第3波緊急事態宣言、これから産地は伝統工芸はどうなっていくのか?変わらなければ未来はない。

年明け、新型コロナウイルスの第3波の影響で緊急事態宣言が発令されました。2020年に発令された第1波によるものとは大分状況が違うと思います。

まず、医療従事者の方本当におつかれさまです。感染された方もいらっしゃると思います。ゆっくりいやし休んでください。そして、密をつくらない、そして感染拡大を広げないという事に対しては、もちろん賛成で、基本対策はすべきだと思っています。

ただ、この緊急事態宣言のあり方への対応は結構難しいなと思っていることも事実です。経済をゆるい感じで動かしながら、人は減ります。それに対応しなければならない。ルーティンワークはやりながら、次の手を打っていかなければならない。1波の時よりも、かなり難易度が高いなと思っています。

1波・2020年の緊急事態宣言時、僕らは4月から6月までの2ヶ月半お店を締めて、店舗リユーアル、webリニューアルに注力しました。お店を締めるということで補償もありながら、会社の2012年から積み上がってきたやれてないことを、裏側で整える機会になりました。僕らとしては良い機会になったと言えます。次の時代に向けて変わろう、変化に対応しようとした企業にとっては、見直すよい時間になったと思います。国からの支援策も活用させていただいて、機会としてもありがたい時間をもらいました。

緊急事態宣言、コロナウイルスの対応の仕方は2パターンあると思います。

1.変わろうとして行動した会社・ひと
2.経済活動が戻るまでじっとただ祈って待っていた会社・ひと


様々な方々と意見交換しましたが、超大きく分類するとこの2つかなと。

伝統工芸やものづくりにおいては、待って祈った人が多いようにも感じました。既存の市場が戻ることを祈りながら、戻ればいいですねという会話を多く聞きました。僕は正直に言うと「正気じゃないな」と感じました。伝統工芸やものづくりに従事する人たちの既存販路は、百貨店・商業施設と観光地が結構締めてたりもします。この市場というのは景気の波に左右されたり、ゆるやかかに衰退している産業です。もうすでにそれがわかっている段階で、さらにコロナウイルスでその主の客層である、インバウンドと、40代以上、高齢者の方々が通わなくなった。この市場が一気になくなったということは、既存の商売は先行きが怪しくなるということです。冷静に考えると、今変わるしかなく、そして絶好の変わるチャンスだったと思います。

しかしながら、ものづくりの構造上縦割りの分業が進んでることもあり、自分たちで直接顧客にアクセスしようとか、そういう思考がまだ育ってないのも事実で「直接のやり方はわからない」ということもよく言われます。みんなでも、ECを立ち上げたり努力はされています。それは素晴らしいと思いますが、もう一歩踏み込んだ改革をしないと、対応できないようにも思います。わからないなんて言ってる場合ではなく、ひたすら考え行動し、前へ進めていかないと終わるんです。その事実を目の前にしながら祈る・待つというのは無意味です。

お店(EC)をつくって収益を上げるというのは広告とか知名度がないと、長期の対策になってしまい、立ち上げたからすぐ収益があがるわけではありません。徐々に徐々に活動を積み上げていくことでお客さんとコミュニケーションをとり、信頼が積み上がったら交換価値として売上あがります。ECといえ、お店をつくるのと同じ。その労力は変わりません。

こういう、売るための政策は必ず必要だとは思うのですが、まず産地・つくりてがやらないといけないなと思うのは、コンセプトの見直しだと思います。自分たちはなんのために活動しているのか?何をつくるべきなのか?世の中に何を提案していけるのか?自分たちのつくりてにできない価値は何か?もう一度考えるいい機会だったと思います。それをしっかり決めて行動することが今後重要で、コンセプトがないつくりては、今後競争で生き残っていけないと思います。

それは、僕らも同じで「地域文化商社」として活動していますが、地域文化側からのプロダクトアウトでやってきましたが、それだけだと、今後より多くの人に、知らない人に伝える範囲としてまだまだ足りないなということも、最近わかってきました。そして、僕らくらいの規模でも、産地に対して、つくりてに対して、大した足しにもなってないという事実もあります。

内部体制を整えたりはありますが、このコロナ禍の時期に、ちゃんと次に向けて手を打つ必要性を感じています。

今年と来年で新たな事業をいくつかリリースします。去年は、3-6は非常に大変な時間を過ごしましたが、7月以降はありがたいことに売上が戻りなんとか最終的に前年比を少し超えるところまで戻りました。それは、地域文化や伝統文化にまだつかいてが希望を持っているという証拠だとも思いました。

つくりて・つたえて・つかいて、バランスが崩れた時に、地域文化は消滅していくのだなとこの1年実感しています。商社の仕事というのは、AとBのギャップを埋めるというのが仕事。今バランスが崩れている時で、私たちは思考を続け、行動を続けなければならないなと感じています。僕らは全て時代に合わせて変わり続けないと死ぬ。それが短期的であれ、長期的であれ人類・会社の必須条件かなと考えています。変化をおそれずに、議論してみんなで前へ進めていきましょう。

いまいちど、つくりての背景や文化背景を知ってほしいと思います。ぜひwebやSNS等の活動を見てもらえたら嬉しいです。どうぞよろしくお願いします。

https://unagino-nedoko.net

ちなみに人も募集してます!

https://unagino-nedoko.net/archives/24947/

うなぎの寝床 白水

本質的な地域文化の継承を。