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「妊娠中もトレーニングをしてストレスフリーな日々を過ごそう!」 “日本の常識”と戦う栗原ジャスティーンさん

アンダーアーマーのジムでは、大きなお腹でトレーニングをしている一人の女性を見かけます。
今年の1月に妊娠を発表した、ライフスタイルモデルの栗原ジャスティーンさんです。

日本では妊婦さんに対してこんな考え方が一般的です。

「トレーニングをしたら危ない」
「ジムは休会/退会すべき」

実際、ジャスティーンさんが妊娠を発表した後、彼女のソーシャルメディアには
「妊婦なのに筋トレするなんてありえない」
「二人の身体なんだから、自分のことだけ考えるのはどうかと思う」
といった、トレーニングを非難するコメントが数件届いたそうです。
でも、本当にこの“日本の常識”は正しいのでしょうか。

疑問に思った栗原さんは、行動を開始しました。


ジャスティーン
私はこれまでにアメリカや香港などの海外生活で、たくさんの妊婦さんがトレーニングしている場面を見てきました。
お腹が大きくてもアクティブに動いているママたちを、周りも一緒にサポートしてくれます。そんな雰囲気があれば、妊娠中だって自分らしくトレーニングができるし、大きなお腹でトレーニングする日を楽しみにしてきました。

でも、大切な赤ちゃんだからむやみにトレーニングするのではなく、専門家に教わった正しい知識の下でトレーニングを行いたいと思いました。
まず私が驚いたのが、妊婦さんのトレーニングについて、日本にはほとんど事例がなかったことです。調べれば調べるほど、確かなデータが見つかりませんでした。あるのは「こんな姿勢をしたら危ない」と、妊婦さんの不安をあおるような雑誌の特集くらい。。

そこで、アンダーアーマーさんのサポートの下、産婦人科医の高尾美穂先生と、星野楓トレーナーに相談しました。彼女たちに指導してもらった上で、妊娠中のトレーニングを実践することにしたのです。


実際、妊婦がトレーニングすることで、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。
高尾先生はこう説明します。

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高尾
「妊娠を前期、中期、後期に分けた時、妊娠後期に”不定愁訴”と呼ばれる体の調子の悪さを訴える妊婦さんが多くいます。だるい、眠い、疲れが取れない、といった症状です。
トレーニングをしている妊婦さんは、この症状を訴える人が少ないと感じています。

さらに、産後は骨の状態がもろくなるのですが、妊娠中に14週間以上運動を続けていると、骨密度が下がりにくいというデータがあります。出産した後のお母さんの身体にも好影響があるのです。

他にもよく眠れる、むくみの緩和、運動後2時間くらいメンタルの状態がいいなど多くのメリットがあります。また、妊娠中に運動を続けていた方はマタニティーブルーを発症しにくいと言われています。
腹圧がかかりすぎるなどのリスクはありますが、定期的な妊婦健診を受け、身体の調子をチェックしながら、正しいトレーニングをすれば問題ありません」

これだけ運動のメリットがあるのに、なぜ日本では妊婦のトレーニングが一般的ではないのでしょうか。高尾先生は日本と海外の医療制度の違いを挙げます。

高尾
日本では妊娠期間に10回ほどの妊婦健診があり、毎回超音波検査(エコー)で赤ちゃんの状態を細かくチェックします。世界的に見ても、これほど手厚く検診を行う国はないと思います。
標準と比較してさまざまな数値を見せられた結果、心配事が増える。少しでもリスクがあるなら運動を控えましょう、安静にしておきましょう、ということになるのだと思います。
運動のメリットにはなかなか目が向かないのが現状です。

現在、妊娠中期のジャスティーンさんは、高尾先生と星野トレーナーの指導の下、トレーニングを継続しています。
実際、どのような効果が出ているのでしょうか。また、どのような思いを持って、自身のトレーニングの様子を発信しているのでしょうか。


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ジャスティーン
現在は週に3回ほど、トレーニングをしています。毎回事前に血圧や心拍数などの数値を計測して、体調に問題がないことを確認した上で実施しています。
メニューについても星野トレーナーの指導の下、あまり心拍数を上げない有酸素運動が中心です。呼吸を止める無酸素運動や、腹部を圧迫するようなトレーニングは行っていません。

また、転倒の恐れのある種目はもちろん、16週を過ぎてからは腹部に負荷がかかる仰向けの体勢でのメニューも行っていません。
正しい医学の知識に基づいた、適切なトレーニングに取り組んでいます。
トレーニングで一番実感しているのは、よく眠れるということです。妊娠中に体調が優れずトレーニングできなかった期間があったのですが、精神的にストレスを感じたのをはじめ、寝つきが悪く、足のむくみにも悩まされました。トレーニングをしている間は、妊娠前とほとんど変わらないくらい、体調がずっと良いです。

 一つ注意してほしいのは、妊娠したらみんなトレーニングをしましょう、と言いたいのではありません。妊娠前からトレーニングをしている人でないと、どのくらいの重量で行えばいいかも分かりません。
あくまで、これまでトレーニングをしてきた人が、妊娠したからといってやめる必要はないんだよ、ということを伝えたいのです。

もともと私は、
「モデルは色が白くて細くなくてはいけない」という常識を変えたくて、自分らしいライフスタイルモデルという生き方を選びました。
今では、女性が思いきりトレーニングすることについて、多くの人が受け入れてくれるようになったと感じています。

同じように、妊婦がトレーニングをしちゃいけないという風潮を変えたい。
トレーニングするのを当たり前にして、妊婦さんがジムにいても変な目で見られないようにしたい。次のステップに進み、また戦いが始まるなという感じです。
でも、5年後には今の常識が変わっていると信じています。

人生で制限や禁止されることが増えていくのって、ストレスですよね。そして、そのストレスはお腹の赤ちゃんにも伝わります。
トレーニングは身体に良いのはもちろん、集中することでネガティブなことから解放されたり、思考を変えられたりする。それは結果的に、お腹の赤ちゃんも含めた身体に良い影響を与えます。
私はそれを自分の身体でみんなに伝えていきたいんです。妊婦アスリートのリアルなトレーニングライフが、一人でも多くの女性に力を与えられればうれしいです。

アンダーアーマーが大切にしている価値観の一つに
「恐れることなく先頭を歩く(Create fearlessly,Dare to lead)」
というものがあります。

正しいことをするためなら、慣習に逆らい、大胆に思考し、時代を切り拓く勇気を持ち続けて前に進む。カルチャーを創るという気概を持つ。
栗原さんの挑戦に共感する私たちはこれからもをサポートし、応援していきます。

アンダーアーマーの無料アプリでは、ジャスティーンさんのトレーニングの様子を、本人が毎週レポートしています。ぜひアプリをダウンロードの上、ご覧ください。