ひらこうんこ
これまで右手がひとりで働き続けていたあいだ怠けていた左手が 今何かを補うように・身代わりのように傷を負って捩れて痛んで満身創痍のザマをみせている 蟻の群れが等間隔に並んで休んでいるような・死んでいるような縫い目と黄土色の盛土のような肌を「お前が怠けていていい公式的な免罪符」のように感じる時がある 後ろめたさを伴う余地がないくらい明らかな証明が欲しかったと口にしてしまえば途端に裁きは罪のほうへ傾き始める(理由なんて幾らでも星の数ほど細かくあるが) それらさえがすべて些末な信号