地域でつくり、自分たちで伝え売る「自分事化」を進め転換しなければ産地は死ぬ。

コロナウイルスの影響で、産地は打撃を受けてます。僕らが関わっている産業も例外ではなく、かなり売上は落ちています。

私たちうなぎの寝床は、4月なかばから6月末まで店舗を休業して、その間にwebのリニューアル、そして店舗もリニューアルを一気に行いました。そして、多くのお客さんに支えてもらって、この2ヶ月半の店休はありましたが、前年同比程度の売上を確保し、なんとか1年を終えることができそうな見込みはたちました。

しかしながら、やはり、伝統工芸や産地は厳しく、日本産のものづくりが、百貨店や観光地、都市の商業施設に販売を依存しているということは明確にあらわになったと思います。地方の小さな小売店は、直接、自分たちのお客さんとコミュニケーションをとりながらやっているので、緊急事態宣言後、売上も戻りました。しかしながら、都市の百貨店や商業施設は戻ってきていないと思います。それは、仕方のないことだと思います。

僕らはどうすべきなのか?

もっと、自分たちで伝えること、自分たちで自分たちの価値を見直すこと、自分たちで売ること、これを徹底的にやっていかないと、生存はできないと思います。一気に意識を変えることは難しいことだとは思いますが、今変わらないと、産地はなくなります。なくなるとよくないのか?と言われたら、よくわかりませんが、なくなってしまえば、復活するのはかなりむずかしいでしょう。

そういう意味では、やはり、僕はある程度の規模感で残した方がいいと思っていて、今関わっている久留米絣の産地も、どうにかこうにか、この2-3ヶ月で手を打ちながら、自分がやれることはやってみたいなとは思ってはいます。


高度経済成長期、つくる人、流通させる人、売る人という役割分担が成立していましたが、もうその時代は終わって、いくら懐かしんでもそれは戻ってきません。インターネットが存在する現代において何をやるべきか?自分たちの商いを、きちんと自分事化して、取り組んでいく自意識を、一人一人が危機感を持って、自分自身に植え付けていかないと、その産業、商いは死ぬと思います。


より多くの、そういう自意識をもっている人間が多い地域のみが生き残るサバイバル産地存続期間が、この1年間は続くと思います。がんばりましょう。

今、国の対策である雇用調整助成金、金融機関の審査ゆるゆるの融資のおかげで生き残っている企業はかなり多くあると思います。僕の予想ではこの12月が終わるくらいには、その蓄えとかもなくなっていき、来年から本格的な倒産ラッシュが続くと思います。自分事化をいちはやくして、急いで転換しなければならない。その意識を自分に植え付ける意味でも、ここに文章に記しとこうと思って書きました。

おわり。

本質的な地域文化の継承を。