なく23:00まで横になって休んだ。

少し回復してきたので、服やら必要なものを急いでキャリーケースに詰め込む。


翌朝。出発便は午後イチの成田発だったため、
準備を済ませ外に出ようとする。

すると、突然スマホの通知音が鳴った。

機材メンテナンスのため出発便が遅れる」と旅行会社からのメール。 出発は夕方に延期になるとのこと。

玄関の前で深いため息をついた。冷静さを取り戻し、予定を立て直す。

まだ微熱があったため、頭を冷やして家を出るまで横になる。少しでも体力を回復しておき、お昼ごろには家を出た。


成田空港着。電車で第2ターミナルに着き、第3ターミナルへのシャトルバスに乗り込む。

だが、しばらくしてもバスは出発しない。前方に目をやると運転手がなにやらドア付近で頑張っている。

どうやら、「扉が閉まらない」ようだ。レアなトラブルに見舞われ、時間のロス。別のシャトルバスで第3ターミナルへ向かった。

搭乗時間となり、飛行機に乗り込む。だが席に着いたはいいものの、なかなか離陸しない。

アナウンスによると、現地の雨の影響で各社の飛行機が空港に詰まっているとのこと。離陸時間は予定より30分遅れた。


台湾の桃園国際空港に着いたのは、現地時間の21:00。 

入国審査に向かうとそこには長蛇の列が。各国から多くの飛行機が夜に空港に到着していたようで、乗客がゲートに溢れていた。

この関門を通過するまでがとても長かった。「ここで夜を越すのでは?」と思った程だった。

結果的に入国審査が終わるまでに1時間かかった。この時点で22:00

足早に地下鉄(MRT)で台北市内のホステルに向かう。

その日泊まるホステルのチェックイン時間は24:00まで。なかなか市内に到着しない電車にだんだん焦りが出てくる。

異国の地での夜の電車。窓の外は真っ暗で、電車内の乗客はまばら。『千と千尋の神隠し』の電車のシーンと自分の姿がシンクロした。


結局、ホステルの最寄駅に着いたのが23:35。チェックインまでは30分を切った。

走って泊まるホステルまで向かおうと考えたが、土地勘がないため余計に時間がかかると予想がついた。計画を変更して、急いでタクシー乗り場に向かう。

タクシーの運転手さんに場所を伝え、なるべく急いで向かってもらうよう英語でお願いする。

紳士的な対応で、安全かつスピーディーな運転だった。無事に23:45にホステル到着。

受付で名前を告げ、自分のベッドへ案内してもらう。ほっと一息。緊張の糸がようやく切れた。

その2時間後の26:00(深夜2時)からは、サッカーW杯の準決勝があった。せっかくなら滞在者と共に観戦したいと思い、それまで時間を潰そうとベッドで横になる。これが間違いだった。

気づいたら外が明くなっていた。人生はそう簡単に上手くいかない。移動の疲れと寝床に辿り着いた安心感からか、ぐっすり寝てしまっていたのだ。

こうして、怒涛の初日が幕を閉じた。

最終日に現地を出るまで、これ以上の印象的な出来事は起こらなかった。


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